雑談
「向こうのチーム、どうでした?」
「んー……強いと思うぞ。俺たちの相手も、普通の奴が相手なら負けてた」
ショウは資料に目を落としたまま答える。
「うっわぁ……」
「ん? 何ですか?」
「人工的に作られた覚醒者だ。回復の子以外、四人は」
「……」
「幼少期に、覚醒者を実験的に作るためだけに行われた。
電気ショック、暴行、目隠しをしたまま定期的に身体を切られる……酷いな」
資料をめくりながら、ショウは淡々と続ける。
「だから、あの能力か。
……ダメージフィードバックの女の子はヤバい。人格というか、尊厳が完全に壊されてる」
「……私も資料、見ていいですか?」
「見ないのをオススメしとく」
そう言いながら、一応手渡す。
リアは無言で一通り目を通した。
「…………」
「見ない方が良かっただろ」
「あの子……大丈夫ですかね?」
「試合中に、突然自死しようとするくらいだしな……」
一拍置いて、ショウはページを閉じる。
「けど、向こうの最強……使えるな。
扱いやすい、アリサだ」
「……」
「覆面男も、あいつなら取り逃さないだろ。
協力してほしいところだが、支部が違う。今度、上と相談するか」
「覆面男、ですか……」
「あいつが居れば、何とかなる」
「もし捕まえたら……ショウさんはどうしますか?」
「警察辞めて、自由な人生でも送るかな……いや、辞めないかもな」
「したいことでもあるんですか?」
「恋でもするかぁ……」
「え!?」
「流石に冗談だ。独身貴族を謳歌するよ。
……けど、燃え尽きて何もしなくなるかもな」
「その時は、私が支えますよ」
「冗談言うな」




