落雷
「あーあ、可哀想……次のお相手さん」
「まぁ……確かに。でも強いぞ」
「君が最強? この女の子が?」
「早く終わらせたいー」
「アァァァ呪」
試合前から、化物が顕現する。
それだけ相手が強いと、こいつが判断したのだろう。
「悪いが、全力でやらせてもらう」
向こうの最強も、笑顔が消え、顔が強張る。
試合が始まる。
直後、落雷が落ちた。
出力が異常すぎる。こんな奴は初めてだ。
なるほどな……。
筋肉を電気信号で極限まで強化・制御しているのか。
通りで――だが。
化物は、軽々とアリサを守る。
「ふーん。彼氏君、上着貸して」
化物は、自身が纏っていたドス黒い服をアリサに被せる。
……こいつ、そんなこともできたのか。
試しにアリサへ落雷が放たれる。
だが、化物が庇うまでもなく無傷だ。
「彼氏くん、頑張ってね!」
「アァ呪」
化物が殴りかかるが、かわされ、落雷を浴びる。
……なるほど。
ノーリスクというわけでもなさそうだ。
化物に、かなりのダメージが入っている。
「大丈夫、彼氏くん……」
それに応えるように、化物は回復する。
……やっぱり、ノーリスクか。
化物は殴り、避けられ、落雷を受け、回復する。
それを、何度も繰り返す。
「はぁ……はぁ……」
向こうが、息切れを見せ始めた。
そりゃそうだ。
あの出力を連発だ。恐らく、限界の一二〇%を、
こちらの消耗を信じて無理矢理出し続けている。
だが――こっちは消耗ゼロ。
まぁ……流石、イカれ女と言ったところだ。
やがて、向こうの最強が膝をつき、降参を宣言した。
結果は二勝一敗。
こちらの勝ちだ。
「最初、負けちゃいましたけど勝ちましたねー。
でも、初戦の相手、勝ち目なくないですか?」
「あー……ユウキは攻撃じゃなく拘束を狙うべきだった。
カイも拘束目的で能力を使えば、行動不能にできてた。
それに、よく見たらラグがある。アリサなら即死させて勝ってた」
「……」
「まぁ、殺しは禁止だからな。その手は使えない。
無敵ってわけでもないさ」
「……」
「くだらない政治ごとは終わった。帰るぞ」
「はい」




