テロの後の町
「人、居ないですね……」
「テロの影響だ。まぁ、ただでさえ覚醒者が出てから殺人は増加傾向にあるが、それでもだな」
「良い事、無いんですかねー」
「……自殺率は極端に減った。まぁ、そういう奴が事件を起こすとも言えるがな。ただ、警察側に行く人間もかなり居る」
「へー……」
「覚醒者反対運動?」
「ああ、やってるな。興味は無いが、テロの影響だろう」
「隔離すべきだとか、殺害すべきだとか言ってますね」
「実際、してる。問題を起こした奴限定だがな。まぁ、俺たちの仕事の実情を知ってる奴は、あんまり居ない」
「覚醒者って、そんなに犯罪率高いんですか?」
「高い、というより……覚醒しなくても、いずれやりかねない奴がなる」
「なんか、キラキラした能力とか無いんですかね?」
「人間はな、負の感情や欲望の方が圧倒的に強い。だから危険な思想ほど、覚醒の条件を満たす」
「警察の方々は?」
「あいつらは、ほぼトラウマ型だ。犯罪率は低い。というか、犯罪被害から保護された後、覚醒が確認され次第カウンセリングを受けて、警察になる」
「断る人は?」
「命がかかってる割に、ほとんど居ない。犯罪を実行に移す場合もそうだが……覚醒後に、何かしらの変化が起きる」
「変化?」
「研究では、脳の扁桃体が変質しているというデータがある。変質した結果、俺たちは能力で様々な物を具現化できるようになったが……機能が変わったり、失われたりもしている」
「なるほど……詳しいですね」
「それでもブラックボックスだ」
「映画館に着きましたね! 今日は寝ないで下さいよ!」
「……恋愛映画に興味は無いんだが」
「えー、そんな事言わないでくださいよー」




