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水
男は水を顕現させ、二人へと放つ。
ユウキは身を翻して避けるが、カイは直撃を受けた。
息が――できない……!?
カイは向けられた殺意に反応し、能力で男の首を締め上げる。
だが、顔の周囲を覆う水は消えない。
――根比べだ。
ユウキは、カイが溺死する前に相手を気絶させることを目標に走る。
だが、水の攻撃を掻い潜りながらでは厳しい。
どうする……。
迷っていたのは、ユウキではなくカイだった。
ここまでやられ、なおかつ何人も殺している。
罪悪感など、もう無い。
このまま首をへし折ることもできる。
だが――それをしたら、戻れなくなる気がした。
……でも。
「……やるか」
首をへし折ろうと、覚悟を決めた瞬間――
ユウキが踏み込み、腹に一撃を叩き込む。
男は崩れ落ちた。
同時に、カイの顔を覆っていた水が消える。
「ハァ……ハァ……助かりました」
「はぁ、はぁ……疲れました。
でも、カイさんが居なかったら、攻撃はもっと激しかったでしょうし……こちらも助かりました」
二人は男を確保する。




