テロの始まり
「通報がありました……音声を流します」
スピーカーから、軽薄な声が流れた。
「やっほー、覆面男です。近い内にテロが起きるよ!」 「君達がどれだけ防げるか、見させてもらうねー」 「計画書見たんだけど面白くてさ、今さっき返り討ちにした警官に持たせたんだよね」 「それじゃ! よろしく」
室内が静まり返る。
「……テロって、本当ですかね?」
計画書が届き、全員が目を通す。
「マジっぽいなぁ……」 「けど噂というか、都市伝説的な組織だぞ?」
覚醒者が群れているという噂。
確証はない。だが、疑心暗鬼で済ませていい内容でもない。
「どうします?」
「計画書がこちら側にあるとしても、この内容だと被害を抑えられるか不安だ」 「だが、対応しなければ大勢死ぬ」
一拍置いて、吐き捨てるように言う。
「……やるしかねぇかぁ」
――テロ当日。
私服警官が、テロ予定地周辺に何十人も配置されている。
アリサも今回は特例として外出許可。
適当にデート気分でうろつかせている。
あいつは、こういう使い方が一番だ。
「んで、リア……くっつき過ぎだ」
「警官だとバレないように、恋人偽装ですよー」
「まぁ……いいか」
予定時刻を過ぎた、その瞬間。
――爆発音。
地面が揺れ、悲鳴が上がる。
テロが始まった。




