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テロ組織と覆面男
「あぁ……貴方が噂の覆面男ですか?」
「そうだけど? 雑談しに来たの?」
「いえ……勧誘です。テロを起こそうかと」
「へぇ……そうなんだー」
「大勢殺します。協力してくれませんか?」
「そうなんだー」
男は握手を求めてきた。
覆面男は、それに応じて手を握る。
直後――
話していた男の腹に、ナイフが突き立てられた。
「グァ……ッ……」
「興味ないなー……。僕、群れるの嫌いだし」
「な、何を……!」
取り巻きが叫ぶ。
「あー、相手する?」
覆面男は軽く首を傾げ、笑う。
「フフッ……ギリギリ助かるところを狙ったんだよねぇ。今なら応急処置で死なずに済むよ?」
一拍置いて、続ける。
「戦えばー……分かんないけどねー」
取り巻きたちは歯ぎしりしながら、倒れた男を背負い、撤退する。
去り際、ボスが掠れた声で吐き捨てた。
「……お前が居なくても、テロは……する……」
「勝手にしてねー」




