偽覆面男とアリサ
毎週、ニュースを見る。
人がナイフに刺されて死ぬ。
その人のことを調べた。
憧れた理由はない。
気づけば、その人のことを調べ尽くしていた。
同じナイフを具現化できるようになり、覆面も同じものを再現できるようになっていた。
――事件を起こして、逃げ切ってやる。
◆
……映画館。
席は二人分。
隣には誰も座っていない。
映画が終わると、ひと言。
「彼氏くん、面白かったね!」
怖がられている席なのだろう。
ポップコーンとジュースは二つ置かれているが、一つは手つかずだ。
「こいつの外出の監視とか、最悪だな」
「言っちゃ駄目ですって!」
ショウとリアも映画を観ていた。
リアは映画に夢中だった。
……まあ、変な恋愛映画だが。監視を忘れてないか、こいつ?
人がいなくなったところで、ようやく動く。
覆面男!?
いや……体格が違う。じゃあ、なんだ?
アリサに近づく。
男はナイフを具現化し、アリサに襲いかかった。
「あーあ……じゃない! リア!!」
化物が顕現する。
刺そうとしたナイフは、あっさりと奪われた。
「アッ……呪」
その化物を見て、覆面男は恐怖に固まり、その場に座り込む。
リアがバリアを張る。
砕ける前に、俺が覆面男を取り押さえた。
恐怖からナイフを再び具現化しようとするが、形をなさない。
……これが、最強の力。
「貴方たちもデート?」
「あ……あぁ、そんなもんだ」
監視だなんて言えば、何をされるか分かったものじゃない。
ショウはそう判断し、肯定した。
「え!?」
リアは驚く。
「取り敢えず……こいつは動きが速いな」
手錠をかける。




