表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶の刃  作者: ルイ
14/50

束縛…監獄

離れないで……。

みんな……悪いところ、ちゃんと直すから。

見捨てないで……。

どうしよう、どうしよう……。

——逃げられないように、しないと。

対覚醒者対策課。

「この女の知り合いが、次々と消えている」

「見つけ次第、即捕獲。殺すな」

ショウは資料に目を落としたまま言った。

「……殺さない方がいいな」

「いや、だからダメだって……え?」

「珍しいですね」

「過去の資料を見た。

束縛型の能力を持つ覚醒者の可能性が高い」

「殺したら、居場所を吐かせるのが無理だろ」

「……確かに」

「まあ、殺して“自分の物”にするタイプなら即処分だがな」

「ダメですよー……」

「しゃあない。後で、いいもの見せてやる」

「……いいもの?」

「最悪にいいものだ。

逮捕された覚醒者が、どうなるかって話だ」

「それを見てから、逮捕だな」

——監獄。

「……ここが」

「観光気分で行くかー」

「死にたくない……悪いのは周りだ……」

「無視して歩け」

「……はい」

「もう、ヤダ……」

死刑囚の一人が、不意に身構えた。

「ギャァァァ!」

床から電気ショックが走る。

「あの……牢屋にある“タイマー”って何ですか?」

「今の電気で作動したな」

「ここにいるのは、ほとんど死刑囚だ。

能力を使おうとする、あるいは何か問題を起こすと——

タイマーの残り時間が半分になる」

「ゼロになれば、死亡する出力の電気が流れる」

「……当然の罰だな」

「本当に……当然ですか?」

「制御できない奴だ。

本来は百年設定なのに、こいつはもう三ヶ月を切ってる」

「こんなのが外に出たら、どうなる」

「……再犯しますよね」

「ああ」

「よぉ」

かつて捕らえた、二重人格の覚醒者が声をかけてきた。

「タイマーは?」

「一度も作動してない」

「変わろうと思って」

「こいつは一度も殺してない。

タイマーは逆だ。ゼロになれば出所」

「能力を使えば、時間は倍になる」

「あと三日か……対策課に推薦されるな。半強制だが」

「……もし、タイマーを一度作動させて出所したら?」

リアが尋ねる。

「大抵は何度も作動させる。実質無期懲役だ」

「形式上は釈放される。

GPSを付けて、月一で警官が様子を見る……ことになってる」

「そんな例、見たことないがな」

「……なるほど」

「でも、現行犯なら殺すんですか?」

「許可されてる」

「……耳、澄ませてみろ」

リアは耳を澄ました。

——自分のせいじゃない。

——出てきたら、全員殺す。

聞きたくない言葉ばかりだ。

「これが今の社会だ」

「人間は知能と能力を手に入れた代わりに、

制御する理性を失いつつある」

「……それでも、私は殺したくないです」

「……ああ。それも、一つの意見だな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ