ドッペルゲンガー
子供だ。
犯行現場は近い範囲に集中し、犠牲者は複数。
しかも全員、子供。
「小学生……か?」
「ショウさん……もしそうだとしたら、どうします?」
「リア。そいつは殺す」
「駄目です」
「何人死んでると思ってる」
見回りの途中、ひとりの女の子に声をかけられた。
「あの……友達が、最近変なんです」
「どう変なんだ?」
「分かんないけど……別人みたいで。私のこと、羨ましそうに見るんです」
ショウは頷いた。
「……本当なら、能力には目星がついた」
リアと話しているその子のランドセルに、さりげなく手を伸ばす。
*
その日の夕方。
「ねぇ、どうしたの? こんな所まで来て……最近、変だよ?」
「友達多いよね。ちょっと……羨ましいなって思ってただけ」
首を掴もうとした瞬間、ナイフが飛び、腕を弾いた。
「現行犯逮捕だ」
「GPS付けるなんて……バレたらヤバかったですよ。まだ疑いの段階でしたし」
「こうなる時のために、殺しておいた人間がいる」
「……格闘技のプロか。技術まで再現できるのか、驚いたな」
ショウはナイフを顕現させる。
「駄目です、殺したら。もうすぐ警察が来ます」
テーザーガンを早撃ちするが、木の陰に隠れてかわされた。
「警戒されてたか。逃げても無駄だぞ。周囲にバリアを張った。リアを殺さない限り、出られない」
「ショウさん、私やあなたにはバリアを貼ってません。注意してください」
格闘が始まる。
——コピー元は何だ?
ナイフを捌き、反撃してくる。
「……なあ。他人になって、どうしたい?」
「私は不幸なの! だから……入れ替わってでも幸せになるの!」
「なってねぇから繰り返してんだろ」
「結局、相手は自分自身だ」
その言葉に動揺した瞬間、顎に肘を叩き込む。
少女は崩れ落ちた。
パトカーのサイレンが近づき、彼女は拘束された。
「……あの子、どうなるんでしょう」
「少年法は覚醒者には適用されない。
大人になった時、同じことを繰り返す可能性が高すぎる。死刑だ」
「変わりましたね……覚醒者が出てから、社会が」
「数十年前は、こんなんじゃなかったんだろうな」




