11/50
謎の殺人
謎の事件だ。
昨日まで確かに存在していた人間が、忽然と消える。
あるいは死体が見つかることもある。
だが不可解なのはそこからだ。
昨日まで家族と生活していたはずなのに、検死では死亡推定時刻が一週間以上前を示す。
この現象は、かなりの頻度で発生していた。
「どう思います?」
ショウさんに尋ねる。
「覚醒者の仕業だろうな。だから俺たちが呼ばれた。少なくとも、普通じゃない」
「ですよね……」
沈黙が落ちる。
───過去に遡る。
あの子になりたい。可愛い。
あの人はカッコよくて、頭もいい。
あの子は親に愛されている。
変わってよ。
理屈じゃない。叫びだった。
家庭環境に恵まれている子を殺した。
憎しみに意味がないことは、最初から分かっていた。
家に帰り、鏡を見る。
そこに映っていたのは──殺したはずの、あの子だった。
私は驚き、そして喜んだ。
その子の家に行き、たくさんの愛情を受け取った。
本当の家族のように、自然に。
けれど、やがて飽きた。
というより、また別の誰かが羨ましくなった。
次は……。




