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顔面S級冷酷無双ヤンデレ王子と転生令嬢  作者: はるさんた


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第六十二話:純白の誓いと、独占の刻印


王都中の教会が鐘を鳴らし、沿道は溢れんばかりの民衆で埋め尽くされていた。 今日は、第一王子アレスと、救国の賢者ルナ・ノートの結婚式である。平民出身の令嬢が王妃となる異例の事態に、当初は困惑していた民衆も、ルナがもたらした魔導の恩恵を目の当たりにし、今や彼女を聖女のごとく崇めていた。


王宮の聖堂。ステンドグラスから差し込む七色の光が、祭壇に立つアレスを照らし出している。 純白の軍礼服を纏ったアレスの姿は、神話から抜け出してきた軍神のように美しく、そして冷徹なまでの威厳を放っていた。しかし、その瞳が扉の方を向いた瞬間、氷のような表情は一変し、とろけるような熱情が宿る。


重厚な扉が開かれ、父の手に引かれたルナが現れた。 彼女が纏うのは、アレスが世界中から最高級の絹と魔糸をかき集めさせ、当代随一の職人に作らせた「アレスの執着の結晶」とも呼べるドレスだ。歩くたびに微かな魔力の粒子が真珠のように輝き、ルナの凛とした美しさを引き立てている。


アレスは、ルナが祭壇に辿り着くのを待ちきれないと言わんばかりに、数歩歩み寄って彼女の手を取った。父親からその手を受け継ぐ際、アレスは極めて低い声で、しかしはっきりと告げた。


「……今日から、彼女のすべては僕のものです。指先一本、誰にも触れさせません」


父親が苦笑しながら頷くのを見届け、アレスはルナを祭壇へと導いた。 神官による誓いの儀式が始まる。しかし、アレスの視線は神官ではなく、ひたすらにルナだけを射抜いていた。


「ルナ。君を沈黙の塔から連れ戻したあの日から、僕は今日という日だけを夢見ていた。君を閉じ込める必要のない、正真正銘の『僕の王妃』にするこの瞬間を」


アレスはルナの手を取り、薬指に特大の魔石をあしらった指輪を嵌めた。その指輪には、ルナの身に危険が及んだ瞬間にアレスが即座に転移できる、超高度な守護魔法が刻まれている。愛の証であると同時に、それは逃げ場のない「所有」の証明でもあった。


ルナは真っ直ぐにアレスを見つめ返し、微笑んだ。


「ええ、アレス。私はあなたの王妃として、あなたの隣でずっと歩んでいくわ。あなたのその重すぎる愛も、これからは私の誇りよ」


「誓おう、ルナ。僕の心臓が動く限り、君の涙は僕が拭い、君を害するすべてを僕が焼き尽くす。君は僕のすべてだ」


誓いの口づけが交わされた瞬間、聖堂内は割れんばかりの拍手に包まれた。 アレスはルナを抱き寄せ、彼女の髪に顔を埋めて深く呼吸した。大勢の参列者がいることなど、今の彼にはどうでもよかった。ただ、この温かな体温が、正式に、法的に、そして運命的に自分だけのものになったという事実が、彼の飢えた心をようやく満たしていた。


式を終え、バルコニーから民衆に応える際も、アレスはルナの腰を片時も離さなかった。 民衆に手を振りながら、アレスはルナの耳元で密かに囁く。


「……ようやく終わった。これで、誰の目も気にせず君を愛でることができる。今夜からは、この王宮も、新しく作ったあの家も、すべてが君と僕だけの世界だ。覚悟しておいてくれよ、ルナ」


「あら、お手柔らかにお願いするわね、アレス様?」


ルナが茶目っ気たっぷりに笑うと、アレスは堪えきれないといった様子で彼女の肩を抱きしめた。 世紀の結婚式は、一人のヤンデレ王子が「最愛の獲物」を永遠に手に入れた、独占の儀式でもあった。しかし、その顔面S級の王子が見せる幸福に満ちた涙は、誰よりも純粋で、誰よりも美しい輝きを放っていた。



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