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顔面S級冷酷無双ヤンデレ王子と転生令嬢  作者: はるさんた


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第十二話:学園の初日と、さっそく機能する監視

図書館での衝撃的な再会と、アレスからの「飼育ルール」の言い渡しを終えた翌日、王立魔導学園の正式な授業が始まった。私は特待生クラスに指定されていたが、当然のことながら、クラスメイトのほとんどは高位貴族の子息・令嬢だった。


教室に入るなり、私はすぐに視線の的となった。特に女子生徒たちの視線は冷たく、好奇心と侮蔑が入り混じっていた。平民が特待生として入学したという噂は、学園中に広まっているのだろう。


私はアレスに選ばれたことを誇りに思い、無視することにした。初日の授業は、古代魔法史の講義だったが、貴族向けの基礎教養をすっ飛ばした高度な内容だった。しかし、父から譲り受けた魔導書と、アレスに追いつくための二年間の努力のおかげで、私は難なく講義についていくことができた。


問題は、休憩時間だった。


「ねえ、そこのあなた」休み時間になると、最も派手なフリルをつけた令嬢、侯爵令嬢のソフィアが、取り巻きを引き連れて私の席までやってきた。


「貴女が噂の特待生ですって?ねえ、平民のくせに、どうして特待生になんてなれたのかしら?裏で何か、汚い真似でもしたんじゃない?」


ソフィアの言葉は露骨な侮辱だった。周囲の生徒たちも面白そうにこちらを見ている。私は内心ムカついたが、アレスの「自分で対処しようとせず、すぐに報告すること」というルールを思い出した。アレスは、私が争いに巻き込まれることを心底嫌がっている。


私は笑顔を貼り付け、ソフィアを一瞥した。


「ごめんなさい、私は今、午後の講義の予習で忙しいので。それと、裏工作はしていません。実力で合格しました」


ソフィアは私が言い返してきたことに激昂した。


「なによ、その態度は!平民風情が私に口答えするなんて…!」


ソフィアが私に手を伸ばそうとした、その時だった。教室の扉が静かに開き、背が高く、銀色の髪を持つ少年が入ってきた。彼は王子の側近が身に着ける騎士服を纏っている。


「失礼します。レオナルド殿下からの伝言です」少年は教室の中心で立ち止まり、静かに告げた。


「本日、特待生クラスのルナ嬢に対し、不当な威圧および名誉毀損を行った者に対し、殿下は厳重な指導を行うことを決定されました。特に、ソフィア・ド・アルブレイ侯爵令嬢。次の一挙手一投足によっては、貴族籍剥奪も辞さないとのことです」


その言葉が響いた瞬間、教室の空気は完全に凍りついた。ソフィアの顔は真っ青になり、伸ばしかけていた手は宙で震えていた。彼女は、王子の名前を聞くだけで、その場で泣き崩れそうになっている。


アレスは、もう既に動いていたのだ。しかも、私が報告する前に。


(すごい…!アレス、早すぎる!私が目をつけられたことを、もう察知していたの!?)


ルナは、アレスの徹底した監視体制と、彼の持つ絶対的な権力、そしてそれを惜しげもなく自分に使うその独占欲を、学園初日にして思い知った。この学園は、本当にアレスの掌の上にあるのだ。

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