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死ぬまで欲しいものは手に入れる

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

喚かないのが良い女じゃない。

の二人です。


さて、今回はどうなるか。

親同士が仲良くて家も近くだったから、異性でも互いの家で昔からそれなりに遊んだ。

彼奴の方が誕生日が早い上、俺の方が遅生まれだった。その上弟もいたので、昔から姉ぶる様な奴だった。

――私の方が先に産まれたんだから。

これが彼奴の口癖。其れを振りかざして我を通す真似はせず、どちらがいいかと言えば逆。自分がやりたい事、欲しいものを我慢して、何時も俺を優先させてくれた。

好きな食べ物も、やりたい遊びも、順番一つとっても、『先に産まれから』という理由だけで何時も自分に我慢を強いていた。


ある時、その口癖にうんざりして指摘した事がある。気遣いも度が過ぎれば座りが悪い。

「お前、その俺に何でも譲る癖辞めろ」

すると彼奴はぽかんとした顔で此方を見詰めてきた。何の事を言われているのか分からない様で、返答に困っている様だった。

「好きな食べ物やら、やりたい事やらだよ。さっきだって伯母さんから貰ったお菓子、俺に選ばせただろ」

お前の母親から貰った味の違うお菓子。出来れば同じものを渡したがった様だが、生憎二つとなかったらしい。だから此奴は何時もの様に掌の上に乗せて問い掛けて来た。

――君はどっちが良い? 好きなの選んでよ。

たまにはお前が選べ。と言い返したが、彼奴は首を横に振り続けた。

「あぁ。でもさ、私が選ぶより君が選ぶ方が良いと思って。どっちでも良かったし、私が選んだ後に君が残念がるの、嫌だったから」

何だよそれ。『どっちでも良い』って何だよ。『嫌だったら』ってなんだよ。お前の意思決定何処にあんだよ。

拳を強く握り締めても震えは止まらなかった。その事に驚いた様に彼奴は俺を心配そうに見詰めてくる。

「美味しくなかった? 私が食べてた方が欲しかった?」

「美味かったよ」

「じゃあもっと嬉しそうな顔しなよ。人から譲られたものは喜んで受け取るものだし、取りに行くもんだよ」

けれども俺は後に知ることになる。俺が選んだ方のお菓子を後々大量に買い込んでいた事を。実はずっと好物だった事を。


その優しすぎる悪癖がこれから先、どれ程お前を苦しめる事になるかも知らず、何でもない顔で笑うのだ。そしてこうも思った。俺はお前のようにならないと。絶対、死ぬまで欲しいものは是が非でも手に入れると。

これなら長編イけるかも。

※ぼんやりと終わりが見えているので。


という訳で、一話完結型の起承転結ありの二人の人となりが見えるエピソードを書きました。

※人物紹介云々書くよりも、実際に動かしてから人のなりを分析するタイプ。


これが50話近く投げられればそれなりに奥行きが出る。

という根拠の元、『飽きるまで』続けます。

※途中で飽きたら、連載もきっとエタってしまうから。


まだネタとしてはあるので、形にしておきたい。

それで数話で終わったらそれだけの話だったという事。


彼女の遠慮癖と彼の強引さの元ネタを書きたくて。

多分遅生まれだから姉ぶってそう。そしてその後悔を見てきたから、『死ぬまで欲しがる』にしました。

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