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救いの手

ボロ小屋からの脱出。

ボノたちは捕まることなく脱出に成功。

先行の彼らには馬と脱出路の確保を頼んでいる。

私たちは脱出の機会を窺っているがどうしても決心がつかない。

セピユロスは突入の混乱に乗じて脱出するつもりらしいが上手く行くはずがない。

やはりもっと前に安全に脱出すべき。


今度は私たちの番。

セピユロスの作戦はあまりにも危険すぎる。

「それはダメ! どさくさに紛れるのはリスクが高い」

「ですが私はよくてもディーテの足では捕まってしまいます」

「大丈夫。さあ行きましょう」

さすがにセピユロスの案には乗れない。逆に危険に晒されるだけ。

気づかれないように脱出すればいいのだから何も危険を冒す必要はない。

「分かりました。では言う通りにお願いします」

セピユロスをどうにか説得。


まだボノたちは気づかれていない。

果たしてどちらが正しいのか?

もちろんどちらでも問題なく脱出した可能性も。

反対に両方とも失敗することだって。

「よしディーテ行こう! 」

「分かりましたからもう少し声を抑えて」

セピユロスの呼びかけが聞こえてしまうのではないかとヒヤヒヤする。


脱出成功。

裏口から気づかれることなく厩へ。

あれ…… 馬がいない? 

「こっちだディーテ! 何をやってる! 」

しまった…… ボノとの意思疎通が出来てなかった。

馬は外に連れ出されていた。ボノたちは馬に乗り逃走準備完了。


仮に今、気づかれたとしてもボノたちは逃げ切れるだろう。

「急げ! 何をやってる? 」

「大声出さないで! 」

そう言いながら自分も叫んでしまう。

情けない。何て間抜けなんでしょう。

セピユロスを先に行かせ一頭を確保してもらう。


「うわ何を! 」

暴れ馬に悪戦苦闘するセピユロス。

興奮し大暴れする馬。

いくら大人しくしろと言ってもまったく聞く耳を持たない。

「困ったな。ははは…… 」

「セピユロス早く! 」

もうすでに気づかれてる。


「おい居たぞ! あっちだ! 早くしろ! 」

ボロ家を囲んでいた者たちが駆けてくる。

これはまずい。まだセピユロスは暴れ馬を乗りこなせていない。

焦ってコントロールを失えばセピユロスもただでは済まない。

しかし急がなければ捕まってしまう。もうどうしたらいいの?

「ディーテ! 早く! 」

逃げるように叫ぶが大勢に囲まれてはもう打つ手がない。

「セピユロス! 」

「ディーテ! 」

互いの名を呼び合い最後まで粘るもさすがにもう無理。

いくらご主人様でも奇跡は起こせない。

残る手は馬を使い蹴散らすぐらい。でもセピユロスはまだ乗りこなせていない。

「ディーテ! 」

「セピユロス先に行って! 」

もはやセピユロスにすべてを託すしかない。

あまり当てには出来そうにないですけどね。

「ディーテ! ディーテ! 」

叫び続けるセピユロス。虚しいだけ。


さあ抵抗せずに大人しく捕まるとしましょうか。

「ディーテだな? ボノ様殺害の疑いが掛られている。大人しくしろ! 」

どうやらこの方が我が特別精鋭部隊の隊長らしい。興味ないですけど。

「ちょっと待ちなさい! 私はご主人様ですよ? 」

「ご主人様? バカを抜かせ! もはやお前を主人だとは誰も思っていない」

「それからボノは生きてますよ。先ほど出て行きましたから」

「嘘を吐くな! 言い訳は屋敷に戻ってから聞いてやる。大人しくしろ! 」

やはり説得は無理みたい。全部真実なんですけどね。

「捕らえろ! 」

うわあああ!


「こっちですご主人様! 」

どこからか声が。幻聴でしょうか?

とにかく声のする方へ走る。

「ほら邪魔。どいて! 」

馬が砂埃を上げて駆けてくる。

うわああ!

止めろ!

囲んでいた者たちは自分の命欲しさに散らばっていく。

これではさすがにどうにもなりませんよね?

逃げ遅れた者に再び取り囲まれる。

「ご主人様。手を! 」

言われるまま手を出すが怖くて勇気が出ない。

「もう仕方ありませんね。少々お待ちを」

そう言って逃げ遅れた者に迫る。

「うわああ! 止めろ! 」

馬は遠慮せずに突っ込む。

慌てた男たちは態勢を崩し転んでしまう。

危うく大惨事になるところだった。

馬もそれは理解してるのか器用に避ける。

わあああ! 殺される! 

男たちは逃げることも出来ずに地面に伏す。


抵抗する者をすべて蹴散らし脱出路が確保された。

「さあ今です! 」

手綱を引きストップ。

危うく犠牲になるところだった。

「ありがとう。助かったわ。あなたはまさか…… 」

謎の救世主の助けを借り後ろに乗る。

「さあ出発です! 」

馬が再び走り出す。


どうにか牧場まで行くとボノたちの姿が。

追手がいないことを確認し近くの茂みで一休み。


                続く

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