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ボノの下手な言い訳

ボロの家。

ついにボノを探し出し追い詰めることに。

もはや信用を失ったボノの話など聞くに値しないですが。

「聞いてくれディーテ! 確かに私はとんでもない愚かなことを……

女に唆されセピユロス君をハンティングに誘った。ここまでは問題ないだろ? 」

確認されても困るんですが。自分の罪に向き合う時なのに私に頼るつもり?


「本当にそれだけ? 」

「いやそれから彼と離れるよう仕組んだ。頼まれてつい…… 仕方なかったんだ。

ハンティングに熱中してるうちに自然と。ハンティングではよくあることさ」

そう言えば執事も似たような話をしていた。

これはボノの意図が働いたともセピユロスが動き過ぎたせいで見失っただけとも。

でもその後、姿を消し逃走したら結局同じでしょう。

「まさかここまで上手く行くとは思わなかったんだ」

どのようにセピユロスから逃れたか語り始める。

ボノ自身さすがにもう言い逃れは出来ないと悟ったのでしょう。


「興奮し獲物に夢中で追いかけ回してるうちにボノが居なくなっていて…… 

探しましたよ。こんなところにいたんですか? 」

もはや悪ふざけとしか思えないセピユロスの態度。

ボノとほぼ互角に渡り合える狂いっぷり。これ以上は……


「セピユロスは黙ってて! いいボノ? 彼も被害者よ。

あなたを抹殺したと疑われたんだから。もう大騒動。

あなたは逃げ隠れしたから知らないでしょうね。

捕まったセピユロスは翌日には処刑されていた。

いくらご主人様でも打つ手なし。だから自らの手でお助けした。

それからは絶望の逃避行。ここまでどれだけ大変だったか」

別に自慢する気はありません。ただ私の苦労も少しは理解してもらいたい。

夫は殺されセピユロスは捕まりもうどうにかなってしまいそう。

自分が正しいかさえ分からなくなってしまっていた。

もし屋敷を守るつもりなら間違った判断だったでしょうね。

でも何の罪もないセピユロスを犠牲には出来ない。


「おい何を言ってるのか分からないぞ? 」

ボノはまったく動じない。

「あなたがお付の者を殺したのでしょう? 信じられない! 」

「馬鹿を言え! 私は言われるままセピユロス君と別れ姿を消した。

奴にはあらかじめ黙ってるように指示をしていた。

二、三日姿を晦ますように言われたからな」

ボノは言い訳を続ける。


「誰が信用するって言うのそんな嘘? もう少しまともな言い訳を考えたらどう」

「嘘じゃない! 私は彼女に言われて…… その後ここに身を隠したんだ」

「彼女? 潔白を証明する気はあるの? 」

「ああもちろん! 」

「ヴィーナがどれだけ悲しんでるか…… 」

「勝手な奴だ。散々二人でヴィーナを傷つけたくせに! 」

「うそ…… あなたのせいじゃない! 」

「いやお前のせいだ! 」

「違う! 違う! あなたが滅茶苦茶にしたの! 」

「嘘をつけ! これもディーテ。お前たちを懲らしめるためと…… 」

「まさかあなた…… 」

「ああつい…… 」


興奮して言い争いになってしまった。

まさかボノは騙され唆された? ただ女にたぶらかされたと思ってましたが。

ボノを連れ帰るだけではダメらしい。ボノの背後にいる人物を突き止めなくては。


やがて沈黙が訪れた。

「あれもういいの? 」

ボロが戻る。

「はい、どうやら済んだみたいです」

セピユロスが勝手に話を終わらせる。

「じゃあ皆で食べようか。夕食だ! 」

「うおおお! 」

セピユロスを連れてくるんじゃなかった。

詳しい話は夜聞くことにして夕食をご馳走になる。

さあこれですべて解決だといいんですが。

夕食を終えここで一晩お世話になることに。


「そうか。それは済まないことをした。まさかこんなことになるとはな」

「あなたは一体何を考えてるの? 」

「そうだな。確かに薄々は正体に勘づいていた気がする。

だがもうどうでも良くなって指示に従った」

「ボノ…… あなたがまだ人間の心を持っていたなんて意外」

「おいおい。酷いじゃないか」

「でもごめんなさい。もうあなたとは別れるつもり。

もちろん別れても領内で過ごして構いません。

謀反さえ起こさなければ好きにしていい。

ヴィーナをこれ以上悲しませたくない」

「だがセピユロス君は…… 随分勝手だな」

「お願い指示に従って! どうにか元通りにして見せるから」

ボノを説得する。


さあ今こそご主人様の本領を発揮する時です。


                続く

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