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ショートショート10月〜3回目

中途半端な私は今日も迷子になってこの界隈を彷徨う

作者: たかさば

 物語を綴るようになって、早三年。

 いくつもいくつも物語を書いてきた、私。


 書いても書いても…、スッキリしない時が、たまにある。


 物語が、微妙にぼやけているのが気になったり。

 肝心のエピソードが、バシッと決まらない事にもやもやしたり。

 絶妙にダサいセリフになってしまうのが、嘆かわしかったり。


 小さな不満のようなものがボチボチ出現しては、私を困らせる。


 この物語は、何が言いたいのだ。

 この物語は、何を伝えたいのだ。

 この物語は、何を訴えているのだ。


 こんな疑問がわく時は、だいたいいつも、同じパターンだ。


 書いているうちに、あれもこれもと付け足したくなって、結局全部が中途半端になってしまうのだ。

 書いているうちに、あーでもないこーでもないと血迷い始めて、結局全部を中途半端に終わらせることしかできなくなってしまうのだ。


 書けば書くほどに、自分が何を書いたのかわからなくなる。

 書けば書くほどに、自分が何を書きたかったのかわからなくなる。

 書けば書くほどに、自分が何を書こうとしたのかわからなくなる。


 どうにかこうにか文字を宥めて物語を完成させると、今度は別の問題が顔を出す。


 この物語は、結局何が言いたいんだ。

 この物語は、結局何を伝えたいんだ。

 この物語は、結局何を訴えているんだ。


 絶妙にとぼけた物語は、方向性もぼんやりしてしまうのだ。


 この物語は、どのジャンルに属しているのか。

 この物語は、どのジャンルに入れるべきなのか。

 この物語は、どのジャンルなら受け入れてくれるのか。


 ……完成した自分の物語を見て、いつも思うことがある。


 恋愛小説としては、夢見がち。

 青春小説にしては、都合よすぎ。

 経済小説にしては、見識が狭すぎる。

 政治小説にしては、予測が多すぎる。

 歴史小説にしては、知識が足りない。

 時代小説にしては、事実から目を背けすぎている。

 児童小説にしては、子供心が失われている。

 官能小説にしては、下品すぎる。

 冒険小説にしては、心拍数があがらない。

 教養小説を名乗るなんてとんでもない。

 芸術小説を騙ろうだなんて図々しい。

 純文学にしては、美しさがない。

 ヒューマンドラマにしては、救われすぎ。

 ホラーにしては、現実味がありすぎ。

 教訓ものにしては、シャレにならない。

 メリバにしては、生ぬるい。

 イヤミスにしては、エグすぎる。

 パニックにしては、ショボすぎる。

 アクションにしては、血の気がない。

 異世界にしては、身近過ぎる。

 現実世界にしては、嘘くさい。

 エッセイにしては、偽りすぎている。

 コメディにしては、笑いが乾いている。

 ポエムにしては、汚れている。

 童話にしては、夢がない。

 ハピエンにしては、心が荒む。

 ミステリーにしては、奇跡が多すぎる。

 SFにしては、頭が悪い。

 ファンタジーにしては、日常がありふれている。

 その他に入れるほど異端でもない。


 ちょうどいい塩梅の話が書けない。

 ばっちり納得できる物語が書けない。


 私は一体、何を書いているのだ。

 私は一体、何を書いたのだ。


 私の物語は、いったいどこに行けばいいのだ。


 ……今日も私は、迷い続ける。


 異世界、現実世界、ファンタジー、ハイファンタジー、ローファンタジー、純文学、ヒューマンドラマ、歴史、推理、ホラー、アクション、コメディー、SF、宇宙、空想科学、パニック、童話、詩、エッセイ、その他。


 どこだ、どこに私の物語は行けばいいのだ!!


 唯一はっきりしているのは、リプレイではないという事だけだ。

 待てよ…もしかしてこの世は、壮大なTRPGである可能性が。

 いやいや、そんなことを言い出したらきりがない。


 ……今書いているこの物語ですら、私はどこのジャンルに投げ込んでいいのか迷っているのだ。


 エッセイ?いやいや…これは私の悩む物語であって、慌てふためく残念な胸の内は書いていない。

 うっすらと起承転結のようなものもあるし、一応私という人間を描いた文章であるから、小説ではあるはずだよね……。

 純文学の【芸術性に重きを置いた小説】というのが、一番ふさわしいと思うのだけど。

 芸術性……繰り返し言葉も使ってるし、たぶんイケるよね……。


 さんざん悩んだ結果、私がどのジャンルを選んだのかは、小説情報ページをご覧ください。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 書いた小説をどのジャンルにするか迷うこともよくありますし、投稿後に変更することもあります。 この小説についてはエッセイに一票。
[良い点] >>> 書いているうちに、あれもこれもと付け足したくなって、結局全部が中途半端になってしまうのだ。  わかる [気になる点] 最近の短編はかなり決まってますよ? [一言] 純文学かい! …
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