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鬱展開大好き主人公VS優しい世界  作者: 石蕗石


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起これ!!大事件!!

いいかげんなんか起きて欲しい俺だ。

本日はついに女王選当日。

選出の儀式は午後からで、午前中は例のベテラン貴族さんとの面会の予定が入っている。

めちゃくちゃにギリギリなタイミングだが、まあ昨日の夕方ダメ元で申し込んで、朝食後ならとOKを貰えたんだから、十分ありがたいことだろう。あっちも当日ということで多少緊張やらなんやらありそうなもんだが、心が広いね。


全員が女王選に向けて動いている状況ではあるが、ひとまず自チームのスタンスの違いを整理しよう。

まず俺。鬱展開をその身に受けつつ頑張るカタリナさんが見たい、そして隣国のジメジメ因習を見たい。という一心で親に内緒の海外旅行を決行した結果、よその国の偉い人から神の加護を発揮してくれると期待されてしまっている身の上。本人としては現在一番鬱展開力の高い過去の事件について調査中で、あとはまあ今回もなんか起こんねーかな~~~。と期待している。

俺に付き合って同じく親に内緒の海外旅行をしてくれているヴォルフは、現在あくまで俺の御付きとして存在感を消して付き従っている状態だ。ただでさえ俺という異物を女神の加護効果で神聖な場に混入しているわけだから、これ以上部外者を目立たせるのはまずいという配慮からだな。まあ俺と一緒に宿舎で過ごすときとかは普通に話してるんだけれど、窮屈な目に遭わせているのが少々申し訳なくはある。彼の行動指針は、いつもと変わらず俺第一だろう。

次にカタリナさん。これまでに聞いた限りでは、自分が住むリカイオス領にも影響を及ぼしかねない隣国の謎の風習について、現地で取材することにより知識を深めようとしている。ついでに隣国の有力者とのパイプを作るのも目的だろう。

あくまで地元および領主さんのために動いている彼女だが、彼女自身の正義感と、女王候補という危険な立場故の自衛のためにか、俺が趣味でやっている前回の事件の捜査にも協力してくれている。あと神殿の薬草図鑑とか調合レシピめっちゃ読んでた。楽しそうだった。

最後にクリスさん。自国の次期女王を決める儀式へ、カタリナさんという候補者を推薦している身ではあるが、彼女自身も彼女が属する派閥も、積極的に候補者を女王へ押し上げるというスタンスではない。

ひとまず候補者を出せたこと、そしてその候補者に、隣国の王族でもあり女神の加護持ちでもある人間が同行した、という特殊な状況のために、既に今回の女王選に関しては十分満足してしまっている様子だ。

俺たちに協力してくれるのは、おそらく推薦者より候補者のほうが宗教的立ち位置が高いため、カタリナさんの意向を汲んでくれているということだろう。あと単純にクリスさんにお人好しな部分があるのもおそらく大きい。


つまりぶっちゃけ、今回の女王選での妨害が例年程度で済み、つつがなく終了しさえすれば、前回の女王選の謎など解けなくてもうちのメンバーは誰も困りはしないのである。

しかし俺は俺の趣味に手を抜くことはしたくないし、ヴォルフは俺に付き合ってくれるし、カタリナさんはこうと決めたら突き進むタイプだし、クリスさんはなんやかんや順応力が高い。

おかげで誰にも反対されずに一文にもならない事件調査をしていられるんだから、俺にかかっている加護は、まあ多分良い具合の効能を発揮してくれているんだろう。ありがとね女神。感謝感謝。


さてそれでは、今回お邪魔する相手のほうはどういうスタンスなのか、といったら、クリスさんと同じく積極的に候補者を推していくスタイルじゃないということ以外はよくわからないのが実情だ。

似たような思想とはいえ派閥が違うため、クリスさんも普段の社交の場でそれほど交流があるわけではないらしい。数少ない対面から思い出す限りでは、穏やかでいい人そうないかにもな好々爺らしいけれど、貴族の外面なんてなんのアテにもならないからな。

候補者のほうもあまり周囲とコミュニケーションを取るタイプではないようで、カタリナさんもほぼ見かけてすらいないらしい。たまに遭遇しても、他の候補者と話している時で声をかけられなかったりとタイミングが悪く、ぱっと見では意志の強そうなキリリとした女性だという印象くらいしか情報が無い。

ヴォルフが持っている情報は俺と変わりないんで割愛。


まあ人生なんて大抵出たとこ勝負である。それにどうせ何が起きても、今日の午後には女王選が始まってしまうのだ。

面白い発見があってもなくても、あとは全力でカタリナさんに頑張ってもらうだけ。そんな気軽な気分で会談に臨んでいるのはおそらく俺一人なんだろうが、まあね、一人くらい身軽で余裕のある人間がいたほうが、チーム全体のフォローをできるからね。そんなクソどうでもいい自己弁護はさておき、身支度も朝食も済ませてしまえば、本日の第一イベントはすぐそこである。

デカいにゃデカいが広大と言うほどでもない宿舎の中、各派閥の部屋は頻繁にすれ違わずに済むよう配慮されて離れてはいるが、廊下をてくてく歩いていけばすぐそこだ。

ノックに返事をもらって、クリスさんを先頭に入室すると、聞いていたとおりの白髪で痩身の紳士と、気の強そうな仏頂面の黒髪ロング美女が俺たちを出迎えてくれた。


「やあ、ようこそ。まあどこでも好きな場所にお座り。お茶はどうしようかねえ……。私がやろうかな」


この派閥は従者を連れてこなかったのか、おじいちゃん貴族がよいしょと立ち上がって、言葉通り自ら簡易キッチンへ向かおうとする。

俺やカタリナさんはさておき、自国の他派閥の重鎮に余計な仕事をさせかけているクリスさんは、大慌てで自分の顔の前で両手をぶんぶん振った。


「あーっ! いえ! わたくしが! お茶を淹れてみせますわ!!」


なにかを覚悟した顔でそう言う彼女の家事スキルに、正直期待はできない。貴族とはいえお茶を淹れるくらいなら自分でやれてもおかしくはないのだけれど、この滞在中クリスさんがそういう仕事をしている姿は見たことがない。つまりそういうことだろう。

見かねて俺がヴォルフへわかりやすく視線を向ける。控えめに一礼する少年執事の姿に、かたやのんびり、かたやほっとした顔で、おじいちゃんと少女はそれぞれ、じゃあ任せていいか……みたいな雰囲気で席に着いた。初っぱなからスムーズさゼロである。

推薦者組が軽いドタバタをやっている間、カタリナさんは当然いつもの無表情だ。

もう一人の候補者である女性はといえば、これは若干意外な反応なんだが、何か驚いたような顔で俺のことを見ている。

俺という部外者がいることは、神殿からの許可が出た時点で、各派閥に連絡されているはずだ。なのでこの顔はそこに対する驚きではない。

どこかで会ったことでもあるかと記憶を探るものの、あいにくそんな思い出はない。俺は人間に関する記憶力なら自信があるので、普通にこれが初対面のはずだ。

おそらくこちらには予測不可能な理由で驚いていたのだろう彼女は、誰がお茶を淹れるかに決着が付いたあたりで、少し慌てたように俺から視線を逸らした。

キッチンへ向かいかけていたおじいちゃんからはさておき、おそらくカタリナさんからは一連の流れが見えていただろう。この場で話し合うわけにもいかないので、ひとまずはちゃちゃっと自己紹介を済ませ、全員が席に着く。


「さてと……。こんな老いぼれの話を聞きに来てくれたのは嬉しいけれど、前回、前々回の女王選と比べてみて、今回の女王選はなかなか変則的だからねえ。役に立つことを言えるかどうか」


最初に話を切り出したのは、おじいちゃんもとい、アドニア・フロラキス侯爵だ。年齢的にも地位的にもだいぶ上の方なので、場を仕切っていただけると主にクリスさんが話しやすくて助かるな。俺とかカタリナさんは全然平気で喋るので問題ない。あとヴォルフは基本こういう場で口を開かない。


「いいえ、閣下。この国にも女王選にも不勉強な私からすれば、閣下のお知恵を拝借することが出来るのは、たいへんありがたいことです」

「です!!」

「そうかい。そう言ってもらえるなら頑張って喋らないとねえ。ああ、そんなに畏まらなくていいよ。ここでは女神の元、皆ただの信徒だ」


間に挟まるクリスさんをアクセントとして楽しみつつ、俺はにっこり顔で礼儀正しく頷いておいた。

今回なにが良いって、ある程度放っておいてもカタリナさんがガンガン話を進めてくれるのが最高に楽。

知性が高く教養と品性があり、それでいて候補者という自分の立場的有利さを利用することをためらわない強かさも備え、かつ案外ギリギリを見極めてずけずけ進んでいく図々しさがある名探偵。ほっといても事件解決パートを背負ってくれる彼女がいるおかげで、俺は周囲の人間ドラマに集中できるという寸法だ。

俺がだらだらと脳内で独白しているいまも、カタリナさんはこの国に来るきっかけになった曲者さん達とのエピソードと、こちらに来てから知った前回の事件について知っていることを、わかりやすく端的に纏めて話してくれている。これで犯人このおじいちゃんだったら笑えるな。

俺はそれに神妙な態度で頷いてみせたり、たまに補足を入れる程度で、あとはお行儀良く座って茶ァしばいてればそれで問題ない。

一通り話を聞いたアドニアさんは、真っ白な顎髭を撫でながら、ふむふむと穏やかに頷いた。


「なるほどねえ、きみのところに来た黒服の男達は、まあ間違いなく自助派のどこかの家が出した刺客だろうね。

これまでの女王選を参考にすると、候補者を会場にたどり着かせないための妨害、というのは一番一般的なものと言えるかな。なんていうかねえ、やっぱり彼らも大聖堂に来てからアレコレするというのは、心理的な負担が大きいようなのだよ。

なにせ会場に来て名乗りを上げなければ、候補の候補、程度のものだけれど、名乗りを上げれば正式な候補者、巫女王になるかもしれないお方、なのだからね。それに直接的な神罰が下ったという前例はあまりないにしても、神の御前で緊張のひとつもするだろうし。

そういうわけで、会場へたどり着くまでの間に妨害がそのひとつで済んだということは、自助派の中でトゥリーナ男爵の厄介さというのは、それほど高く見積もられてはいない、と思ってもいいかな。

ああ、もちろん、午後の女王選までの間に何も妨害されない、ということではないよ。可能性はいつでもゼロではないのだから」


おっとりと穏やかに話すアドニアさんの様子は、さすがベテランらしい余裕に溢れている。

逆にあちらの候補者さんである、ルビー・メンディエタさんは、どことなく不機嫌そうというか、テーブルの下で指先を擦り合わせ、落ち着かない様子だ。

彼女の隣に座るアドニアさんからもその様子が窺えたのか、ちらりと視線を向けられて、ルビーさんは居心地悪そうに膝の上で両手を揃えた。

そんな彼女の様子に少し首を傾げるアドニアさんに、ルビーさんはこくりと小さく頷く。


「すまないね、……喋っても問題ないかな?」

「……問題ありません。わたしが女王選へ来ると決意した理由ですから」


二人でそう会話を済ませ、アドニアさんは再び俺たちのほうへ顔を向けた。


「やあ、失礼。……彼女はね、前回の女王選の際に昏睡状態になった、リリス・マルティ候補の、身内のようなものでねえ。この話題は思うところがあるだろうから……」

「良いんです。わたしが女王を目指すのは、リリス姉さんのような候補者が二度とうまれないよう、推薦者同士の妨害だとかいう腐った文化を根絶するためですから」


そう言ってぎり、と歯を食いしばるルビーさんの表情は、鬼気迫るものがあった。

そういう理由なら、今日の女王選へ向けて、さぞ強い決意があるのだろう。

えっ。

いや普通に流しそうになっちゃったけど、えっ。

そうなの!?

ほんとに!?

あっ、どうしよう、全然期待していなかった角度から期待していなかった欲しい人材が彗星のように現れて、心がついて行けない……!

こうなるともうおじいちゃんよりルビーさんに話してほしい……! 女王選と女王になってからのなんやかんやへ向けた、熱い思いを聞きたい……! そして昏睡事件の際の衝撃と悲しみとやるせなさと怒り、そこからいまの目標を立てるまでの心の動きについてもたくさん語って欲しい……!

あかん、気を抜くと呼吸が早くなってしまいそうだ……。ニチャ笑いも出ちゃいそう……。どうにか頑張って、八の字困り眉で心配そうにルビーさんを見る純粋無垢な神の加護付き清楚王子フェイスを維持しなければ……。

いやでも、ここからどうするかな。この場で思いの丈を語ってもらうのは流石に無理か? かといって俺だけが彼女に接触して距離を縮めようとするのも、状況的にかなり難しい。

ちょっとシリアスでしんみり気味な空気の中、おそらく俺だけ一人脳内でギリギリ歯ぎしりしながら悩んでいると、原因であるルビーさんが遠慮がちにカタリナさんを伺った。


「……あの、わたしは、こういう理由ですから、他の候補者のかたからもお話を聞きたくて……。良かったら、あとで一緒に候補者用の部屋でお話を、しませんか」


おそるおそるそう言うルビーさんを安心させるように、カタリナさんは無表情なりに穏やかにゆっくり頷きを返した。ちなみに俺は心の中でガッツポーズをした。


「ええ、もちろん構いません。……すみませんが、前回の事件について、閣下にお話を伺っても……?」

「うん、はい、わたしは大丈夫ですけど……」


そう言って、ルビーさんは今度はアドニアさんへ困ったような視線を向ける。

アドニアさんは変わらぬ穏やかさで頷き、ヒゲをちょいちょいと撫で、小首を傾げた。


「いいとも。と言っても……、事件当時の状況については、トゥリーナ男爵はもうすっかり調べ尽くしたようだし。同じ話を聞かせてもね」


まあ十数年前の大事件なんて、いまさら簡単に新情報が得られるようなもんではない。とはいえ多少の進展は期待したいものだ。

てわけでカタリナさん、お願いしますよ。


「……閣下は、この件の犯人も、自助派の中にいると思われますか?」

「その点について語るのは穏やかじゃあない。私は遠慮しておこう」

「失礼いたしました」

「いいよいいよ。気になるものね。けれど、神殿と女王が調べて、結果の出なかった事件だ。私が何か断言するのは難しい」

「左様ですね……」


まあ立場的に無理と言われてしまえば、それ以上の追求は難しいよね。

と言うわけで今度は俺がいってみよう。


「フロラキス侯爵は、今回も似たような事件が起きると思いますか?」


無表情にも笑顔にも見えるようなアルカイックスマイルを浮かべ、あくまで柔らかな雰囲気を維持しながら、俺は二人の会話に割って入った。

ここまで控えめに話を聞いていた俺の参加に対してか、それとも質問内容に対してか、おじいちゃんはちょっと驚いたような顔をする。


「……そうだね、状況によっては、そうなる可能性もあるだろう」

「前回と同じ手法でしょうか」

「そうであれば、容疑者も絞られてくるかな」

「神殿内に不心得者がいる可能性も?」

「否定はしきれない、としか言いようがないね。神殿を信用していないと言うようなものだけれど、これはあくまで信仰についてではなく、可能性の話だ」

「不敬でしたね、申し訳ありません」


その場で深々と頭を下げ、ここで追求を止めておく。アドニアさんは変わらず穏やかにあるかないかの笑みを浮かべているが、宗教国家でよそ者がこれ以上踏み込むのは、まあまあ怖い。

これ以上新しい話も出ないだろうし、何より優先される候補者の二人が話したがっているなら、これ以上会談を続ける必要もなさそうだな。

なんとなく解散っすかね……、という雰囲気になってきたため、今日はありがとうございました、頑張りましょうね、くらいの当たり障りのない挨拶を交わし、ひとまずカタリナチーム全員が席を立つ。

そこで、ふとカタリナさんが部屋の片隅にあった机のほうへ視線を向けた。天板には水差しや万年筆などのちょっとした私物が置かれているが、品質からしておそらくアドニアさんのものだろう。

今回は女王選に関わる人間自体の少人数化から、使われている客室も普段より少なくなっているらしい。

まず推薦者と候補者に一部屋ずつ。従者を連れて来た場合、従者用の部屋も一部屋。

おそらく普段はそれぞれの派閥ごとに、与えられた部屋の中からひとつを客間にでも流用するのだろうけれど、今回は最低限過ぎて推薦者の部屋で客を迎えることにしたのだろう。広い部屋とは言えないが、荷物も最小限でベッド脇には簡素ながらパーテーションもあり、まあギリ応接に使えはする。

カタリナさんはその少ない荷物に目をとめ、アドニアさんへ向き直った。


「失礼ですが、そちらにある薬瓶は、閣下のお持ち物でしょうか」


言われてみれば、確かに小さなビンに白い丸薬の詰まった薬瓶がある。

アドニアさんはそれをチラリと見てから、カタリナさんに向かって頷いた。


「うん、そうだよ。年を取ると眠りが浅くてねえ」

「そうでしたか。……私は薬師を生業にしておりまして、失礼ですが、他国の薬を見る機会を頂いても……?」

「ああ、いいよ。はいどうぞ」


気軽な調子でひょいと持ち上げられた薬瓶が、アドニアさんからカタリナさんへと手渡される。

カタリナさんはそれを開け、手で仰ぐようにして匂いを嗅いだり、目線の高さへビンを持ち上げて中身をしげしげと眺めたりした。そして1分と経たずに、ビンをアドニアさんへ返却する。


「ホルプが主成分の睡眠薬ですね。とても丁寧な成形……、粉砕もかなりきめ細かいですね。腕の良いかたの仕事です」

「ああ、お抱えの薬師なんだよ。褒められたってあとで伝えておくね」


感心したように頷くカタリナさんに、アドニアさんもニコニコ顔だ。

最後にいいもん見せてもらいましたわ~、くらいのノリでお互い改めて挨拶し解散した直後。俺たち一行はサクサクと自分たちの控え室へと戻り、分厚い扉をバタンと閉めた。

その内側で、カタリナさんが眼光鋭く俺たちを見る。


「あれが毒の可能性があります。こっそり奪取しましょう」


でしょうね。

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有能な名探偵が道なき道をガンガンに整地してくからニコニコ着いてくだけの簡単なお仕事ですか王子? 本日あたり保護者の方々が首根っこ捕まえに(?)やってくるんですがこの余裕の表情……いやまあここまで来たら…
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