木偶の行進
地味な格好で歩いてます
黒いシャツにジーパンで
グレーのパーカー羽織ってます
お顔の化粧もナチュラルに
どこからどう見ても地味でしょう
そんな格好の所為でしょうか
他人は私を避けてくれない
真正面からやってきた
小太り黒色スーツのおじさん
スマホばかり見ているから
肩と肩掠めて舌打ち睨み
全く酷い話でしょう
美女が相手なら優しかろうに
など思ってしまう程
世間は私が生きるには
厳しいような気がします
すれ違う人同士に情けはなく
自分以外は歩く木偶
そんな感覚で
容易に人とぶつかり
足を踏み
目線も交わさず
心の中で悪態を付く
せめて一言
「すみません」と言えばいいのに
そうしてやっと
お互いに人間になれるのに
顔を向けもしないから
お互い心無い木偶のまま
そんな毎朝
私は木偶の中を歩いています