おっぱいをどかしてみたらお姉ちゃん
そんなにポンポン書けんぞ…。
毎日更新の人はどうやっとるんじゃ…。
私のもちゃんと膨らんでますけど…、トリィです…!
メロンというかスイカというか、とにかくたわわに実った2つは、圧倒的存在感を持って揺れていました。
しかもそれらは、私の目線よりも上にあるという恐ろしい事実。
つまり、声をかけてきた彼女は、デカいのです。いろいろと。
(……いやいやいや、え?さすがにサイズがおかしくないですか?)
これはもはや、前世と成長の度合いが違うとか、発育が良いとかのレベルじゃないのですが…。
「………駄目、かな…?」
一歩引いてやっと見えたその顔ですが、長い髪が目元を覆っていてました。余計威圧感を感じてしまったのですが、そこから発せられた弱々しい声を聞けば、断るのが憚られます。
「あ…、いえ!是非、一緒に!」
「………ふふ、ありがとう…」
大丈夫であることを伝えると、感じていた威圧感がすっと無くなり、なんというか木陰で涼んでいるときの、与えられるやわらぎのような、柔らかな雰囲気に変わりました。
左手を頬に当てて少し首を傾げる彼女の、揺れた前髪の隙間から琥珀色の不思議な雰囲気をした瞳が覗いています。
おお、こうしてみるとかなりの美人さんだとわかりますね。目元は隠さない方が良いと思うんですが。
体の大きな彼女のことを考えると、4人がけのテーブルの方が良いでしょうか?
取り敢えず良い感じのテーブルに移動して、先に席に着いたんですが…、あれ?隣に座るんですか?向かいの席も空いてますけど…。
「あの、大丈夫ですか?その、狭かったら申し訳ないんですが…」
「………!大丈夫だよ。それにこっちこそ、私、大きいから…。邪魔だったら、あっちに移るけど……」
彼女から申し訳ないオーラが放出されてしまいました。
あわ、そんなつもりで言った訳じゃないんです!
「邪魔なんて、そんな!狭くないですし、もっとくっついてきても良いですよ!」
彼女との間の部分をポンポン叩いてアピールしてみます。
せっかく一緒にご飯食べるんですから、暗い気持ちにはなってほしくありませんしね。
「………じゃあ、お言葉に甘えて…、気を使わせちゃったね、ごめんね…」
そう言うと本当に少し詰めてきた彼女が、そのまま流れるような手つきで私の頭の上に手のひらを乗せて、優しく撫で始めました。
吃驚するよりも先に感じられた心地よさに、思わず目を細めて、その温かさに浸ってしまいます。
んっ、こ、これは手慣れてますね…、テクニシャン…。
「んっ…ふあ……」
しかし、幸せな時間は長くは続かないもので…、
「………!ご、ごめんね、つい…」
「あ……。え、えと、気持ちよかったので……えへへ」
気付いた彼女が手を離してしまいました。アイリスのと違って、下心が感じられなかったので、純粋に気持ちの良いナデナデでした…。
「…かわっ…!……う、い、嫌だったら言ってね…。また、うっかりやっちゃうかも……」
嫌なんてそんな…、むしろもっとお願いしたいくらいです…。
何だか慌てた様子の彼女を不思議に思いつつ、未だ頭に残る心地よさを引きずりながら、ようやっとサンドイッチを手に取ったところで、重要なことに気付きました。
「あ!えと、自己紹介がまだでしたね。…ごほん、どうも、私はトリィです!」
今更になってしまいましたが、ここで渾身の自己紹介をしておきましょう!挨拶は大事だと、私は学んで生きてきましたから!
「………ふふ、私はレイシーだよ。…よろしくね、トリィちゃん…」
「レイシーさんですね、よろしくお願いします!」
髪に隠れていない口元が、柔らかく弧を描くのが見えました。
色んなところのサイズが規格外で驚きですが、アイリスより圧倒的にまともそうなレイシーさんと知り合うことができました。是非とも親睦を深めて、お近づきになりたいですね!
さて、そろそろサンドイッチちゃんを食べてあげなくてはいけませんね。だいぶ長い間手に持って放置していたので、指先がちょっと乾いてきました。
というか改めて見ると、結構大きい気がします…。レイシーさんが持てば小さく見えるんですけど、これを軽食と表現したのは誤りでしたね…。
もはやビッグなハンバーガーに見えてきましたが、ここは意を決してかぶりつきます、ガブっ!と。
はむっ…!
「!」
こ、これは…!
「………トリィちゃん…?」
むむっ…。
「…むぅ……かはぁ…」
硬い…。
え、硬すぎじゃないですか?何ですか、このパンは!
朝はあんなに軟らかかったのに…。
と言っても、朝のもだいぶ硬かったんですけどね。
しかし、このままでは口の中の水分が持って行かれて、しわしわのミイラになってしまいます。ただ、その分パンも湿ってもうちょっとで千切れそうなんですが…。
(…!もう少しで行けます…!)
むしゃっと、とうとうパンが千切れて初めて中のお肉に舌が届きました…!
そしてお肉も噛み切ろうとしたとき、じわっと、申し訳程度の肉汁とともに、暴力的なまでの塩辛さが口内を襲ったのです…!
「んぐっ!…っ、かはっ!ぐ、げほっ、げほっ!」
「……!大丈夫!?」
その結果、思いっきりむせました。
乾いた口内に濃い塩分が突き刺さって、恐ろしい相乗効果を生み出してます!
「………ほ、ほら、お水飲んで…。…ちょっとお口拭くからじっとしてて、ね……」
「ん、んくっ…、ふっ、はぁ…。……うぅ」
差し出された水を飲んで、ようやく一息つくことができました。
もしレイシーさんが居なければ、死んでいたかもしれません…。さすがに言い過ぎですけど…。
まさか、入学直後にサンドイッチに殺されるとは思いませんでしたが、相手の手の内を知れたとすれば僥幸でしたね。
噴き出して汚してしまった口回りを、レイシーさんに拭いてもらいながら、この強敵を如何様に打ち倒すべきか考えていると、
「………ねぇ、トリィちゃん。スープ貰ってきてこようか…?」
「え、スープ貰えるんですか?」
「………うん、食堂でお昼ご飯食べるなら、スープも出してあげるよって…、昨日教えられたから…」
昨日…?
あれ?そう言えば昨日、朝に入寮したのに気付いたら夕方になってたような…?でも、何故か鳥肌が立つので、この事は深く考えないようにしておきましょう…。
にしても、スープがあるのなら受け取りのときに出しておいても良いと思うんですが。
どうやら、厨房と食堂は隣にあっても、アクセスが扉一枚しかないので、少し融通が効きませんね。
まあ、前世と比べると、食材も無駄にできませんし、衛生面も安全とは言い難いので、その辺ちゃんと意識されてることは伺えますが。
まあ、そんな事はいいんです。
「………貰ってくるよ…?」
「待ってください!私の事なんで私が!」
「………でも、私が外側だし、私の分も貰うから…」
「だったら、なおさら私に任せてください!助けてもらった恩がありますから!…んむっ!?」
抗議する私の口を塞ぐように、レイシーさんのしなやかな人差し指が当てられました。こちらを見るレイシーさんは、まるで聞き分けのない子供を優しく諭すような、微笑みでこちらを見ていました。
前髪の隙間から見える琥珀色の瞳が、優しく私を射抜いて、ドキドキしてしまいます…。
「………お姉ちゃんに任せて、ね…」
わあ…、色気がすごくて、やっぱり美人さんですね…。
「は、はひ」
また、軽く私の頭を撫でたレイシーさんが、いっそ艶かしい程の動作で立ち上がり、厨房への扉へ行ってしまいました。
な、何だかいつの間にか、私にお姉ちゃんができていたようです。
ありがとうごさいました。




