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ニアにはなんだかいろいろありそう

お待たせしました。

ニア視点ですぞい。

 こんにちは、ニアだよ!


 僕は今入学式が始まって暫く経った屋内修練場に居て、早々に白旗を揚げたトリィちゃんに、ちょっとした魔法『そよ風』を送っていたんだけど…。んー、ちょっとトリィちゃん、弱すぎじゃないかな?

 フラフラ揺れるふわっとした髪が気になって、学園長の話なんて気にしてられないよ。


 それに、トリィちゃんの体調も心配だけど、もし何かあったときにアイリスからどれだけの制裁が待っているのか…。下手したら冗談抜きで、物理的に首が飛んじゃうかもしれないね。アイリスはやりかねないから…。

 保身の為にも、『平静』の魔術も仕込んでおこうかな?

 病は気からって言うしね!


 ……うん、ばっちりっぽいね。というか、精神干渉系の魔法に対しても全く抵抗ないって…、絶対に悪い人にいいようにやられちゃうよ。


 まあ、その辺は僕が後でサービスで対策しておこうかな。


 さて、そろそろ始まる頃かな?


 学園長が降りてしまった壇上に、目を惹く金髪を揺らしながら登るのは、アルメリダ王国が第二王子のクラウス様。まだ、僕らと同じ14歳ながら、既にその立ち振舞いには気品が漂い、確かに王家の血を感じさせる。そんなお方だね。

 実のお兄様である第一王子様に比べると、まだまだ未熟だと言われているけど、第一王子様がハイスペック過ぎるだけだからハードルが高過ぎるだけで、クラウス様はクラウス様で十二分に優秀なお方だと思うな。


 そしてこの度、そんな王家の血筋が、堅牢な守備の王宮を離れ学園に入学するということは、あわよくば彼を消さんとする勢力にとってはまたとないチャンスだと言えるはず。

 つまりは、襲撃の可能性が高くなるということで、学園としては彼を無事に守り抜かなければならないって言う、なかなかハードなミッションを、これから数年間こなさないといけないことになる。


 でも、これまでの学園の関係者だけで、王族を狙うような襲撃に対応できるか、と言われたら勿論無理だから、多くの警備員を雇ったり、入学する生徒にもある程度の力を持った子を厳選して、体よく言えば護衛、ぶっちゃけたら盾として扱い、警備を固めることにしたみたい。

 まあ、そんなこんなで、クラウス様の護衛の一人として選ばれたのが、何を隠そうこの僕なのです!

 ちなみにアイリスとアレクも護衛として選ばれて入学しているよ。


 更に言えば、僕とアイリスとアレクが特待生として配置されたのは、自分で言うのもなんだけど、戦闘能力が高いからっていう単純な理由と、ちょっと王家に顔を知られているっていう少し複雑な理由があるからなんだ。


 まあ、そんな護衛たちの初仕事が、実はこの入学式っていうイベントだったりするんだ。


 これから始まるのはクラウス様を狙うテロ行為。

 壇上のクラウス様は勿論、何も知らない生徒にすら危険が及ぶかもしれない、そんな、残虐な襲撃。


 ──を想定した予行訓練。



 ◇◇◇



 ここからのお相手も、ニアだよ!


 予定通りに予行訓練が始まって、修練場は軽くパニックになってるけど、想定してたより取り乱してはないようだね。

 きっと、他に配置されてる護衛君たちが生徒を上手く制御できているからかな?学園の目利きで選ばれた彼らはなかなかに優秀みたい。

 ちなみにこの襲撃が訓練だと知っているのは、僕たち3人とクラウス様、学園関係者数人の少数だけだったりするよ。


 そんな中で、アイリスとアレクは襲撃者に扮した騎士団訓練兵の皆さんを各個撃破しに向かってて、二人とも容赦無く叩きのめしていくのが遠目に見えていた。

 年齢、体格の違いなんかものともしない、圧倒的な二人の猛攻を受けて、訓練兵の皆さんがトラウマにならないこと祈るばかりだね。


 それで、僕の仕事と言えば、万が一がないように修練場に結界を張ることだった。ただ、僕が張っているこ結界は一般的に知られる結界魔法とは違って、『領域結界』と呼ばれる、結界が囲う領域内で発生したダメージを打ち消す、特殊な魔法なんだ。

 まあ、打ち消すと言うよりかは、肩代わりするって言った方がいいかな?


 まあでも、実は今回のこの『領域結界』はまだ未完成で、試験的に運用して使っているけど、とりあえずの問題点はダメージ打ち消し、肩代わりの対象を指定できないことと、あんまり燃費が良ろしくないことかな。

 特に対象の指定ができないと、敵味方関係なしにダメージが無いっていう、不毛な状況ができあがっちゃうね。


 大暴れする2人に比べれば、結界を維持するだけの楽な仕事だから、いい機会だししっかり改善点を確認しておきたいな。


 それで課題について考察していたら、アイリスに頼まれて保護していたトリィちゃんが不意に僕の胸に飛び込んできて、


「ニアちゃん!少し胸をお借りします!」


「ひえっ!ちょっ、トリィちゃん!?」


 うわっ!?トリィちゃんっ、そんな大胆にっ!?

 おー、何かすごい柔らかい…。それに落ち着く温かさ…。

 きっと一度でも抱き枕にすれば、病み付きになること間違いなしだろうなぁ。ちょっとアイリスが羨ましい…。というか、男と一緒に寝るのはさすがにまずいかな?


(…というか、何するつもりなんだろう?)


 表情を見るに、びっくりして抱きついてきた訳じゃ無さそうだけど…。


「?トリィちゃ、ん!……?」


 !な、何この感じ…!?

 トリィちゃんから、これは…魔力?…が流れてきてる、精神干渉の類い?…ん、いやちょっと違う、僕の左胸、トリィちゃんのおでこが当たってる辺りで停滞してる、の?


 僕は正直に言って、この修練場にいる誰よりも魔法、魔力について詳しいと思う。ぶっちゃければ、学園で学ぶ魔法については、入学前に全て修了してる程には。でも、今感じてるこの()() の感覚…。


(トリィちゃんは、いったい何してるの…?!)


 それに一番気になるのが、トリィちゃんのこの謎の魔法?が、僕の『抵抗(レジスト)』を無視していること。

 魔力量で見れば、トリィちゃんからの魔法は確実に無効果するはずなのに、…どうして?


「大丈夫ですか?」


 僕が動揺してるうちに、トリィちゃんのおでこが離れて、その可愛らしい無垢な表情を向けて、小首をかしげてた。

 左胸で感じていた魔力の感覚はいつの間にか無くなっていて、それに──


「…!っ、だっ大丈夫だよっ!それにっ、何だか体も軽くなった気がするよ!」


 そう、『領域結界』の維持にかかる魔力が明らかに減っていて、負担が軽減されているのが分かる…!

 別にトリィちゃんから魔力供給が来てる訳でもないし、結界の術式が書き換えられてる訳でもない…。…じゃあ、何で燃費が改善されてるの?


「そ、それは良かったです…」


 恥ずかしそうに俯いたトリィちゃんを見て、僕の好奇心と、僅かな焦燥感が騒ぎだしたのを感じていた。


 ねぇ、トリィちゃん。その魔法は何?

 どうして、僕に干渉できたの?

 どうして、僕の魔法に触れることができたの?

 どうして、そんな魔法が使えるの?

 どうして、そんな謙遜してるの?



「………ねぇ、トリィちゃん。さっきの気になるから、後でいろいろ教えてね?」



──どうして、僕の知らない魔法を知ってるの?

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