神々の出会いと日々。
イザナギとイザナミの出会い→俊との出会い→家族になって初めてのお出かけ、みたいな感じです。
楽しんでいただけると幸いです。
「おやおや、何故こんな場所に神の子が」
女性は、足元でうずくまって泣いている男の子に声をかけた。
「起きなさい、神の子よ」
彼女は、そっと男の子の頬に触れて涙を拭った。
そして、たった一言だけ彼に言った。
「私と結婚しよう、私は君を愛している」
男の子は、少し驚いた表情を見せたが女性はすぐに抱き寄せた。
「君に名前を与えよう、私の名前が『イザナミ』君の名前は…そぅだな、『イザナギ』だ」
「イザナギ?」
「そぅ、これが新しい君の名前だ」
これが、イザナギとイザナミ2人の初めての出会いだった。
それから幾年もの年月が過ぎた。
「イザナミ、出掛けるのか?」
「あぁ、少し散歩に出てくるよ昨日の嵐もあるからね」
イザナミは、イザナギと初めて出会った日と同じように、嵐のあった日の翌日に外に出るのが習慣になっていた。
(やはり、外はかなりの被害が出ている…和国の民にも相当の被害が出ているな…)
イザナミは外の世界を見て周り、自然現象による被害を目の当たりにした。
(おや?あれは?)
また1人、少年がうずくまっていた。
「これは…!ひどい怪我だ…衰弱もしている」
イザナミは、少年を抱えて自宅へと走り出した。
「イザナギ、布団を用意してくれ」
「布団?!待ってて、今用意する他になにか必要なものはある?」
「消毒液と包帯を、あと濡らしたタオルを」
イザナギは、急いで布団を床に敷き少年を寝かせた。
すると、奥の部屋から男女2人の子供たちが出てきた。
「おとーさん、なにか手伝うことある?」
「明、桃、じゃあ2人でお水を汲んできてくれないか?」
「はーい!」
明と桃は、仲良く水を汲みに外に向かった。
「気をつけて行ってくるんだぞ〜!」
「はーい!」
一家総出で見ず知らずの少年の面倒を見たかいがあったのか数日後には。
「ん…ここ、は?」
「おかーさん!男の子が起きたよ!」
少年が起きたのに気づき、イザナギと外の世界に出かけている桃に変わって明がイザナミに報告しに向かった。
「おはよう、少年」
「あなたは、誰ですか…?ぼ、僕を食べるんですか?」
少年は肩を震えさせてイザナミとは別の方向を見つめる。
イザナミは、笑いながら答える。
「私はイザナミ、君を食べたりしないよ、強いて言うなら、君を助けた」
「あ、ありがとうございます」
イザナミは、少年の包帯に触れた。
「痛むか?」
「痛くはないです、生まれつき目が見えないんです」
「そぅ、辛かったね」
少年はこれまでの経緯を説明し出した。
自分が人間で、嵐に巻き込まれどこかに飛ばされたこと、目が見えなくて親、兄弟、周りの人々から受けてきた迫害を。
「そぅ、そんなことが」
「僕は…辛くて、苦しくて…!」
見れば少年は涙を流していた、その姿はいつかのイザナギに酷似していて。
イザナミは、彼を抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だ、これからは私達が居る君と共に居る」
「…はいっ…!」
「君に瞳を与えよう、私の右眼を君に与えよう」
イザナミは、少年の包帯をほどき右眼を少年に埋め込んだ。
「見えるか?私の瞳が」
「綺麗な赤い瞳です…」
「そぅだ、これが君の右眼だ」
そして、イザナギ達が帰って来、事情を説明した。
「そぅか、なら僕も彼に瞳を与えようじゃないか僕の左眼を」
イザナギは左眼を少年に埋め込んだ。
「全く、イザナギ…君と言うやつは」
「だって、僕らは家族なんだから」
「ほ、本当に僕も家族で…いいんですか?」
少年はイザナギ達の方を見て言った。
「当然だろう、今日から君も僕達の家族だ」
「ありがとう…!」
明と桃は、少年に駆け寄り一生懸命になだめた。
「綺麗な瞳…」
「赤と黄色の明るい色だね」
「ありがとう、本当にありがとう」
少年は明達にも感謝した。
「あなたの名前は?」
「僕の名前は…俊」
「よろしくね、俊!」
「うん、よろしく」
3人は、義理の兄妹になった。
翌日
「お母さん!行ってきます!」
「気を付けて行ってくるんだよ」
「済まないね、見送りまでしてもらって」
「イザナギも、気をつけて」
「ありがとう」
明と俊、イザナギは外の世界に出かけることになった。
「桃、お母さんのこと頼んだよ」
「うん!お父さんも明と俊を頼みます」
桃は、イザナギに頭を撫でられ少し笑って見せた。
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい!」
イザナミは左眼で桃を横目で見て言った。
「良かったのかぃ?行かなくても」
「俊の事は心配してるけど、お母さんのお手伝いもしたいから…」
桃は少しモジモジしながら言った。
「ありがとう、桃じゃあ今日は1日世話になるよ」
一方、イザナギ達はと言うと。
「ね、ねぇ…明」
「なぁに?俊」
「外の世界には何しに行くの?」
明は少しだけ考えて答えた。
「買い物をしたりとか、地震とか嵐があったら災害の影響を見て回ったりとかね」
「そ、そぅなんだ…お父さん、大丈夫かな?」
「大丈夫だよ、お父さんはすごく強いから」
俊は左目に付けている眼帯を見つめた。
事実、外の世界に来てからと言うものイザナギは様々な店の常連だったらしくどの店に行っても先に言われるのが
「どうしたの?その左目」
「何?怪我したの?」
と言われるのだ。
俊は、それがすごく辛かった。
「さぁ、買うものも買ったし帰ろうか」
イザナギは沢山の袋を片手に言った。
「僕が、持つよお父さん」
「そぅ?重いよ?」
「大丈夫、持てるから」
俊は幾つもある袋の中から、2袋貰い持った。
「ただいま〜!」
「おかえり〜!」
イザナギ達の声を聴きイザナミ達が出迎えるのだった。




