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そよ風の唱
かなり短いです。
ふと、明日風は目を覚ます。
辺りを見渡すも、真っ白で不思議な空間に自分はいる。
「ここは……?」
明日風が目線を下に落とすと、自分の身体が浮いていることに気づく。
「うわぁぁ~!!」
明日風は両手をグルグル振り回し、足をジタバタさせるも身体は動かない。
明日風が諦めて、前を見ると、1人の女性が立っている。
黒く長い髪に、紺色の上衣。手甲を付け、袴を履いている。
「誰ですか?」
明日風が女性に話しかけるも女性は微動だにしない。
「ここがどこだか分かりますか?」
明日風がそう尋ねると、女性はやっと口を開いた。
――地を駆ける豹――
――空を舞う隼の如く――
「どういう意味――」
明日風が再び尋ねようとするも、視界が真っ白になった。