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自己紹介

 勢いよく頭を下げた女の子が頭を上げる。

 思はずため息が出る美しさ。

 まず目に入るのは銀、透き通るような白銀の髪を腰あたりまで伸ばしている。顔は恐ろしく整っていてその顔についている瞳はとても深い青色をしている。黒いドレスを身に着けた身長百六十センチくらいの女の子。

 感嘆の溜息を出すと同時に何かが引っ掛かる。

 どこかで………

 「私の名前はファラス・レイ・グラスリアです」

 美少女が自己紹介する。

 なるほど俺はそこで合点が行った。この子はグランの娘か何かだろう。

 「魔王?」

 俺の後ろにいた誰かが声を出す。

 振り返ってみるとそこには黄色いフード付きのパーカーの上に学ランを着ている茶髪イケメン。

 怪訝そうな顔をしている彼のほかにも二人。

 金髪の女の子と黒髪の女の子。

 「はい!皆さんには私たちをキリシカ聖国から救ってほしいんです」

 元気がいいなこの娘。

 「ちょっと待とうか」

 ほかの三人が状況を飲み込めていないようなのでいったん止める。

 「なんですか?」

 ファラスが発言を許可してくれたので発言する。

 「魔王というのは魔族の王というやつかな?」

 「おおむねあっています」

 おおむね?。

 「正確には魔族と獣人とエルフ、それにドワーフの王のことです」

 ドラゴンニュートと天人族は?と聞こうとしたがやめておく。

 いまの俺は一般人だ。余計な興味を持たれても説明に困る。

 今は情報収集だ。

 それにしてもあんまり増えてねえな種族グラン頑張れよ。

 「キリシカ聖国というのはなんすか?」

 チャラそうな茶髪イケメンが質問する。

 ナイス、チャラ男。これで意識を分断できる。

 「人間族の国のことです。とても大きな国です」

 あれ?聖国はたしか小国だった気が………時代の流れか。

 そのあともいろいろと聞いた。

 話を要約すると勇者トウマ・フユサキ(俺)が世界を平和に導いたが彼が帰った後彼の意志だとか言って聖国がめちゃくちゃしていま世界は戦争状態。ちなみに今は俺が死んでから百年後の世界。

 聖国マジで屑だな。

 俺の怒りがふつふつと再燃してきたところを空気を読んだチャラ男が話し始める。

 「君はすごい優しいっスねえ」

 「優しい?」

 俺の雰囲気が和らいだことでほっとしているチャラ男。

 「だって今の話を聞いて人間族に対して怒れるなんて優しいっすよ」

 チャラ男が最後を悲しげに言う。その瞳は深い闇を抱えているような目、チャラ男なのに。

 「そんなことはないよ。ちなみに俺は斬立きりたち黒木くろきだよろしく。黒木でいいよ」

 顔に笑みを浮かべて手を差し出す。

 「僕は嗽津実うがつみひらめきっス、以後よろしく黒木」

 がっしりと握手する俺と閃。

「ちょっと!何二人で盛り上がってんのよ!私たちだって魔王でしょ」

 金髪碧眼の美少女が割り込んでくる。

 「えっと君は?」

 困り顔で美少女に尋ねる。

 「私は陣羽織じんばおり落雷らくらいよ。みんな落雷って読んでね」

 金髪を肩あたりまで伸ばした美少女。

 名前が和風ジャン。

 「私は白銀しろがね鈴歌りんか。鈴歌でいいわ」

 黒髪のクール切れ目美少女。

 黒髪を後ろで結ってあって背筋がピンっと伸びている。

 「それではみなさん細かい話は上でしましょう」

 そう言ってファラスは部屋を出ていく、順々に部屋を出ていく人たち。

 僕は最後まで残っていた。同じく最後まで残っていた黒いジャケットに黒いカッターシャツ、軍服を着た赤髪褐色の女性に歩み寄り耳元でこういった。

 「誰も殺さなくてよかったですね」

と、それを聞いた女性はすごくびっくりしたような顔をしていた。

 「早く行きましょう?」

 軍服美女に笑いかける。

読んでくれた人ありがとう


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