2nd
赤髪の青年は、名を黎という。
その同居者である水色の髪の少年は光月。
黎は朝食の用意をすると、昨日から眠りっぱなしの光月を起こしに扉を開けた。
すると光月は既に起きていて、包帯を巻き直している最中。
光月は黎の存在に気付くと、すぐさま右手を隠した。
そして取り繕うように微笑む。
「レイちゃん…おはよ」
「飯の用意してあるから早くしろよ」
黎はそう伝えると部屋を出た。
光月は普通に見れば人殺しをするような人ではない。
だが彼は…二重人格なのだ。
それらしい理由はあるが、実際なぜそうなったのかは誰にもわからない。
ずっと一緒に居るのに。
黎と光月は幼馴染というものだ。
だから全部知っている、知られている。
光月に両親がいないことももちろん知っている。
そう考えているところに支度を終えた光月がやってきたので、彼らは朝食を共にした。
休憩もそこそこに彼らは靴を履く。
そして基地へと向かうのだ。
なぜなら彼らは『特殊部隊・SEP』のメンバーだから。
SEPとは『Supernatural power Elemently Police』の略であり、兄弟であり敵である星、FSEとの戦いに備え置かれている警察だ。
だが、普通の警察とは違い、特別な能力を持っている者のみで構成されている、いわゆる軍隊のようなものである。
彼らが基地の中に入ると、待ち構えていたかのようにやってきたのはSEPのリーダー・啓太 。
彼は黎よりも長めの桃色の髪を持ち、リーダーという威厳よりも優しさを強調するような整った顔立ちだ。
その彼が言った。
「今日から一人、メンバーが増えるんだ」
そして啓太の少し後ろに控えていた、少年のような容姿をした金髪の少女が背後に手招きをする。
すると奥の扉から、小柄で可愛らしい少女が現れた。
萌黄色の髪を顔の横で軽く二つに結っていて、ピンクのワンピースを着ている。
「…未来と言います…よろしくお願いします!」
彼女は緊張しながらもそう告げた。