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思ってたのとなんか違う

登場人物紹介


深森由亜…… 魔王として異世界に召喚される。

尾頭魔王…… 前魔王。勇者に討ち取られる。

シャーマン爺さん……深森由亜を召喚する。

学者爺さん……魔族の学者。

宰相爺さん……魔族の宰相。

ガルガイム……エルフの長。

 とりあえず玉座は元に戻させ、便器は部屋に運ばせた。


「それにしても部屋に便器ってかなりシュールな絵面だな」


 せめてもの救いはスライムが汚れを分解して、便器を新品同様にピカピカにしてくれたことだ。やっぱ異世界スゲー。


「でも、これ使えないんだよなあ」


 上下水道も電気もないこの世界では折角の水洗トイレもウォシュレットもただの椅子でしかない。


「なんとか早急に使えるようにしないと」


 タイムリミットは次に俺が便意を催す迄。


「こいつはかなり喫緊な課題だな」


 というわけで早速魔族の知識人たちを集めて有識者会議を開いた。


 有識者会議のメンバーはシャーマン爺さんに学者爺さんと宰相爺さんの三爺の面々だ。


「よく集まってくれた。皆の意見を聞きたい」


 最初に口を開いたのはシャーマン爺さん。


「つまり汚物を水で流せて処理出来るようにすれば良いのですな」


 それに学者爺さんが返す。


「いやいや、それだけではないぞ。ウォシュレツトなるもののノズルを出し入れして尻を洗う装置も必要じゃ」


 も一度シャーマン爺さん。


「流すのも洗うのも水魔法でなんとかなりそうだが、ノズルを出し入れするという装置が難しそうだの」


 学者爺さんが頷く。


「確かにそこが一番の難点だな」


 これまで沈黙していた宰相爺さんが初めて口を開いた。


「ならばいっそそちらはドワーフに依頼してはどうであろうか?」


 ファンタジーなワードに俺は思わず身を乗り出した。


「おー!ドワーフ! ドワーフってあの小さくて髭もじゃで酒好きな寸胴の鍛治が得意っていう奴か?」


 俺の発言に皆が顔を見合わせる。


「いえ、魔王様。ドワーフはスリムでインテリでスマートな絡繰細工が得意な種族です」


 スリムでインテリでスマートな、ドワーフ? なにそれ、聞いたことない。


「会議中に失礼いたします。エルフの長が新しい魔王様にお目通りを願っております」


「おー!エルフ! エルフってあの美男美女だらけの弓が得意な耳の長い奴よね?」


「魔王様、エルフは……いや、百聞は一見にしかずと申します。実際に会ってみられるのがよろしいかと存じます」


「わかった、目通りを許そう」


 このセリフ、一度言ってみたかったやつ。


「お初にお目にかかります。我はエルフの族長ガルガイムと申します。此度は新魔王様に手土産を持参しご挨拶に伺いました」


 なにこのムキムキマッチョな原始人。いちおう耳は尖っとるけど顔とかめちゃめちゃ刺青入っとるし。ガルガイムって名前まで厳ついなあ。


 そのガルガイムの後ろに控えてる女エルフなんて見た目がなんかアマゾネスやし。


 手土産が生肉と毛皮とかワイルド過ぎんだろ。あ、なんかも一個あった。カラフルな小さな石。


「えーと、それ何? 宝石?」


「これは魔結晶といって、魔獣から採れるものです」


 ガルガイムの説明に学者爺さんが補足してくれる。


「魔結晶は魔獣の体内で魔力が結晶化したものですな。使い切ると霧散してしまいますが、魔獣の属性に応じた魔力効果があります」


「あー、なるほど。いわゆる魔石ってやつかー」


 異世界の定番やね。


「魔石? それは魔鉱石のことでしょうか?魔鉱石は魔結晶と違って無属性の魔力を帯びた鉱石で、干渉すれば如何なる属性にも変化します。あと、使い切っても消えたりはいたしません」


「へー、そんなんもあんのか。で、それはどこで手に入るん?」


「北の鉱山で採掘出来ます。といっても携帯用の予備魔力としてしか他に使い道はありませんが」


「は? いや、あるじゃん資源」

不定期ですがぼちぼち更新していきます。

お暇ならお付き合いください。

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