表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】政略結婚なので愛は不要と告げた初夜に、妻は夫に愛人を紹介しました  作者: 一ノ宮ことね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/37

ときどき、あなたにだけ

それは特別な夜ではなかった。


祝日でも、式典でも、記念日でもない。

ただの平日。政務に追われて疲れ果てた王と妃の夜。


カイゼルが書斎でペンを置いたのは、いつもより少し遅い時刻だった。


「……今日はもう終わりだな」


隣の席では、レティシアが目を閉じて眠っていた。

積み上がった資料に頬を預けたまま、静かに呼吸をしている。


そっと毛布を掛けてやろうと手を伸ばした瞬間――


「……寝たふりよ」


「……!」


「騙されたわね、カイゼル」


薄く笑いながら、レティシアが目を開ける。


「私の寝顔を見られるのは、あなただけよ。……光栄に思って?」


カイゼルはその言葉を聞いて、ほんの少しだけ口元を緩める。


「はい、たいへん光栄です、妃殿下」


「ふふ……でも、こうして静かな夜に隣にいてくれるの、好きよ。たまには」


「四六時中ずっとそばに張り付いていたいけどね」


「たまにして」


レティシアはそっと彼の肩に寄りかかる。


「おやすみ、カイゼル」


「おやすみ、レティシア」


それは、帝国の中枢にいる王と妃が交わす、

最もささやかで、最も幸福な“ふたりだけの会話”だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ