ルイスとソルト、ルースとフィスタ
ルイスはまた夢をみた。ルース姫が庭で剣を振るっていると、1人のメイドが近づいてきた。メイドはこう言った。No.015が戦争で死んだと……。ルースは涙にくれた。停戦する前の日に死んだらしい。そんなルースをフィスタは不器用なりにもなぐさめた。
「そう泣くな。全て俺の責任だ。」
「そうね!貴方のせいよ!」
本当はそんなこと言いたくない。でも、ルースは悪態をついてしまう。そうして、次に禁断の書の精、マリーまでもが封印されることになった。
「フィスタ様!どうしてですか?!どうして、マリーを!?」
「これからの計画に必要なんだ。」
「計画?なんのことです?!」
「時が来ればわかるだろう。」
そうして、時が経つ。ルイスは目覚めた。今回は短い夢だった。ソルトの言うこの夢の意味とはなんだろう。そう思って図書館で調べてみる。だが、わかっていることはフィスタ王が国を滅ぼした魔法界史上最低最悪の王であると言うことだけである。
「つまり、フィスタ王の計画って、国を滅ぼすこと?!」
どうすればいいだろう?国を滅ぼすなんてこと、止めないと。だが、これは過去の出来事なのだ。ルイスには止められない。
「……ルース姫はどうなったの?」
何もわからなかった。きっとそこに意味があるように思えた。
ソルト処刑まであと2日。ルイスは本の虫になった。だが、わかることは少なかった。フェルース国は滅びた。だが、フィスタ王の弟、ファレスがその跡を継ぎ、復興、そして、隣国ルフィア国と統合する。それがルスタランドの始まりなのだということだ。ソルトのもうすぐわかる。これはもしや、処刑日までにこの夢が終わると言うことなのだろうか?
ルイスは考えるだが、答えはでなかった。その日は夢を見なかった。
ソルト処刑まであと、1日。目覚めたルイスはソルトの元へとゆく。だが、答えはでない。ソルトは何も語らなかった。
「さあ、もう終わる。終わるんだ!」
ソルトは牢獄でそうつぶやくのだった。
その日の夢は悲しい終わりだった。フィスタ王の野望、それは兄が継ぐはずだった国を消し去ること。そしてそれは実行される。それを止めに来たのがルース姫だった。ルースとフィスタは戦った。しかし、魔法の天才たるフィスタには足元にも及ばなかった。こうして、ルース姫は殺される。計画を止めることはできなかった。そして、最初にみた夢へとつながる。ルースは死んだ。そして、フィスタ王はルースを愛していた事を悟る。ルイスは目覚めた。そう、全てを思い出して……。自分はルース姫なのだと、思い出したのだ。フィスタ王は死んだルース姫に魔法をかけた。その魔法こそ、輪廻の魔法。いつか王族から生まれた子にルースの魂が宿る魔法をかけていたのだ。そして、自らもソルトに転生していた。思い出した。そう、全てを。憎い。憎い!!フィスタ王が憎い!!ルイス、いや、ルースは走った。ソルト、いや、フィスタ王の元へ……。
「フィスタ王!!」
牢屋についたルースはフィスタ王に剣を突きつけた。