ルースと禁断の書の精
ソルト処刑まで、後4日。ルイスは相変わらずフィスタ王の夢を見ていた。この日の夢はルース姫は何者かに連れ去られる夢だった。
ルース姫は連れ去られ、フィスタ王がそれを追う。それは大臣の下僕による犯行だった。アジトにて、ルースは気を失っていた。
「へへへ、ルース姫を手に入れられたぜ!このまま売っぱらっちまうのももったいねぇなぁ。」
そう言ってルースに近寄ろとした人さらいのアジトが破壊される。破壊されたところに土煙がたつ。
「なんだ?!」
「なんだ、だと?人の妻をさらっておきながらなんだはないだろ?」
そう言ってフィスタ王が現れた。人さらいは逃げようとする。だが、フィスタの魔法によって跡形もなく消え去った。
「世話がやける妻だ。」
そう言ってルースを姫抱きして城へ戻った。戻るとルースは自室で寝ていた。起きると禁断の書の精が傍にいた。
「貴方は?」
「わしは禁断の書の精と申します。貴方様を見ておくように主たるフィスタ王から命じられてここにおります。」
「そう、ありがとう。ところでフィスタ様は?」
「仕事が終わらないので部屋で仕事中です。」
「そう、ありがとう。」
ルースはフィスタに会いにゆこうとする。だが、禁断の書の精に引き止められた。
「まだ無理をしてはいけませぬ!」
「でも、……」
「ここで寝ていてくださいませ。」
「わかったわ。貴方、名前は?」
「禁断の書の精ですじゃ。」
「名前を聞いたんだけど?」
「名前などありませぬ。」
「なら私が名前を付けるわね。そうね。マリーはどうかしら?」
「いい名前です。ありがたき幸せにて。」
こうして2人はなかよくなった。それをフィスタは物陰からみていたのだった。
☆☆☆☆
フィスタ王の計画はどんどん進んで行った。
「いやだよ。おにいちゃん。おねいちゃんにあえないなんて……。」
「しばらくの間だけだ。我慢しろ。」
「でも、……本当にいいの?そんなことしちゃって?」
「いいんだ。これはもう、決まったことだ。」
そうして涙目のマリーナは魔法にのまれていった。
「さぁ、もう少し、もう少しで完成する。この俺の国潰しが!」
☆☆☆☆
ある日を境にマリーナがルースの元を訪れなくなった。ルースはそれが心配でフィスタにたずねることにした。
「フィスタ様、マリーナはどこに?最近見ませんが……。」
「マリーナはまた旅だった。きにするな。」
「ですが……。」
「また会える。たから気にするな。」
「……はい。」
こうして、1人、また1人と、ルースの知り合い消えていく。その理由をルースはしらない。ルースがその理由を知るのは2000年後である。そこでルイスは目覚める。
「…………ソルト。」
ソルトの元へとかけて行く。
「ソルト!教えて!この夢の意味を!」
「まだ、そのときでは無い。」
「何、それ、やっぱり何か知ってるんでしょ?!」
「お前自身が思い出さなければいみがない。」
「思い出す?なんのこと?!」
「さぁな。」
ソルト処刑まで、あと3日。