フィスタとソルトの過去
フィスタの過去は悲惨なものだった。魔法の素質があることから注目され、兄のぺへナールに虐められる日々を過ごしていた。そんなある日フィスタはぺへナールを殺害してしまう。そして、跡継ぎとなるのだが、兄の継ぐはずだった国などいらないといい、国を滅ぼそうと考える。それこそが計画。そして、フィスタはルースの事もしっていた。ルースが自らの嫁にねると幼きころより魔法の水晶玉でみていたのだ。
そして、ルースは本当にフィスタと政略結婚とはいえ結婚した。フィスタの計画はこれより進んでゆく。ある日の事、ルースがNo.015と修行しようと庭にでた。しかし、No.015はいなかった。後から聞いた話、フィスタ王から特別の任務を得て戦争に向かったらしい。政略結婚したが戦争は終わることはなかった。ルースはフィスタの元へと向かう。
「フィスタ王、どういうことですか?!戦争はやめてくれるんじゃ……」
「それはお前の勝手な結婚理由だろ?まあ、そうだな。今からでもいいか。」
「何がです?!」
「”義父上”に挨拶に行かなくてはない。」
「はい?!」
2人は魔法でルフィア国国王に会いにゆく。久々のみずからの城にルースの心はかるくなる。そうして、城を歩いていると、ルースの2番目の兄にであった。
「ルース?!何故ここに?!そして、そいつは……まさか!」
「はい、兄上。今日は父上へ挨拶にまいりました。」
「挨拶だと?!あの噂は本当だったのか!嫌がるお前を無理に嫁にしたっていうのは?!」
「誤解です!兄上!私はっ!」
「誤解です。義兄上。」
「お前に義兄上と言われる筋合いなどない!」
「まあまあ、落ち着きなさい。」
そこに現れたのは車椅子の1番目の兄だった。
「ルースが困っているだろ?それに嫌そうにも見えない。」
「兄上!しかしっ!」
「フィスタ王、父上はそこの部屋にいる。よろしく頼むよ。」
1番目の兄はフィスタにそう優しく微笑んだ。
「はい、義兄上。」
そうして、王の間に入る。そこにはルースの父がいた。
「お前が来ることは予言の水晶玉よりわかっていた。フィルラレス・レミタール・フェルース王。」
「お会いできて光栄です。」
「何をしに来た?」
フィスタが話しているのでルースは黙っていた。
「戦争を止めに来ました。」
「なん、だと?お前が負けを認めるのか?」
「いいや、そんなことはしない。だが、停戦ならできるはずだ!」
「停戦、だと?」
「義父上、戦争を停戦していただきたい。さもなくば……」
そうしてルースに目を向ける。
「なるほど?娘は人質と言うわけか。」
「そうだ。いい案ではないか?」
「そんなこと受け入れられるわけがっ!」
そういった王にフィスタは魔力を向ける。
「なっ?!」
その途端ルースの意識は飛んだ。あまりの魔力量に気を失ったのだ。
「こ、ここまで、の力をもっているだと?!なぜ、ならば何故わが国を滅ぼさない?!」
「そんなことは簡単だ。俺自身が戦争を遊びと捉えていたからだ。いつでも滅ぼそうとすれば滅ぼせた。」
「…………。」
崩れ落ちるルースをフィスタが姫抱きする。
「停戦、するだろ?”義父上”?」
「くっ!わかった!」
こうして長きに渡った戦争は停戦した。ルースが気がつくとフィスタの部屋のベットにいた。
「フィスタ、さま?」
「ルース、目覚めたか?」
「あれ、私……。」
「停戦が決まった。喜べ。」
「ほ、本当ですか?!」
「ああ。」
ルースは喜んだ。そこでルイスは目覚める。
「…………またか。」
ソルトの処刑まであと4日。ルースの眠る時間は日に日に長くなっていっていた。
「ソルト……。」
ソルトの過去もくらいものだった。父のいない家庭で、幼い頃に母親を亡くし、天涯孤独となったソルト。そんなソルト出会ったのは公園だった。公園でルイスはいじめっ子に虐められていたところをソルトに助けられる。そして、2人で住む事になる。ルイスは隠し子で、表向きルイスの両親は死んだ事になっていた。しかし、本当は暗殺から免れる為の策だった。1人で暮らすルイスは親戚の家でいじめにあっているソルトを家に迎えたのだ。こうして2人は仲良くくらしていた。しかし、それは14歳の誕生日に変わってしまった。ソルトが黒魔法を使うところを見てしまったのだ。そうして、国王にそれがバレ、ソルトはルイスの元を去った。ルイスは国王からソルトを捕まえるように任命される。こうして、捕まえる事に成功し、今に至る。
「…………フィスタ王の夢なんて、どうして見るのかしら……」
ルイスはその理由をまだ知らない。