政略結婚
ルースはそれから食事をとるようになった。だが、フィスタ王は来なくなった。毎日毎日待っているのに来ない。
「フィスタ様……。」
ルースはフィスタの事が気になっていた。
そうして、フィスタが来なくなってしばらくした頃、ふいにフィスタが現れた。
「すまない、俺からはもう来ないと言ったのに……」
「……」
「だがこれだけは伝えておきたかったんだ。ルース姫お前を国に返そうと思う。」
「?!」
「だからもう、心配するな。」
それを聞いたルースは部屋から飛び出した。
「?!」
「ふざけないで!!」
そう言ってフィスタに掴みかかる。
「ああ、ふざけているのはわかっている。もっと早くこうすべ……」
「違う!」
「?」
「フィスタ王!私と結婚しなさい!」
「?!」
「政略結婚してこの戦争を終わらせるの!それが貴方にできる罪滅ぼしだわ!」
「……だが、……」
「いい!?分かった?!」
「……わかった。」
こうして2人は結婚することになったのだが…………。
「おにいちゃんやったね!遂に本当のおねいちゃんになるんだね!」
「そうだな。」
「こうしちゃいられない!もっと仲良くなれるようにおねいちゃんの部屋にいってきなよ!」
「あくまで政略結婚だ。俺のことを好いているのでは……」
「きっとおねいちゃんだっておにいちゃんのこと好きだと思うし!大丈夫だよ!」
「はぁ、お前と言うやつは、また勝手に……」
そういいながらもフィスタは渋々ルースの部屋へとゆく。
「ルース姫。」
「なんでしょうか?」
「俺のことはフィスタと呼んでくれ。そうしないと結婚したのに不仲を疑われる。」
「わかりました。フィスタ様。」
「ルース姫、いや、ルース。挙式は明日だ。わかっているな?」
「ええ、わかってるわ。」
そうして結婚式当日の事……。新婦の部屋へとフィスタが入るそこには……。美しいドレス姿のルースがいた。
「馬子にも衣装だな。」
「ふんっ!よく言うわね!貴方だって、似たようなものでしょう?」
「ふふっ、そうだな。」
こうして2人は式を上げる。しかし、国民からは大ブーイングを受けた。ルースに瓶が飛んできた。それをフィスタが掴む。
「この俺の嫁にこのような事をするとはただで済むとおもっているのか!」
怒れるフィスタ。だがルースがそれをたしなめた。こうしてなんとか挙式を終える事ができた。
「ルース、怪我はないか?」
「はい、大丈夫です。」
ルースの気持ちはフィスタへと向かっていた。
そして、フィスタの計画も進んでいた。