マリーナとルース
そこにいたのはマリーナだった。マリーナは笑顔でルースに近づいてくる。するとルースの内蔵が潰れた。
「かはっ!?」
「マリーナ!?やめろ!」
「こんな女死んじゃえばいいのよ!」
マリーナは呪術の才能があり、呪術を扱う事ができる。そんなマリーナの攻撃がルースを襲う。No.015はフィスタの妹の蛮行を見ていることしかできなかった。
「くっ?!」
ルースが痛みのあまり目を閉じ、開くと目の前にはフィスタ王がいた。フィスタ王はルースを庇うように前に立つ。
「余計なことをっ!」
「何が余計だ!避けれてないくせに言うな!妹にお前を殺されるわけにはいかない!」
ルースとフィスタは言い争う。その隙にマリーナは再び呪術で攻撃しようとしてくる。フィスタはそんなマリーナへと魔法を放った。魔法はマリーナへと直撃したかに思えた。が、なんとそこにいたのはルースだって。マリーナに内蔵を潰されたにも関わらずマリーナを庇ったのだ。
「……どう、して?」
「貴方を助けたんじゃない。ただ、あいつが私のせいで妹を傷つけるのは納得できないだけ!」
マリーナはその言葉を聞いて感激した。
「かっこいい!!ありがとう!ルース姫!いいえ!おねえちゃん!!」
「「おねえちゃん?!」」
こうしてルースはマリーナから慕われるようになるのだった。
「おねーちゃーん!」
「だからおねえちゃんじゃないってばー!」
「えへへ♡おねえちゃん大好き!」
マリーナはルースに抱きついていた。フィスタとNo.015はただただそれを見ているだけだった。
「こんなことがあるとは……。」
「はい、全くです。あのマリーナ様がルース姫を気に入るなんて……。」
「No.015。」
「はっ!」
「ルースとの剣術、続けても構わない。」
「ありがたき幸せ。」
「ただ、これだけは覚えておけ、あの女は俺のものだと。」
「!?」
No.015は戸惑った。だが、すぐにはいと返す。フィスタはその場から去っていった。そこでルイスは目覚めた。
「……、何、これ?」
夢とは思えないほどリアルな夢に彼女は戸惑った。
「まさか、ソルトが何かしてる?いや、でも……彼は魔封じの牢屋に……でも思念体は飛ばしてたし……あーもうっ!なんなのよ!」
ルイスは身支度を整えるとソルトの元へと向かった。
「ソルト!夢の話、何か知らない?!」
「……さぁな。」
「今の間はなによ!?」
「お前自身が考えろ。」
「っ!そんな事言ったって……。」
「俺は何を言おうとも6日後には死ぬ運命、だからな?何も話す気はない。」
「……あー!もうっ!いい!」
ルイスは怒って牢獄から出ていった。
「ルース、まだ覚醒しないのか……?」