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演習開始

◼️それから3日後予定どおり採取任務は開始された。サポートは抜いてナンバーズ一三名、ナンバーズ三、百三十名、ナンバーズ六、百五十名、ナンバーズ七、百六十名の大型任務となった。海斗と違いナンバーズの大半がセカンドを百名規模でとっている。

◼️移動はと言うと海斗の姉が考案した最大五百名を収容可能な超大型車、ケルベロスに全メンバーが乗り込み目的地へと向かう。その間に通常ならセカンドとナンバーズ間で、作戦の最終確認などをおこなう物だ。ナンバーズ一のメンバーは海斗以外静かに到着を待つ形になった。理由は海斗がその必要はないとの判断した事が大きかった。到着するまで二人は海斗の思考を理解することに専念して相談していた。

◼️ケルベロスの中では海斗がセカンドを取ったと言う話題でもあった。作戦の最終確認しつつ、セカンド達の目線は三咲と叶へ向けられていた。

◼️海斗は移動途中、クロノスにグリップを似せた剣で握りゴチと無線の通信状態を確かめていた。

「問題ないか?」

『感度良好だぞ、これなら問題なくサポートできるぞ、問題はアンノウンの個体の細胞妨害があるかないかだぞ』

「だろうな、そこはお前が上手くやってくれるだろ」

『まぁね。一応二人とナンバーズ、そのセカンドの面々には緊急時の通信手段を渡してるぞ』

「流石だ。仕事が速い、ここからは三咲達の仕事だ。くれぐれも」

『わかってるぞ、助言はしないよ』

「そうそうさて、この任務どうなるかなぁー」

◼️五時間後、問題なく任務エリアへの到着した瞬間扉が開くと、三咲と叶以外のセカンドは散っていった。

「え?」

「これはいったい?」

「何面食らってるお前らも行け」

◼️叶が疑問に思っていた事を口にだした。

「ですが海斗様これは」

「お前らの作戦通り動けばいい、他の連中はそれをわかってるだよ」

「そんな」

「これが一つ目のお前らと前戦のセカンドの差だ。作戦を迅速かつ効率的に遂行する為に動く、わかったらとっとと行け付いては行ってやるから」

「はい!行きましょう三咲さん」

「うん!」

◼️他のセカンド達に遅れて三人はケロベロスを出た。すると既に戦闘になってるセカンド達の姿が飛び込んできた。

「そんな、こんなに速く」

「ほれほれ来るぞ」

◼️叶の左側からアンノウンが襲い掛かってきた。

「この!」

◼️一発とは行かず、三咲の援護もあって倒せる事ができた。二人の足は自然に止まっていた。

「どうした?まだ作戦は始まってないぞ?」

「海斗様これが」

「そうだ叶、三咲、これが最前線だ。一歩ケロベロスを出ればアンノウンに襲われる。そんな最中俺達は任務を遂行する必要がある。行っておくが俺はお前らがあるレベルになってないと、援護したり手を貸したりしない。引き返すなら今だぞ。それをしたら自然にセカンドは除名確定だけどな」

『逃げません!!』

◼️二人がほぼ同時に叫んだ。

「なら、お前らの未熟差を痛感しても前へ進め行け」

◼️二人はお互いに頷いて走り始めた。海斗達の任務の最優先は援護かつ、強大なアンノウンの討伐、そしてこのエリアの制圧にあった。宣言通り海斗はアンノウン討伐戦には参加せず、二人に任せて後ろで見ていた。時間は一刻一刻すぎて一時間を過ぎようとした時だ、前戦のセカンドに動きがあった。

◼️これまでA級のアンノウンばかりだったのが、いきなりS級のアンノウンが生まれた。これはアンノウンの進化これは前戦では珍しくない、A級と想定していると痛い目にあう。三咲と叶はそれに直面する事になった。

「そんなS級が生まれるなんてどうしたらいいの」

「三咲さん私達の任務をまっとうしましょう!」

「でも」

「私達はナンバーズの頂点にたつ、人のセカンドになったんです!S級が生まれても関係ない筈です!やることは決まってます!」

「そうだね。ありがとう、叶ちゃん」

◼️叶の意識の高さで三咲の怯えが消えた。二人はS級へ向かっていった。結果は言うまでもなく、歯が立たない。S級のアンノウンはアンロックしてもA級隊員十人で倒せるかどうかなのである。二人もそれはわかっていたが立ち向かうしかなかった。海斗は援護する素振りは見せず二人をみていた。

◼️そこに通信が入った。

『海斗君、二人本当に死んじゃうよ』

「そうだな、このままじゃな」

『本当に殺す気なの?海斗君が一番わかってる筈だよ。仲間を失う辛さは』

「黙れアリス」

『海斗君……』

「わかってる。わかってるからこそ待ってるんだよ」

『待つ?何を?』

◼️二人はS級からの攻撃をくらい、後少しで死ぬ直前までになっていた。

◼️アリスは我慢の限界で、通信で援護を求めたが通信が通じない、アンノウンじゃない。これはこのエラーはやれる人は一人しかいなかった。

「わりぃーなアリス、お前の考えはわかってた」

『海斗君私に黙ってこんなの仕込んでたの?』

「あぁ、お前の事だ。あいつらが死にそうになれば使うってな。でもただの通信じゃお前に気づかれるし、突破されると踏んだ。これならお前でも突破するにしろ、別回線を開くにしろ時間かかるだろ」

『本当に死ぬよ。二人とも、海斗君はそれでいいの?』

「成り行きならな、まぁなにもさずに見てろよ。ここから先はナンバーズNo.1として容認出来ねぇーぞ」

◼️アリスはその言葉に通信の突破も、別回線を開く事を諦めた。いくらアリスがサポーターでスポンサーでもNo.1として海斗の命令を無視して、これ以上の事は出来ない。クロノスを持っていくとして安心したのに、二人を殺す気なのかと疑いながら二人の行く末を見る羽目になった。

◼️海斗が手を出す素振りはないのが二人は意識が薄れていく中わかっていた。死ぬこんななにも出来ず、苦しみながら死を待つ事になるのか。諦めかけたその時二人の中で同時に何かが填まった音が聞こえた気がする。

『これってリミットアンロック』

「そうなるのか!これは嬉しい誤算だ!アリス、三分後クロノスのリミットを解除しろ」

『三分ってどういう意味?』

「リミットアンロックは初回なら三分前後しか持たん。それに暫く動けなくなるだろう」

『海斗君はこれを待ってたの?』

「半分正解かな」

『半分?』

「死の淵を経験して、どちらかがリミットアンロックに至ると踏んでいた。二人共になるとは嬉しい誤算なんだよ」

『危ない賭けだぞ』

「そうだな、認める。でも危なくなくてどうする?こんな世界で生き残るなら、生き残れる手段を自分で手にするしかない。それが出来ないなら最前戦は生き残れない」

◼️海斗の言いたい事もわかる。だからこそ、アリスはそれ以上言えなかった。サポーターと違い前戦で戦う面々にはナンバーズの七人やセカンドにしろ何かしら特化した面がある。今の二人にはない物を開花させたのが事実だ。

◼️予想通り三分経った頃、S級をあと一歩まで追い詰めはしたもののリミットアンロックが切れてしまい、二人の動きが完全に止まった。

「クロノスアンロック」

◼️S級の核が一撃で破壊され、生命活動が完全に停止した。

「よくやった。二人とも、後は俺がやる」

「海斗様……」

「海斗……」

「聞きたい事には後で答えてやる。アリス二人の救助を要請、作戦中の部隊に伝令、クロノスが動くとな」

『了解だぞ』

◼️回線は復旧して前部隊に伝令が速やかに伝えられた。

『明智さん、クロノスが動くとの伝令あり』

「やっとか、最初は何を考えてるのかと思ったが、何かあったんだろうな。前セカンドに後退を指示、ケロベロスへ帰投しろ」

◼️戦闘を行っていた部隊が後退を始めた。そんな中戦況を目にも止まらない速さで駆け抜ける男がいた。一撃でS級を仕留め、次々生まれたS級を殺していく。クロノスとは別名黒い閃光の意味合いで使われる海斗の通り名だ。その速さでS級ですら、アンロックなしで仕留めることが出きる唯一の使い手、ナンバーズNo.1それが海斗である。

◼️採取班を援護しながら走り続け確実にアンノウンを減らしていく。そんな中海斗の足が止まった。

『海斗君どうしたの?』

「アリス、採取班も後退を指示!!急げ!!」

『了、了解だぞ』

◼️古傷が疼くアイツがここにいるのか?頭を過ったが、アイツがいるなら作戦はここまで順調には進まない筈だ、なら何がある。

◼️咄嗟に下を目をやると、大きなヒビが入っている。危ない、本能的にそのヒビから離れると、次の瞬間大きな腕が地面を握り潰した。更に距離をとると、地面からゆっくり鬼に似たアンノウンが姿を見せた。

「こいつ」

『海斗君、そのアンノウンは!?』

「わからん。でもこれだけはわかる。こいつは俺の手にしかおえん。こんな予定ではなかったが、やむを得んな、本気でやる」

◼️アンロックを解禁して、異様に手の長いアンノウンに攻撃を仕掛ける。蛇の様にうねる腕を交わしながら、腕を切り落とす気で剣を振るうも弾かれるまでにはいなかいが、切れてる手応えがない。そのまま本体まで近づき攻撃して、距離を取った。

「こいつ、柔軟性は勿論硬いな、クロノスで切れないとはな」

『海斗君まさかこいつは紅い鬼の』

「断定は出来ねぇーが、その可能性は高いな、それに強度だけならアイツ以上だな」

『そんな、どうしたら』

「アリス、クワトロスを発動、一点に集中で全弾アイツにお見舞いしてやれ」

『でも!海斗君が!』

「味方の砲撃に殺られる程俺は弱くないやれ!!」

『了解だぞ!クワトロス一点集中で発射だぞ!!』

◼️ケロベロスの格納部分が開いて複数のミサイルがアンノウンにミサイルの雨をお見舞いする。

「これで終わりだとはならんだろうな、本当に予定外だ。我流初段、閃光多段!」

◼️更に速くなった海斗、クワトロスを避けながら、何度も切付け腕を両方切り落とし、本体へ再度挑む切れてる手応えはあったが、危険を察知してまた後退をする。

「腕は落とせたか。でも致命傷ではないか、さてどうするかな」

『海斗君どうするの?』

「こっちの体力的に次の接近で殺れないと終わりだろうな」

『そんな』

「安心しろ。次近づけはやれる。それにアンノウンならあれ位直ぐに回復する筈だ。回復する前に殺る」

『頑張って海斗君』

「あぁ、次は速度重視より、重さ重視だ」

◼️先ほどの様に長い腕はないとは安心したのもつかの間、再生して海斗を襲うが切り落とされた。最初より遅いとは言え、こいつの動きは完全に把握した。それにアンノウンである以上核を切れば終わる。楽に本体へと近づけた。

「お前が硬いのはよーくわかった。でもこれを耐えられるかな?我流中段、極牙突連弾」

◼️剣先に集中にされた一撃を複数回本体へぶちこんだ。思った通り皮膚は砕け始める。

「再生させる隙は与えねぇ!!見えた!届け!!」

◼️クロノスの先端は核と共にアンノウンを貫通した。アンノウンは倒れ、それと共に海斗も膝をついた。

『海斗君大丈夫!?』

「あぁ、流石に疲れた、俺を救援させろ。採取班にはこいつのサンプルにしろと指示を」

『了解だぞ、直ぐに手配するぞ』

「!?」

◼️海斗は咄嗟に誰もいない筈の場所に目をやる。

『どうしたの?海斗君?』

「いや……なんでもない」

◼️見られてた?殺気ではなく、視線を感じた気がしたものの見た場所には何もいない。勘違い?隠れてる?色々考えを回らせたが答えはでなかった。









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