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覚悟

◼️会議の翌日、明智と茜がエデンの海斗の部屋に訪れていた。

「二人揃ってなんだ?作戦の概要なら伝えたはずだが」

◼️二人から言われたのは同じ内容でセカンド候補の話だった。海斗は下位のナンバーズからの大体の命令や指令は無視できても、二人のスポンサーからとなると海斗ですらむげには出来ない。二人の書類に目を通して、渋々ではあるが急遽セカンド試験を行う事が決定する。

❌❌❌❌❌❌❌❌

その日の前日、三咲はとういと家で思い詰めた顔で昼食を食べていた。

「どうしたの?三咲」

「お母さんは海斗働き過ぎたと思うの、また前みたいになったらって思うと」

「そう、でも私達みたいに戦えない人からすると、戦って貰わないと安全に生活できない」

「だとしても、海斗一人で背負うなんて!」

「そうね。三咲貴方に覚悟はある?」

「覚悟?」

「そう、海斗君と添い遂げる覚悟」

「添い遂げるってお母さん!そんな話じゃ!」

「そんな話よ」

◼️母の顔は真剣だった。

「あのね、三咲、海斗君と一緒にいるにはかなりの覚悟がいる。それこそ永遠に一緒にいるくらいのね」

「覚悟‥」

「あるなら一つ教えて上げる。海斗君のセカンドになれるかも知れない方法を」

「あるの!?」

「えぇ、あるわ。海斗君と添い遂げる覚悟は?」

「…‥私はもう守られてばかりは嫌、海斗と一緒に並んで歩きたい!教えてお母さん海斗と一緒に入れる方法を」

「わかったわ、実はお父さんの仕事だけどエデンの重役なの」

「え?お父さんはただのサラリーマンじゃ?」

「それは貴方についた嘘」

「なんでそんな嘘を」

「貴方の事だからお父さんがエデンの重役だと知れば、直ぐにでも海斗君のセカンドになれるようにして欲しいって頼んだでしょ?」

「そんな事は!!」

「ないって言いきれる?」

「それは」

「だから貴方にはサラリーマンって嘘をついたの、今の顔を見て思った。今の貴方ならお父さんに私から頼んであげてもいいわよ。覚悟はあるみたいだから」

「ママ」

「でも一度きりよ。海斗君の性格を考えると一度で結果を出さないとセカンドにはなれない。それに最強と呼ばれてる海斗君のセカンドの試験を、お父さんでも進言するのも一度が限界だと思う、想像以上に壁は高いわよ。三咲それでも貴方は試験を受ける?」

「受けたい。お願いパパに掛け合ってママ、私絶対に受かってみせる!」

◼️母が電話をして父へと話を通して、三咲はナンバーズ5茜桜から海斗へセカンド試験の話が伝わったのだ。

❌❌❌❌❌

◼️時間は戻り、二人からセカンド試験をする様頼まれ、書類を受け取った。携帯の唯一登録してる三咲へ電話をかけて、エデンの自分の部屋に来るよう命令した。

◼️部屋に通され最初の言葉は怒りが大半だった。

「何故呼ばれたかわかるか?」

「うん。私が言ったんだし」

「俺は幼なじみの自殺行為を手伝うつもりはない。悪ふざけなら直ぐに撤回しろ」

「悪ふざけ…海斗にはそう思うんだ。私は本気だよ」

「三咲!!」

「本気だよ!!」

◼️双方の大声が部屋から漏れる位のボリュームでにらみあった。最初に折れたのは海斗だった。奥の机に置いてある書類を一枚とり三咲に見せた。

「なら試してやるよ」

「試す?」

「偶然だがこいつも俺のセカンド候補として上がってる。こいつと模擬戦を組んでやる。そこで俺の目に止まる覚悟を見せてみろ。そうすればセカンドにしてやる」

「本当に?」

「男に二言はない。お前の覚悟見せてみろ」

「わかった。悪ふざけじゃないって証明して見せる」

「なら、いけ、もう一人とも面談がある」

「わかりました。では海斗様、失礼します」

◼️最後は丁寧語で部屋を出ていった。その二時間後もう一人のセカンドにと候補に上がってる、一条叶を部屋に招き込んだ。最初は扉をノックして失礼します!と大きな一言を発して、部屋に入ってきた。

「かけてくれ」

「はっ!失礼します!」

「そうかしこまらなくていい」

「いえ、海斗様は私の尊敬する方ですのでこれが普通です!」

◼️見た目と性格はこの一言であらかたわかった気がした。

「さて、少し聞きたい事がある。一条、何故今のタイミングで何故明智さんに俺のセカンドになる試験を受けれるよう頼んだ?お前なら他のヤツのセカンドでも充分通用するだろ」

「海斗様は紅い鬼の悪夢を覚えていますよね?」

「まぁあな」

「私はその悪夢の生き残りです」

「そうなのか、辛い思いをしたな」

◼️紅い鬼の悪夢の被害は海斗が一番理解していた。最前線で戦っていたのは海斗で、被害はナンバーズが全員が参加してもニュースになる程の物だった。

「いえ、私の両親は紅い鬼に殺されました。私の目の前で」

「そうか、敵を打ちたいのか?残念だが今の実力では」

「わかっています。あの鬼には私の実力では手が届かない。だからこそ海斗様の下で技術や経験を積みたいのです」

「これは内緒だったが、お前が紅い鬼に関するなら話してもいいか」

◼️上の服を脱いで、椅子の下に落とした。

「……海斗様その傷は」

◼️身体には心臓を中心として、バッテンみたいな印に傷があり、その傷も良く見るとバッテンからは小さなヒビの様になっていて生々しく大きかった。

「これはあの鬼が俺に残した傷だ。心臓に達していて、俺は生死をさ迷った」

「それ程の……」

「一条、これを見てもお前はあの紅い鬼のアンノウンを打ちたいのか?」

◼️答えは直ぐに返ってきた。

「はい、それでも私は両親の敵を打ちたい!」

◼️一枚の紙を一条に渡した。

「そうか、お前の覚悟は理解した。実はもう一人セカンドにって候補がいてな、こいつと模擬戦を組む、それでお前の覚悟見せてみろ」

「わかりました」

「もういっていいぞ」

「はっ!失礼します!」

◼️一条が出ていくと、奥の椅子に大きく腰掛けて、窓の外の雲に目をやり一条の思ったより重い思いに感じるものがあった。

「一条の覚悟は三咲、お前より重いようだぜ。お前は覚悟を見せられるかな?」

◼️次の日の早朝に明智、茜、海斗、一条、三咲が訓練場へ集まった。海斗の後ろには直ぐにメイド何かをもって待機している。海斗が指を鳴らすと、後ろのメイドが一条と三咲の前へ行き、持ってる物の正体がわかった。綺麗に置かれていたのはレッドカードだ。

「さて、二人にはこれに署名してから試験へ移行して貰う」

◼️明智と茜が声を上げようとした時、海斗は手を前に出してそれを阻止した。

「明智さん、茜、これは最終確認に過ぎない。レッドカードへの署名、それくらいの覚悟なしで俺のセカンドは勤まらない。ましてや最前線での戦いは生ぬるくない。それくらい二人なら承知の筈だ」

「だが海斗」

「明智さん、あんたに口を挟む権利はない。茜お前もだ。これはあくまで俺のセカンド選抜試験、二人にどうこう言う権利なんて与えてないんですよ。さて始めようか、今から説明する」

◼️レッドカードの詳細を説明した。今は訓練生として登録してるのが隊員として登録する様になり、これ以後何かの問題で死んだとしてもエデンへの苦情、海斗への直訴は無意味になり正式な隊員となる。

「つまりこれにサインしたら、例え試験や訓練で死のうが俺に直訴は出来ない、引き返すなら今だぞ。これにサインして初めてセカンドの試験を開始する」

◼️最初は真っ先に一条がレッドカードに署名して、三咲は少し遅れて三咲がレッドカードに署名した。

「さて、始めるか」

◼️一枚の黒いカードを取り出した。見たことのないカードに一条が問いかけた。

「海斗様そのカードは?」

「これはナンバーズでもNo.1にしか所持が許されない、レッドカードの上位のカード、ブラックカード、これ故に他のナンバーズでも俺は頂点にいる証でもある。お前らにはこのブラックカードに入ってる訓練地で試験を行ってもらう」 

「海斗それは」

「海斗君それはいくらなんでも」

「黙れ二人とも」

◼️明智と茜が異義を一括して続ける。

「二度も同じ事を言いたくない。二人には権利なんてないんだ。おわかり?」

「しかしこれはいくらなんでも」

「安心してください。一番低い地域での戦闘をするんで、ワンチャン死ぬかもですが、死なないかも知れません。まぁコイツらの力量次第ですね」

◼️海斗が訓練場の入り口にカードリーダーにカードをスライドさせると、景色は一変して猛吹雪が吹き始めた。

「紹介しよう、ここは絶雪原ステージ」

◼️二人はおのうの感想を一言いい、海斗は続ける。

「今は俺達がいるから寒さは感じないが、ここの温度は男の明智さんがアンロックしていて3分持てばいい位で、女の茜なら2分半って所かな。戦闘自体はここで行うが俺も鬼じゃない。救済措置とも言うか、一番低い地域に設定してるだけあって、この雪原で休息できる城みたいな家が中央にある。戦闘はそこで行ってもいいし、絶雪原でもいい、それは絶雪原を二人が耐えられたらの話だがな。さて俺達が外にでてブザーがなれば戦闘開始だ。二人とも生きてたらまた会おう。明智さん、茜行くぞ。あっ、そうそう時間は無制限な、じゃあな」

◼️二人を引き連れて海斗は訓練地の外へ出ていく、上の階のモニタールームから訓練地を全て見る事ができる部屋へ二人を招き、お茶とお菓子を出す様にメイドに命令した。明智と茜は隣に座り反対方向に海斗が座った。部屋に入ってきてお茶を出される前だ。

「海斗二人を殺すき?」

「茜いきなりだな」

「だって正気じゃない」

「正気じゃないだと?これは言わないでおこうと思ってたが、言っとくわ。悪いがお前と明智さんの選抜試験は甘い」

「何を⁉」

「なら聞くが、選抜試験の後何人死んだ?」

「それは……」

「本来ならこれくらいの難易度で普通だ。お前らの難易度は高いようで甘いんだぞ、ましてや最前線で戦うとなれば尚更な。甘いとは思うが、お前らの隊員選抜に俺的に意見を言うつもりはない。それと俺にお前らが文句や意見を聞き通して欲しいなら、会議でも言ったろ。ランキング戦で俺に勝ってみろってな。勝ったヤツが俺に命令や意見を初めて言えるんだ。俺は弱いヤツの理想や理論を考えて、

スポンサーにこびうったりして、無駄死にを増やす気はない。茜、黙って見てろ。アリス始めてくれ」 

「ほいほいさっさっさ」

◼️海斗のスポンサーかつサポーターの、二上アリスに絶雪原ステージの起動を命令した。







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