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会議

◼️円状の机に等間隔で六人が既に座っていた。その中の一人が入り口に椅子を向け、嫌みたらしくこう言ってくる。

「No.1様は重役出勤でいいですねぇー」

「そっちも馬鹿がノンストップで何よりだ」

◼️馬鹿にする気はなくそれに自分なりに返すと、馬鹿にされたと感じ立ち上がる。それを止めたのが入り口とは正反対にいたロングヘアーの三十代くらいの男だ。ナンバーズでも最年長のNo.3明智光秀、唯一二人が尊敬し敬っている。明智が仲裁されたら唯一二人が止まる相手である。

◼️海斗に絡んできたのは、No.2佐藤淳である。ランキング戦や実戦の成績でも海斗には及ばない。何かしら海斗に絡んでくる。面倒な男ではあるが海斗は、絡んでくる理由に心当たりがあり、絡んでくるのは自分へのせめてもの抵抗だと思うようにしてる。

「姉…いや、ブレインは?」

「到着なさっているよ海斗、非番なのに申し訳ないとの事だ」

「いや、それがナンバーズですから、俺を呼ぶと言うのはどういう件でしょうか?」

「今説明がある」

『皆揃ったねぇー』

◼️机の真ん中の水晶から一人の黒髪ロングで博士服を着てる女が写し出される。全員が頭を下げ、膝をついた。

『いいよ皆そんなに、しなくて、それと海斗君ごめんね非番の日に』

「いえ、ブレインの召集ですから」

『そう言ってくれて助かるよ。自分の弟に頼るしか出来ない不甲斐ない姉を許して欲しい』

「ブレインの頭と私達任務を遂行する者達がいて、初めてここは成り立ちます。姉として不甲斐ないなんで私は思った事はありません」

『そうよかった』

「ブレイン、ワザワザ私を呼びになった理由をお聞きしても?」

『当然の疑問だよね。これを見て』

◼️姉の隣に新しいウインドウが開き、そこにはノイズもあるせいか鮮明ではない紅い鬼らしい物が写っていた。

「こいつは」

『そうだよ。海斗君、君に一撃を喰らわせ、殺しかけた紅い鬼の形をしたアンノウン』

「これは何処の映像なのですか?」

『詳しくはまだ、解析中、でもかなり都市に近いドローンの映像、この後直ぐに何かに落とされたから詳しくはわからない』

「討伐任務ですか?」

『いや、君達ナンバーズにお願いしたいのは、探索と資源や物資の収集、この映像の近くは昔都市があってアンノウンによって壊滅した。我等エデンも物資も資源も無限じゃない。紅い鬼がいる前提で行って貰いたい』

「なるほど」

◼️確かにここの周辺にあの紅い鬼がいるなら、討伐、もしくは時間稼ぎにしろ一度交戦経験のある海斗が適任だ。事はそう簡単には行かない人員や人選は慎重にならず得ない。ナンバーズでも正直な話、紅い鬼に対抗出来るかと、聞かれたら言葉に詰まる所だ。それくらい紅い鬼のアンノウンは強かった、一撃で海斗が生死の境をさ迷う程だ。

「承りました、人員の人選は私に一任をお願いします」

『そのつもりだよ。宜しくね海斗君、私はこの映像を詳しくは解析してみるから、またね』

「はい」

◼️映像がキレて、ここにいるのはナンバーズの七人だけになった。会議はここからが本題となる。

「さて、どうするかね」

◼️海斗が机に足をおき、椅子に深く背をかけ、額に指を当て考えだした。そんな最中でも佐藤淳の言葉は止まらなかった。

「No.1ともあろう方が弱気なこって」

「淳黙れ!」

◼️海斗のこの一言で淳は口を閉じた。何故ならこの一言の重みと、向けられた殺気が淳の口を閉じざらる得ない程の威圧感があった。

「皆も少し考えるから、黙っててくれ、今回は普段の任務より格が違うと思ってくれ」

◼️長考する事三十分皆沈黙で待ち、海斗が椅子から立ち上がって天井を指差した。

「俺、明智さん、茜、佐藤で行くか!」

◼️明智がその理由を聞いた。

「今回は殲滅ではなく探索重視です。それなのにナンバーズ上位がゾロゾロ行くのは芳しくない。戦闘面なら俺と明智さんが主になるように組んで、茜、佐藤はその援護、探索の場合俺と明智さんが二人の援護をする。その方が効率がいい。」

「なるほど」

◼️心配そうな顔をする明智に海斗が念をおす。

「明智さん安心してください。いざとなれば俺がいる。これでも不安ですか?」

◼️これだけで明智の不安は吹き飛んだ。ナンバーズでも偉業を成し遂げ、現状ランキング戦でも序列でも一位の海斗の言葉を聞き安心の顔を見せた。

「さて、解散解散。明智さん、茜、佐藤、出発は一週間後だ。それまでに準備しとけ、これは命令だ」

「最後まで偉そうなこって」

「淳いやなら、ランキング戦で俺に勝ってナンバーズNo.1の座を奪ってみろ」

「やってやるさ!」

「他の奴らもだぞ。俺が気に入らないならランキング戦で俺に勝って、ナンバーズの地位から下ろして見せろ。じゃあな、俺は今日は非番なんで失礼するぜ」

◼️椅子を机にしまい、手を左右に振りってとっとと、会議室から出ていく。

◼️ナンバーズ、No.1海斗、それは人類が今の戦線を保ってられる理由の1つでもあった。ナンバーズの中でも特別に強い、ナンバーズの中でも海斗に挑戦した者もいるがアンロックを使わせずに負けた。これがどれ程の力の差を意味するかは、実力者ならわかる程の差である。現状アンノウンの上位個体以外、海斗にアンロックを使わせた者はいなかった。





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