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希望  作者: うしくん
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黎明期①

苦しい。辛い。逃げたい。辞めたい。投げ出したい。

私に必要なのはこんな感情なのだろうか。

振り返れば学生の時から違和感があったのかもしれない。


「何チンタラ走ってんだよ!あと10周追加!」

よくある部活の罰走中、イラついてストレスを発散する顧問の怒号がグラウンドに響き渡る。


「だまれ素人。野球は走るメインのスポーツじゃねぇよ。陸上部じゃねんだよ。」

顧問から1番離れた所に来ると誰かが呟く。


皆同じ意見なのかその後にも文句が続く。

「ストレス溜まるわマジで。クソ野郎が。」

「いつか絶対ボールぶつけてやる。」

「あんな奴を好きな奴いんのかよ。頭おかしいだろ。」


悪口とは多種多様で創造性豊かだ。

私は1人無言で走る中そう思うことしかできなかった。


だからと言って楽しい、この走りがためになる時が来るなどの前向きな感情もない。

ただただ目の前の言われたことをやるだけ。逃げ出す勇気もない。


罰走中の隊列の最後尾。私は夏の暑い中滝のような汗をかきながら鳥肌が立つのを感じた。




「おめでとう!7月も営業成績ダントツで1位だな!これで4ヶ月連続1位か!凄いな!」

出社直後に汗だくの部長から言われる。そうか、今日で8月か。

「ありがとうございます。また今月も頑張ります。」

「頼もしいな!みんなも◯◯を見習えよ!」

褒められる時ほど目を合わせられない。私は部長の整理整頓されていないデスクにある手帳を見つめながら部長の外出予定を確認した。



今日もどこか頭が痛い。


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