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メカナイズド・ハート 94話

汚い回です。


「命令書もある、だから俺たちにもう一度再訓練を施してくれ!!」

「施してくれ!!」


ルーカスとエミーが仲良くそう頼み込む先には、いつものように肩に軍服を羽織って髪の毛を無造作に広げて安物のタバコか葉巻かすら見分けられないようなものを咥えているベルがいる。正直言って聞く前から回答がわかる。


「あほめんどくさ。」


やはりルーカスの見立てどうり、ベルにはまるでやる気がない。


しかし二人には絶対にベルに頼まなければならないという理由がある。この大隊はいまだ戦闘警戒任務中であり師団長からの覚えめでたいエースをどこか後方におくって再訓練させることはできない。しかも、この大隊は他の大隊と異なり使用する機材がほか大隊と異なっているために、他部隊の持っている訓練機材をそのまま使用できないのだ。


結果として二人はセルゲイにどのように再訓練をうけたらよいのか質問しに行き、忙しいからと追い返されセルゲイの副官であるベルに泣きついたのだ。


「本当にめんどくさいなあ、まあいいや。教えてあげるよ。」


しかし、経緯を説明してみると彼女は驚くべき速さで了承する。


「え!?」

「いいの!?」


ルーカスとエミーの驚愕を脇に置いたままベルは素早くふたりに何を持ってくるべきか伝えると、そのまま速足でどこかへと行ってしまう。


「いっちゃった・・・。」

「まあとりあえず行ってみるか、えっとミネラルウォーター6本とハンバーガーとサンドイッチにレーション。俺たちの給料全部使い切らせるつもりかな?」


二人はニューヨーカーの一般的な食事よりも不健康そうな食べ物が並んだ、持ち物のメモをのぞき込みながら話す。あの女は俺たちがデブになりたがっているのではないのだろうか?


しかし、二人を待っていたのはできるだけ詰め込もうとするベルではなく、できるだけ絞り出そうとするベルの姿だった。


彼女の命令でそれぞれがコックピットに放り込まれると、演習モードにセットさせて基礎的なポッドの操縦訓練から始まって、機体を横旋回させてみたり縦旋回させてみたりロールさせてみたりと基礎的な操作をやっらせたほか、やたらと水分と食事を食べるように押してくる。


最初の数時間こそ本当に太らせるつもりなのかと、二人はいぶかしんでいたが時間がたてばたつほど彼女の真の狙いが明らかになる。


「さて、二人ともそろそろ調子が良くなってきた頃合いかな?では二人にはこのバッグの中に排便と排尿をしてもらう!!」


彼女はそう高らかにうれしそうな、まるで宝くじでも当てたかのような顔をしながら、二人の収まっているコックピットの中に小さなキオスクで買ったような安物の紙袋を放り込む。


「ねらってたか・・・。」「・・・・。」


ルーカスとエミーは一杯食わされたくやしさと恥ずかしさに身を震わせながらも、その紙袋にする羽目になった。

実際戦闘機パイロットなどは、現実でも小さな袋に用を足さなければならないようなので、参考にさせていただきました。

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