メカナイズド・ハート 85話
なんとか投稿できました。
「いっけええええええええええ!!」
ルーカスの声はコックピット内を反響し続ける一方、彼の決意のこもったスラスターが発する推力は彼の機体を地面から引き剥がし、宙に浮かせる。
重さ200トンの塊が悠々と空を飛ぶのはモーセの海割りに負けず劣らずの奇跡に見える。
しかしルーカスはモーセではない。そして科学は奇跡を超えることはない。ルーカスの機体はその重さに耐えきれず徐々に力を失いながら落下していく。
「んーーー!!」
歯を食いしばりながらルーカスは重く鈍い機体を必死に制御しながら姿勢を安定させて着地寸前で脚部を充分に広げる。
彼の200トンの重さを持つ機体は、自らの機体を震わせながら対岸の構造材に激しく着地する。着地の衝撃は脚部に真っ直ぐ伝わり、機体は自然に脚部を折り、人間や動物と同じように衝撃を吸収する。
「よしっ。」
ルーカスは機体の状態を確認して全てのシステムが正常に動作することを確認した上で、エミーにジャンプをしても問題ないと知らせる。
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人影が岩場の影から2つ飛び出して、手近な別の岩場の影の近づく。
コソコソと彼らが身を隠しながら姿を伺う先にあるのは、巨大なコンテナやシートによって隠された兵器達が集められた物資集積所だ。
一切酸素がない真空にして、一切の光もない暗黒の世界の中でも、多くの作業員達が小さなフラッシュライトとヘッドライトを頼りに携行酸素ボンベを咥えながら作業をしている。
彼ら作業員の格好はてんでバラバラで、誰もが互いに一切共通点のない服装を着ている。1人は町工場で使うような作業着の上から酸素ボンベとマスクをかぶっているかと思えば、もう1人は民間で使われる宇宙服一式の上から作業所で使われる蛍光ベストをつけている。
彼らは、山盛りの箱やコンテナを開けてはより小さな段ボールへと物資を積み込み、バケツリレーでまた別の所に向けて運んでいく。
「あれはなんだ?」
岩場の影に隠れる人影の1人、ルーカスは呟きながら偵察用の双眼鏡を取り出して段ボールの中にしまわれていく物資を確認する。
「9mm拳銃、弾薬、ダイナマイト、高性能軍用爆薬。黒も黒、真っ黒でしょ。」
ルーカスの隣で同じく双眼鏡を構えるエミーはそう呟く。両者の言葉は吐息すら逃さない高性能マイクによって拾われ互いに伝えられる。
「いや、軍や地元警察、民兵組織に武器を卸している業者の可能性もある。もっと情報を・・・。」
「じゃああれは・・・?」
「あれは・・・!!黒だな。」
2人の視線の先にはシートによって隠されてはいるものの、わずかにポッドの輪郭が見える。
大きさ18mほどの物体でありながら、巧妙な手口によって隠されており、高い観察眼を持つエミーでなければ気づかなかっただろう。
そしてそのポッドはルーカス達が追っていたパルチザンの機体とされるポッドそのものだった。
ちょっとテンポ上げるかもです。




