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メカナイズド・ハート 76話

真夜中投稿になります。


ガタゴト ガタゴト


サスペンションがほとんど機能していない軍用車の後部座席にエミーとルーカスは乗せられて、他数台の同型車両達と共にわずかな街頭に照らされながらドックに向けて走る。


ルーカスもエミーも一言も車内で一言も口を交わさない。


「本日のオールドヒットソングクラブは「ダンシングクイーン」、「ハトが山越え三千里」、そして「エルミタージュ」をお送りします。」


車内を落ち着いた男性ラジオパーソナリティの声が響き、数秒後に「ダンシングクイーン」が流れ始める。


噴火直前の火山のようにピリついた静寂の中を陽気で穏やかな曲が流れあまりにもミスマッチだが、


ルーカスもエミーも互いに顔を一切動かさず、常に真正面に視線と顔の向きを固定し仮面のような真顔を維持する。


ルーカスが先ほどのレストランの中で暴徒達に向けて発砲してことは、たとえ攻撃され死にかけている状況であったとしても非常に政治的にデリケートなもんである。


序盤の数発は正当防衛として処理することが可能であった、その後に続けて尻尾を巻いて逃げ出す暴徒達に向けて発砲したことは過剰防衛と判断されかねないだろう。


「臨時ニュースが入りました。ただいま臨時のニュースが入りました。未確認の情報ですが、平和的な反占領軍デモに対して非番の占領軍士官が発砲する事件が発生した模様です。今手元に発砲した士官の写真があります。ラジオしか使用が許可されていないためにテレビのように皆さんに映像をお届けすることができないことをお詫びさせてください・・・。」


陽気な曲が突如として途切れルーカスにとって死刑宣告にも等しいニュースが届く。思えば誰しもが持っている携帯端末を使えば100ドル程度の安価な端末でもそれなりの解像度のカメラを搭載しているだろう。


その性能のカメラによって撮られた写真はデータとして容易にさまざまなプラットフォームへと拡散し、他のメディアでも報道されることによりどんどんその影響を拡大させるだろう。


高度な政治問題と化すことは避けられない。

占領地の軍政に苦労している指導部は確実にルーカスと共にエミーもピアノ線を使った公開絞首刑を行い占領地住民に使おうとするだろう。そうすれば適当な多国籍傭兵数人のクビを切り落とすだけで現地民からのイメージ改善を行えるだろう。


やらない理由はないだろう。

たった2人の軽率な若年士官を共に仲良く縛り上げるだけ数千万の占領下の現地住民を戦争努力に協力させることができるかもしらないのだから。


キキッ


いまだにドックについていないのにも関わらず車が途中で止まる。


「到着しました。降りてください。」


丁寧ではあるものの、有無を言わせない口調で憲兵がドアを開けて2人をすぐそばの建物に連れ込む。


眠い

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