メカナイズド・ハート 60話
再び投稿が遅れてしまいました。
部下の統制に迷いつつ、輸送船の小さな2重窓から真っ黒な宇宙と巨大な金星に目を向ける。
「なあ、部下ってどうやってコントロールしたら良いんだ?」
隣でふわふわ漂うエミーに質問する。
「ん〜、どうなんだろう?セルゲイとベルなら舐められないことって言いそうだけど。」
「あ〜言いそう。」
目を三角にして眉間に皺を寄せながら部下を蹴飛ばし、国王のように鷹揚に頷くセルゲイと、真顔でいきなりグーで殴りつけるベルの姿を幻視する。
「私は特にないかな〜、強いていうなら挨拶?あと感謝とか忘れないようにしてる。」
「はあ〜。」
あまりにもまともで常識的なことを言われて思わずため息と感嘆の声が漏れる。
「ふふっ,何よその反応。普通のことだよ?」
「いやそれで部下コントロールできるのすごいよ〜。」
心の底から思っていることを伝える。しかし、それを自分の部下達にやっても無駄ではないかと考えてしまう。
「あと1番は部下に期待しておくことかな?部下に色々説明したりもする。単なる歯車じゃなくて隊の一員って感じてくれるからね。」
そう言われてショックを受ける。
確かに自分は一度も部下に対して期待をしたことがなかった。次からは部下にもっと頼ってみよう。期待を返してくれるように努力しよう。
「ふふ、その調子だよ。まあ部下の半分以上死なせた中隊長の意見だけど。」
「あの日の戦闘レポートは見たよ、別に君の指示に問題があったわけじゃない。」
ルーカスはいまだに部下達の死を悲しむエミーを優しく励まして抱きしめる。
「でも、死なせたのは事実だし中隊の責任は中隊長が取らないと。」
「そんなこと考えなくても良いよ。エミーの部下達だって毎日墓参りばかりされても安心して眠れないよ。」
そう言いつつ、ルーカスはエミーは強く抱きしめつつ背中をさする。
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数百個、数千個のコロニーが戦場となり大量の命が一瞬一瞬のうちに消える。
また一瞬一瞬のうちに新しい兵士達が戦場に投入される。
訓練施設は常に拡充を続け、常に新しい番号をもらった師団や旅団が生まれては消滅していく。
ポーランド軍総司令部の巨大なモニターに映る戦線はじわりじわりとドイツ領深部に向けて突き進んでいき、ベルリンに近づきつつある。
「結局どうするのかね?ベルリンに突進するのか?それともまた別の目標を攻撃するのか?」
「結論を急ぐな中将。」
「いや、急ぐべきだ!!兵は拙速を好むと知らんのか?毎秒兵は血を流しているのだぞ!!」
「お前と違って一時の判断で軍集団を危険には晒せん!!」
暗く薄ぼんやりとした青白い蛍光灯に照らされたテーブルを挟んで2人の中将が言い合いを繰り返す。片方は前線指揮官から軍集団の指揮官を経験して総司令部入りした叩き上げの武闘派。もう片方は軍学校主席卒で兵站部に入って以来ストレートに出世を続けてきた超エリートだ。
水と油の2人の会議はまとまらず、貴重な時間が浪費されていく。
周りに居並ぶ将校達も2派閥に分かれて互いに睨み合う。
インフルになってしまいました、かなり辛いですね。




