メカナイズド・ハート 57話
1日投稿が遅れて申し訳ないです。
友軍機達が理解したのか確かめる前に、ルーカスはスロットルレバーを最大限前に倒し込む。
スロットルレバーが前に押し込まれると、スラスターに再度火がつき機体を凄まじい勢いで押し出す。加速力を背中で感じシートに圧迫される。
コンピューターは自動的に敵艦の未来予測位置を算出し、敵艦の先の空間にマーカーを表示する。そのマーカー目掛けて全速力で機体を加速させる。
数秒もしないうちに敵艦からルーカス機に向けてレーザー攻撃が行われ始める。
先行していたミサイル達は全て撃ち落とされてしまったのだろう。何本ものレーザーが機体に照射され加速度的に機体の表面温度が上昇して行く。
シールドを構えてレーザー兵器からの防御を試みるが、薄いシールドに対して照射されたレーザーはバターを切るバターナイフのように滑らかに小さな穴を開けて貫通する。
ルーカスは120mm砲を有効射程範囲外から乱射する。宇宙空間では距離減衰がほとんど発生しないため適切な装甲と入射角では貫通が見込める。
ポッドの数倍の大きさを持つフリゲート相手であれば命中弾を出すのも容易だろう。
ルーカス機が発する120mm弾が連なる光の束は、敵の光の束によって応じられる。
敵艦も全ての砲を撃ち返してきたのだ。
ルーカスは素早くフットペダルを踏み込んで機体をロールさせつつ、操縦レバーを引いて上向きの上昇力をかける。すると、ルーカス機は面白いほどクルクルとコマのように回りつつも敵艦の接近を続ける。
ヒラリヒラリと闘牛士のように身をかわし、敵艦が放つ205mm砲弾や155mm砲弾から自機を守る。
しかしそれでも限界は近づいてくる。
最初の数発は回避できても、敵艦の方は毎秒数発の致命的な攻撃を撃ち込んでくる。数発に1発飛んでくる近接信管を搭載した榴弾は例え回避できても自機の側で爆発してハガキサイズの破片数万発をライフル弾の数倍の速さで上がり一面に撒き散らす。
小断片とレーザー攻撃は確実の機体各部の補助スラスターやセンサーとレーダーを壊し、機体表面は月面のようなボコボコになり、装甲と塗料がエグれている酷い有様になる。
「まだ、まだ・・・。」
はやる気持ちを抑えるために、ルーカスは自らの心を沈める。
回避不能な弾が飛んでくる直前に、ルーカスは操縦レバーのボタン押し込む。
パッ パッ パッ パッ
機体に内蔵されたチャフとフレアが凄まじい勢いで射出される。化学反応で一瞬だけ数千度にまで熱され赤外線センサやカメラを見出すフレアと、特殊素材によってレーダー波を乱し的レーダーによるロックオンを難しくさせるチャフはどのような敵に対しても一定の効果が期待できる。
今回の戦闘シーンは結構な密度になります。




