メカナイズド・ハート 55話
子供大好き
ロリ大好き
思わず何事かと身構えながらも、顔を向けるとそこには10歳前後の少年がおり、鼻歌を歌い今にも羽が生えて飛びそうな様子だ。
「君、どうしたんだい?」
「ん〜?久しぶりに船の中を探検しているの!!」
そう言う少年は自信満々に手元にある兵隊さんのフィギュアを見せてくれる。
「見て!!カッコよくない!?」
「カッコいいねえ、その兵隊さん。」
「でしょ〜!?」
テンション高く飛び跳ねるようにキンキンと耳をつんざく声に、ルーカスは一瞬顔を顔をしかめるがすぐに笑顔を見せる。
その少年は無重力の館内通路を、進んでさらにルーカスに近づいて話しかけてくる。
「お兄さん達も兵隊さんって本当?」
「そうだよ。お兄さん達は兵隊さんだよ〜。」
「じゃあ僕たちを守ってくれる正義の人達なんだね!!」
そう言われて一瞬言葉に詰まる。
今までやってきた自らの業にどれだけの正義が含まれていたのだろうか?
今までやってきた自らの業は全て他者を守るためのものだったのだろうか?
答えは否だろう。
正義という言葉を聞くたびに、指定の元で無差別に何の罪もない民間人達を建物ごと敵の部隊を倒すための巻き添えにした事を思い出す。
そして自分は民間軍事会社のパイロットだ。仲間達は壁のための戦い、自分は家族の面目を潰さずに死ぬために入った。
「どうしたの?お兄さん達は正義の兵隊さんじゃないの?」
ルーカスの考えている事を知らずに、目の前の少年はルーカスの軍服を掴んで答えを求める。自分の信じる事を確かめようとする顔がルーカスの瞳の中に映る。
ちょうど自分が殺してきたパイロット達もこのくらいの年齢の子供を持っていただろう。
「そうだよ、俺たちは正義の兵隊さんだ。君たちを守るために来たんだよ。」
「なんだよ〜、もったいぶらずにそう言ってくれれば良いのに!!」
「さあ、お兄さん達の仕事を邪魔しないためにも早くお母さん達の区画に戻るんだよ。」
「ちぇーっ!!」
その少年の首根っこを掴んで、彼の母親がいるであろう民間人区画まで連れて行く。
「すいません迷惑をおかけしてしまって。」
民間人区画に入った途端、彼の母親らしき人に出迎えられた。どうやら彼を探しても探しても見つけられず泣いていたらしい。目元には若干の涙の跡が見える。
「普通にこちらに探しに来られても良かったんですよ?」
「いえ、それが主人から命が惜しいなら部隊の区画には入るなと言われまして。」
そう言いつつもその女性は深々と頭を下げた。
「お兄さん最後にサインちょうだい!!」
その場を去ろうとした矢先に少年にサインを求められる。頭を掻きつつも、ルーカスは手持ちのやっすぽい鉛筆で少年が差し出した児童向け戦争絵本の表紙裏にササっと書き込む。
子供の話し方って地味に書くの難しいんですよね、子供の状態に戻ることもできないので。




