メカナイズド・ハート 49話
おそようございます。
「エミー・・・。」
目の前に見知った背中を見つけて声をかける。
目の前の背中がビクッと震える。
「ルーカス?」
「うん、そうだよ。」
「よかった、死んでなかったんだね。」
涙声でそう伝えられると、再会の喜びよりも彼女をひとりぼっちにさせたことに対する申し訳なさが溢れ出る。
「ごめんよ、一人にさせて。」
「違うの、悪くないよ。」
彼女はルーカスの責任も否定し、ただ泣き続ける。わずかな街頭の明かりは彼女の溢れる涙に反射して、真珠のような光を一瞬放つ。
「顔を見せてくれないかい?」
「やだ、見せられる顔じゃない。」
そう言う彼女の言葉を無視して後ろから精一杯抱きしめる。ルーカスは死の淵に立って改めて理解した。絶対にエミーを一人にはさせない。彼女を残して死なない。
「よかった・・・、生きてて良かった・・・。」
彼女が涙交じりに発する言葉を聞きながら、用のない墓地を去った。
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「急げや阿呆ども!!」
大隊長であるセルゲイ自らが陣頭指揮にあたって、機体の詰め込みを急がせる。24時間招集を受けてすでに6時間以上経過しており、余裕はない。
彼の圧力に急かされてか非番や休暇中の整備兵と民間の整備士、そのあたりを歩いていた帰宅途中の工場労働者も動員して軍民問わずの共同作業を行う。
「これでマンパワーは足りたな。」
「しかし、こんなことをして大丈夫なのか?非番の整備兵まで連れ出して民間人も整備場に招き入れて。」
「国の緊急時なんだ。それにスパイが紛れていようがこれだけの人が居れば怪しい動きを隠れてすることはできないだろ。昨今の通信情勢を考えれば余計にな。」
セルゲイは動き回る憲兵や武装した警備兵に目を向けつつ、昨今のコロニー間長距離通信が検閲されていることにも触れてルーカスに自分の意見を示す。
「そういうことじゃなくて、書類とか上層部とか。」
「ああ、まあなんとかなるでしょ。ダメだった別の国で働くだけだよ。」
「ええ・・・。計画性がないなあ。」
そうぼやくと、セルゲイは面白おかしそうに呟く。
「明日無事に起きれるかもわからないこの世界で計画を決められるのは金持ちと政治家ぐらいじゃないかな。」
「お前はどっちなんだ?」
どこかの有名な詩人の言葉を引用して悲観的な憂鬱な言葉を呟く言葉に質問をする。
「お前はどっちになりたい?」
「どっちでも、エミーが幸せなら気にしない。」
質問の質問で返す意地の悪いことをされても、気にせず自分の考えをセルゲイに伝える。眼力に押されてか若干セルゲイは身を引くが、すぐに冗談めかして再び話す。
「はは、まあそういうだろうな・・。男はみんなそう言う。」
「俺は本気だよ。」
再びルーカスは自らの意思を視線に込めてセルゲイを正面から見据える。
「そうか、・・・仕事が終わった伝える事がある。二度と隊から逸れるなよ。」
「わかっている。」
かなり遅めの更新です。端的に言えば、充電が切れて小説が書けなかった。ぴえん。




