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メカナイズド・ハート 40話

最近寒くなってきました。みなさんお元気でしょうか?

「ムッシュ、これを使って!!」


ムッシュとはフランス語でミスターの意味だ。

明らかにフランス人ではなさそうなアフリカ系の男性から消防用の斧を渡される。非常に重いが、これなら使えそうだ。


思い切り斧を振りかぶり、扉の四隅を叩き蝶番を吹き飛ばす。やはり耐久性が高いらしく、思い切り振っても歯が通らず振動だけが響く。しかし、軽くなった扉は確かに蝶番が外れた感覚がした。四隅を吹き飛ばし終わると、ただの板となった扉を蹴飛ばして中に侵入を試みる。


蹴飛ばして入ろうとすると、扉は吹き飛ばず、むしろ押し返してくる。どうやら扉の向こう側に誰かが張り付き押してきているようだ。ルーカスも負けじと押し返す。


ギッ ギギギッ


外れた扉が周囲のフレームや壁に擦れるたびに、黒板を指で引っ掻くような嫌な音がする。


ルーカスの側もラグビーのスクラムのように、全身を当てて扉を全力で押すが、扉は再び押し戻されてくる。


思えばハイジャック犯達は皆良い体格をしていた。押し合いで勝利するのは難しいだろう。計画ので変更が必要だ。


不意に扉越しに圧力が高まる。倍近い力で押されてルーカスの目の前で扉は床に擦りつきながらも着実にルーカスの方へと押し込まれている。


閃いた。

ルーカスは名案を思いつき、すぐに実行に移す。


身を屈めて重心を下げる。すると向こう側から押していた力はルーカスの力に打ち勝つ扉を押し退ける。


しかし、ルーカスが扉の下部を押し続けているため、扉はルーカスの上に倒れ込むようにして押し除けられる。


ハイジャック犯二人は勢いのまま、半ば押し除けた扉の上に倒れ込む。


その二人の足元目掛けて消防用の斧が遅いかかる。


二人のうち一人の足首に斧が直撃。確かな感触がルーカスに伝わってくる。


完全な死角から不意打ちされ、足首を斧で抉られたハイジャック犯は激痛で訳のわからないことを喚きながら、身を悶え苦しみながら横の壁にもたれかかる。


ルーカスは素早くもう一撃を、もう一方のハイジャック犯に食らわせてやろうとするが、片手で斧を振っているため速度が出ず、ひょいとジャンプされて回避される。


斧を手繰り寄せてもう一度振ろうとするが、衝撃を手に感じ痛みで歯を食いしばる。


見ればわずかに飛んだハイジャック犯は、足首を壊された仲間の仇とばかりに、思いっきりルーカスの手を斧ごとジャンプの勢いに合わせて踏みつけていた。


ゴキッ メキメキッ


自分より一回り大柄なハイジャック犯に勢いよく踏まれて骨と筋が砕ける音がする。


次はどうしてやるべきか。

痛みで絶叫しながらも、冷静に考える。


手、痛そう。

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