メカナイズド・ハート 36話
2本投稿できませんでした涙
「脈拍は?」
「少しずつ戻ってきています。」
「よしっ、後は機械が調節してくれるだろう。」
その言葉どおり、数分もしないうちに死体は穏やかな呼吸をとり始める。死体の胸は上下に動き、心臓の鼓動もしっかり確認される。
「呼吸は?」
「戻ってます。」
「よし。」
ガチャッ
死人が体を起こす。起こしてあたりを見回したかと思えば、半裸の状態でドクターに飛び掛かる。
ひったくるように看護婦の手からメスを片手で奪いとり、ドクターの首元に当てる。
「悪いけど人質になってもらうぞ。」
ルーカスは、ジタバタと暴れて脱出しようとするドクターと、周りの呆気にとられて動きが止まった看護婦たちに宣言する。
バタン
吹き飛ばされるように扉が開き、開いた扉から3人の警備兵がライフルを構えて入ってくる。
「武器を捨てろ!武器を捨てるんだ!!」
「抵抗をやめろ!!」
「撃ち殺すぞこの野郎!!」
それぞれ怒鳴り、ルーカスに銃を突きつけて警告する。しかし、その程度の威圧で武器を捨てるほどルーカスの決心は弱くない。
「撃ち殺してみやがれ!!この糞ガキも一緒に殺してやるぞ!!」
「んだとこの野郎!!この距離で外すと思うか!?」
「ガキ・・・。」
ルーカスは怒鳴り返しながら壁に背中を当てつつ、開いたばかりの扉に向かって少しずつ進む。少しずつにじり寄るルーカスに対して、威圧しつつライフルを構える警備兵たちは常に一定の距離を保ち続ける。
接近してルーカスの間合いに近づかないようにするためだろう。
ガキという言葉にショックを受け、再びジタバタとルーカスの腕の中から抜け出そうとするが、子供のような背丈のドクターは、どうしたって抜け出すことができない。
「俺は亡命する、足を用意しろ!!」
もう一度ルーカスは自分の立場を知らしめると、警備兵たちに視線を向けつつもその場を離れる。
警備兵の1人が通信機で上官に連絡をしている。
この時になってようやくとはニブい奴だ。ルーカスはそう思いながら、開いた扉から人質のドクターと一緒に部屋を出る。
部屋を出るとルーカスは、怖い顔をした集団に出くわす。
警備兵がアリのように仲間をゾロゾロと通信機で呼んだのだろう。
「何だよ、盛大に見送ってくれるのか?」
ルーカスは、皮肉を挟みつつ手元にあるメスをアピールして手を出さないように警告する。
集団の中でも偉そうな将校に対して声をかける。
「おい!!ベルギー行きの定期便に乗せやがれ!!」
将校は一言も発さずに、指を指して宇宙港への道筋を示す。忌々しそうな将校や兵士たちの顔を見て溜飲を下げつつ冷たい通路を進んで行った。
次の話でちょっと内容が飛ぶかも




