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日常世界の超科学!  作者: Inu_TT
NTcity編
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土垣 vol.1

『1月20日から2月18日生まれの水瓶座のアナタは仕事もお金も最強運!全くありえないことにどう転がってもイイ事しか起こらないので宝くじでも買ってみろ!』


ラジオの占いを聞きながら涼はいつもぼやく

「……いや、こんなモンだってなァ分かってんだけど、分かってんだけどさあ」


8月1日


 このクソ暑い時にエアコンがぶっ壊れてうだるような熱気が支配する研究都市の寮の一室で佐久間涼は絶句した。

どうも昨日の真夜中に雷が落ちたらしく、電化製品の八割が()られていて、それは冷蔵庫の中身が絶滅している状態を意味していた。非常食のカップ焼きそばを食べようとしたら流し台に麺をぶちまけ、仕方がないから外食しようと財布を探してるうちに床に落ちてた財布(あとその中に入っていたキャッシュカード)を踏み砕き、しかもふて寝兼二度寝兼泣き寝入りを電話で叩き起こされたと思ったら『佐久間ちゃーん、バカだから補習でーす♪』との担任からのお達し。


 天気予報みたいに流れるラジオの占いなんてこんなモンだとは思うが、ここまで来るともはや笑いも起こらない。


 占いは必ず外れ、おまじないは成功した(ため)しがない。それが涼の日常だ。この芸術的すぎるほど運に見放された体質は一族に伝わるモノかと思いきや、父は宝くじで4等を当て、母は自販機のルーレットで当たりを引き続けて止まらないのだった。もしかすると涼の幸運は両親に、両親の不運は涼に移動したのかもしれない。


とはいえ、いつまでもウダウダしているつもりもない。


「……さて、と。目下(もっか)の問題はカードと冷蔵庫か」


 カードは通帳があれば再発行はできる。問題は冷蔵庫 というか朝ご飯だった。どうせ補習なんて能力の訓練(カリキュラム)で、過度に体力を消耗するだろうから流石に空腹はまずかろう。

仕方ない。途中のコンビニで何か買って食うか。

しかし昨日の記憶が蘇る。


「現金、昨日使い果たしたんだった!」


 そしてまたふて寝兼二度寝兼泣き寝入りをしていたら催促の電話で叩き起こされた。

帰ってから速攻寝れるように布団干しておくか。天気もいいし


ベランダにつながる網戸を開けたが…


「晴れてんのにお先は真っ暗♪」

 よく考えれば当たり前のことだ。寮が2メートル間隔で立ち並ぶこの場所で、最初から日当たりなど望めないのだ。

目の前に見えるのは隣の建物の壁。以上!


「ハハハ…… これなら補習行ったほうがまだ良さそうだな」

 しかしウチの隣って誰が住んでたっけ?

まあいいか。その時はあまり気にもしていなかったが、後にコイツが大きく関わってくることを涼はまだ知る由もない。

それよりも目の前に山積みにされた課題を片付けることが先決だ。

「……これを全部やるんですか?」

俺は恐る恐る聞いてみたが、返事は そうなのですよ。の一言。

その課題の多くは能力開発に関するもの。

その中には超能力者(レベル10)の詳細資料もあった。

読むだけだし、これからやるか。と、読み始めたが(勿論琴音のページは全部飛ばしたが)レベル10第1位に見知らぬ名前があった。

『土垣 瑛篤』

確かに知らないのだが、何か覚えのある名前だった。

「能力は……」

優先順位?聞いたことのない能力だな

しかし一日勉強していると、そのことはほとんど忘れて家(寮)に帰ると、ベッドにDIVE

しかし異変は深夜に起きた。

ベッドの横の壁を何かがブチ抜いて来た。

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