賢い作者が書く笑える小説は【面白くてウケる小説】だが、馬鹿な作者が書く笑える小説は【つまらなくてスベる小説】である。
このエッセイを不快に思った場合は遠慮無く自分を批判してください。
どうでもいいと思ったら1000文字程度の本編だけ読んでブラウザバックしてください。
【小説家になろう】で無数にいる作者様の中には笑える小説を書きたいと思ったり、実際に書いた作者様もいるでしょう。
自分も実際に書きました。
しかし、笑える小説を書くのは実はとても難しいのです。
《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》というのが分からないと笑える小説は書けません。
《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》が分かる作者様は賢い作者様です。賢い作者様が書いた笑いを狙った小説は【面白くてウケる小説】です。読者様の中には抱腹絶倒で何度も読み返しされることもあるでしょう。
【小説家になろう】の中でもたまに笑いを狙った小説を見かけますが、《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》が分かっているためか、思わず笑ってしまいます。当然ながら、そんな小説にはポイントが沢山付いています。
一方で、笑いを狙った小説を書きたいけど、《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》が分からず、全然書き進められない作者様や書くのを諦めた作者様もいるでしょう。当たり前です。《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》というのはとても難しいのでから。
だが、《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》が分からない(分かったつもりでいる勘違いも含む)けど、なんとか笑いを狙った小説を書いたという場合もあるでしょう。それでも、稀に読者様を笑わせる事はできますが、殆どの場合は読者様を笑わせる事はできません。
残酷な事ですが、笑いを狙った小説だけど読者様を笑わせる事ができなかった小説は【つまらなくてスベる小説】なのです。つまらないのですから読者様は誰も笑ってくれません。面白くなかったのでポイントも付きません。
つまり、馬鹿な作者が笑いを狙った小説を書いても駄作になるだけなのです。
書いてる内に自分には笑いを狙った小説を書くのは無理だと諦めた作者様はつまらない小説を投稿せずにすんだという事です。
自分は投稿してしまいました。《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》を勘違いしたまま書きました。当然ながら、その小説は読者様を笑わせる事はできませんでした。その証拠としてPVは少ないし、ポイントは着いてません。(一部だけ優しい読者様にポイントを付けてもらってます)
笑いを狙った小説を書きたいならまず、笑いをとる研究をしなければならないようです。その研究を怠らなかったから多くの読者様を笑わせられる小説を書けるのです。
これは小説家に限った話しではありません。笑いを狙ったネタを考えるお笑い芸人だって笑いをとる研究をしているのは変わりません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。このエッセイはここで終了します。
これより下記の内容は自分が書いた【つまらなくてスベる小説】の一例です。無駄に長い上に全然面白くないので、興味無ければここでブラウザバックしてもらって良いです。
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↓自分の3作目【駄異世界物語】第1部分【ガベルアンジ王国】↓
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ダメダメな異世界の駄異世界だいせかいにあるダリヤーンプオ大陸の北部にあるガベルアンジ王国。
高さ3メートルの全然立派じゃない城(ダンボールの手作り)の一室で、ガベルアンジ王国の自称女王ダスト・ガベルアンジは真っ昼間(午後1時1分)に目が覚めた。
「ゴキブリメイガスの夢で変な気分だけど今日はあたしの誕生日だな! きっと町は夜にやるあたしの誕生日祭で賑わってるだろうから、ちょっと様子を見てみよう! あぁ誕生日祭楽しみだなぁ」
ダスト・ガベルアンジは外に出て、近くにある広場に行った。そこには貴族から庶民までたくさんの人で賑わって……いなかった。
「あれぇ? ゴーストタウンみたいになってるぞ? おいおい、なんで誰もいないんだよ? しかもあたしの誕生日祭の準備これっぽっちも進んでないじゃん。……あ! これはサプライ――」
「それはあり得ないです。陛下」
ダスト・ガベルアンジの「これはサプライズだな!」を途中で遮ったのは、ダスト・ガベルアンジの自称使用人の女トラス・ファキトラシュである。
ダスト・ガベルアンジは馬鹿みたいな顔でトラス・ファキトラシュに聞いた。
「おいトラス・ファキトラシュ。これあたしへのサプライズじゃなくてマジで進んでないの? あたしの誕生日祭の準備進んでないの?」
「いいえ。準備が進んでいないのではありません。準備を始めてすらいません」
「なんでだよ? 早くみんなを呼び出して準備させるんだ!」
「嫌です。断固拒否です。めんどくせえし」
「え……?」
使用人ごときが女王である顔もダスト・ガベルアンジの命令を拒否した。それによりダスト・ガベルアンジは馬鹿な上に間抜けな顔になった。
ダスト・ガベルアンジに顔に微塵も興味が無いトラス・ファキトラシュはブッサイクな顔してるダスト・ガベルアンジに言う。
「たかが一人のクズの誕生日くらいで大人数だいにんずうの民衆を巻き込むなんて可笑しいと思います」
「なに言ってるの? あたし女王だよ? 女王なんだからたくさんの人が祝うのは当然でしょ?」
「いいえ。そんな事はありません。巻き込むのは仲の良い数人の友達だけで良いのです。……もっとも人付き合いを怠ってきたくそぼっちの陛下にそんな人いませんが」
「民を友達と思うなんて無理だし」
「だから誰も祝わないのです。赤の他人の誕生日を祝う必要なんて無いのですから」
「な……なんでだよ? この国の民はあたしを祝うひ――」
「必要ありません」
ダスト・ガベルアンジが「あたしを祝う必要がある」と言うのをトラス・ファキトラシュは遮ったあげく、「必要ありません」とひと蹴りだ。
あまりに態度の悪い使用人のトラス・ファキトラシュにダスト・ガベルアンジはキチガイ化寸前である。
その時、ダスト・ガベルアンジのところにやさぐれたぼさぼさの髪の女が近づいてきた。
「……やぁダスト・ガベルアンジ。キチガイみたいな顔してどうしたんだい? ただでさえブサイクな顔が超絶ブサイクになってるぞ」
ダスト・ガベルアンジにそう言ったのはガベルアンジ王国の自称王族の女のガベジ・ガベルダンプァである。この国屈指の美女好きだが、駄異世界だいせかいに美女はおらず、ブサイクしかいないと知って酷くやさぐれている(地球という世界の存在を知ったりしたら絶対転生するために自殺する)。
ダスト・ガベルアンジはガベジ・ガベルダンプァに怒りながら言う。
「馬鹿のトラス・ファキトラシュがあたしの誕生日祭はいらないとか言うんだ! なんとか言ってくれ!」
「いらんやろ。そんなクソゴミイベント」
「なんでだよ?」
「誕生日はめでたい日じゃない。どんどん老いていく日だ。ましてはダスト・ガベルアンジはもう60歳。おばさんじゃないか。それくらいの年になると普通の人は誕生日が来ても祝ってもらおうとは思わないんだよ」
「なにを言うか! あたしは普通の人ではない! 女王だ! 女王の誕生日は皆が祝福すべきなんだ!!」
「ダスト・ガベルアンジの事を女王として敬っている人いないでしょ」
「えぇぇ……。お前たかがあたしの親戚の分際でなんて事を……」
とてもアホみたいな間抜けっ面をするダスト・ガベルアンジ。こんなブスを放って、ガベジ・ガベルダンプァはトラス・ファキトラシュに言う。
「トラス・ファキトラシュ。今日庶民のスクラ・ダスタエルが20歳の誕生日なんだ。最後のめでたい誕生日を祝ってやってくれ」
「承知しました。……陛下と同じ誕生日だなんて……可哀想です」
トラス・ファキトラシュのその言葉でダスト・ガベルアンジはブサイク極まりない顔になった。
使用人が主の誕生日よりも庶民の誕生日を優先し、主の誕生日と同じ日が誕生日の庶民を可哀想に思うのだ。……そもそも、冷血漢(女)のトラス・ファキトラシュの反応としては当然の事だが。
ダスト・ガベルアンジは冷血漢(女)のトラス・ファキトラシュに飛びっきりの文句を言うためにIQあいきゅー10未満の頭脳で考えた。しかし、トラス・ファキトラシュはダスト・ガベルアンジの文句を聞かずに、どっか行った。ガベジ・ガベルダンプァもいつの間にかどっか行った。……無駄に広い広場にダスト・ガベルアンジは一人で情けない面して立っていた。
トラス・ファキトラシュはスクラ・ダスタエルの家に入ると、スクラ・ダスタエルとスクラ・ダスタエルの知り合いである庶民のゲスリ・オバサベジがいた。トラス・ファキトラシュは誕生日のスクラ・ダスタエルに言う。
「やぁスクラ・ダスタエル。20歳の誕生日おめでとう」
「あんた誰?」
「あんた誰じゃねぇよ。いつもあの馬鹿陛下の代わりに意味の無い演説してるだろ」
「んー政治に興味無い。ダスト・ガベルアンジにも興味無い。この国の行く末に興味無い。あんたの事もゲスリ・オバサベジの事も興味無い。私の事にも興味無い。この世界にも興味無い。私が興味あるのは異世界のみ」
「そっか。ならば異世界転生をプレゼントだ! 死ねえ!!」
トラス・ファキトラシュがいきなりキチガイみたいな顔になってスクラ・ダスタエルをぶん殴った。それにより、スクラ・ダスタエルの頭に丸いたんこぶができた。
スクラ・ダスタエルは全く可愛くない顔で笑った。そして、トラス・ファキトラシュに言う。
「あんた……。あたしが馬鹿になったらどうするんだ? あと慰謝料100メダル」
「異世界に転生するなら問題無いだろ」
「あるよ。異世界で馬鹿扱いされてしまう。 慰謝料100メダル」
「良いじゃん。IQ10くらいしか無いんだから。殴ろうが殴らなかろうが馬鹿は馬鹿だ。てめえに払う慰謝料は0」
「……なるほどそんな考えか。……あんたが死ねええええええええ!! 地獄で永遠に苦しめえええええええええ!!」
スクラ・ダスタエルはトラス・ファキトラシュを近くにあった棍棒で2回殴った。トラス・ファキトラシュの頭にはスクラ・ダスタエルよりも立派な丸いたんこぶができた。
トラス・ファキトラシュは野蛮人みたいな顔になり、スクラ・ダスタエルに言う。
「よくも殴ってくれたな。ならば転生する前に喧嘩をしようか! 慰謝料マイナス444。つまり貰う」
「へぇあんたみたいなもやし女があたしに勝てるかな? 慰謝料についてはこちらのセリフだ」
トラス・ファキトラシュとスクラ・ダスタエルは全く熱くならない肉弾戦を始めた。戦い方は凄く雑でもはや勝てればなんでも良いという野蛮さである。
カッス・ファキトラシュとクズノ・ダスタエルのウンコレベル醜い戦いに嫌気がさしたゲスリ・オバサベジはスクラ・ダスタエルの家の外に出た。大きなカメムシバズーカを持って。
「トラス・ファキトラシュ。スクラ・ダスタエル。大地獄へ落ちろ!! ゴートゥーグレートヘル!!」
ゲスリ・オバサベジはスクラ・ダスタエルの家の中にカメムシバズーカを撃つとトラス・ファキトラシュとスクラ・ダスタエルはカメムシの444倍の悪臭で気絶した。ゲスリ・オバサベジは言う。
「ゴミ処理完了!! カメムシリスペクト!! みんな大好きカメムシ!! 虫界のアイドル!!」
意味不明な事を言ってゲスリ・オバサベジは帰った。ちなみにゲスリ・オバサベジはカメムシやゴキブリが大好きだ。
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↓自分の11作目【笑いをとろうとした俺がダダスベりした日 ~とても大事な日に俺は会場にいる全ての人を爆笑させようと思ったが、結果は……~】第1部分【1話 6年生を送る会】↓
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今日は俺が待ちに待った6年生を送る会だ。この日のために俺は冬休みの時から出し物のネタを用意していた。それをついに披露する時だ。
「覚悟するが良い。俺のネタで可笑おかしくなるほど笑わせてやる!」
俺は自信満々に発言し、ステージに向かう。
――みんなが笑い転げる姿が想像できるぜ。一生忘れられない思い出になる事間違いなしだな!
皆みなのもの 俺おれのネタ見みて 笑顔えがおだぜ(by 虎川大輝とらかわたいき)
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『プログラム3番。虎川大輝とらかわたいきの大爆笑だいばくしょうネタ』
「……ブリブリウンッコォォォォォ!!」
謎のミュージックスタート!
「ウンコォ! ウンコォ! レッツウンコォブリブリブリブリブリブリブリブリ!」
リズミカルに9回タップダンス! そして3回フィンガースナップ(指パッチン)!
「馬場ばば(6年生の男子)のおっなっらっ! マッジッくっさっいぃぃぃ! ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリおっなっらっがブーーーッ!!」
リズミカルに5秒コサックダンス! その間にフィンガースナップ(指パッチン)!
「牛田うしだ(6年生の女子)のおっなっらっ! 超っ爆っおーーーん! ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ!」
ここでドヤ顔!
「2人が結婚すればおなら夫婦!」
ここで3秒フラメンコ!
「ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ2人でブーーーップゥッ!!」
足をリズミカルに動かす!
みーぎ! みーぎ! ひっだり! ひっだり! まーえ! うっしろ! まーえまーえまーえ! みーぎ! みーぎ! ひっだり! ひっだり! まーえ! うっしろ! まーえまーえまーえ!
「猿田さるた(6年生の女子)のウンコォタイムゥちょー長いぃ! ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ!」
またドヤ顔!
「あまりの臭さで気絶してるのかも! ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ!」
またまたドヤ顔!
「またはウンコ出すのに体力使ってるのかも! ウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ!」
ここで5秒ボイスパーカッション!
「トイレの掃除ぃマジでやだ! トイレの掃除ぃマジでやだ! ウンコォ付いててちょー汚ぁい! 汚い汚いマジ汚ぁい! それでもウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリウンコォブリブリブリブリブリ! ウンコォおならぁブリブリブーーーッ!!」
――決まった!
謎のミュージック終了!
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俺は会場のみんなを見た。そこには面白すぎて笑い転げる姿……ではなくゴミを見るような冷たい目をした人ばかりがいた。
――あれ? 誰も笑ってないぞ? ……まさか……俺、スベった?
会場のみんなを見ていると、6年生の中にキチガイみたいな顔した奴がいた。俺がネタに使った馬場と牛田だ。俺を見てぶちギレているようにしか見えない。猿田は完全に死んだ目で睨にらんでいる。
――やらかした……。俺、やらかしちゃった! ヤバい! これはかなりヤバい!
俺はステージから逃げた。
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ステージの横の倉庫に逃げると、そこには同級生の熊谷凡太くまたにぼんたがいた。
「熊谷ぃぃぃぃぃ!! てっめぇぇぇぇぇぇ!! 俺を騙したなぁぁぁぁぁ!!」
「騙してないよ!」
「騙しただろうが! 小学生はウンコが好きだからウンコをネタにすれば大爆笑間違いなしって! 言っただろうがぁぁぁ!!」
「言ったよ」
「じゃあなんであんなにクソみてぇな空気になってんだよ!!?」
「いやいや、その場にいる人をネタに使うのは可笑しいでしょ? ましては主役の6年生をそんなネタに使うなんて」
「あ……そ、それは……」
「そりゃ個人のコンプレックスをだめ押しするようなネタがウケる訳無いでしょ」
――なんも返せねぇ…。
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その後、最悪の空気になった6年生を送る会は熊谷凡太くまたにぼんたが下手くそな歌を歌って挽回ばんかいした。
俺は熊谷に良いところを全てもってかれた感じがした。
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↓自分の13作目【誰もが転生したくない異世界へようこそ ~どんな人も転生するなら夢と希望のファンタジー世界に転生したいでしょう。ですが、貴方はこの世界に来てしまいました。夢も希望も無いクレイジー世界に~】第1部分【1話 俺の股間を蹴りやがったな!?】↓
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「龍崎さん! 俺とカラオケ行こうぜ!?」
俺は◯◯大学校に在籍している美少女の龍崎久留美りゅうざきくるみをナンパした。
「黙れ。クソゴミふぜいが私に話しかけるな」
――おおっ! 相変わらず態度悪いね!
俺は知っている。龍崎久留美りゅうざきくるみは仲の良い友達以外には態度が悪い事を。年上も例外ではない。
「クソゴミとは酷いなぁ。これでも俺は龍崎さんと同格になれるように――」
「貴様と私が同格? うぬぼれすぎだ。私は女神だとすれば貴様は汚染物質だ。身の程を知れ。さっさと消えろクソゴミ」
「そんな事言わずにさ――」
俺がどこかに行こうとする龍崎久留美りゅうざきくるみについていこうとすると――
「死ね」
龍崎久留美りゅうざきくるみは俺の股間を猛烈な強さで蹴りあげた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
強烈な痛みで悲鳴をあげて倒れる俺。龍崎久留美りゅうざきくるみはそんな俺を見ることも無く、去っていった。大きな声で悲鳴をあげるものだからたくさんの人たちが俺に注目している。しかも、見てる人たちはみんな爆笑している。
――見てな…いで……誰かぁ………。
俺の意識はそこで消えた。
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「もしもぉし。粗大ゴミならぬ人ゴミィ」
「……ん?」
聞いたことの無い女の声で俺は目が覚めた。
「あぁ、起きたか。おはよ、ゴミ」
「えぇ?」
――なんだこの女。初対面なのにゴミとは酷いなぁ。てか誰だよ!? こんな女見たこと無いぞ! てか、うんこ座りとかヤンキーかよ!?
俺の記憶に焦げ茶色のスクール水着を着ている女はいない。そもそも見たことの無い顔である。ブサイクでもなければ美人というわけでもない。言ってみれば普通である。うんこ座りが若干普通という感覚を潰しているが。
ちょっと言い返す事にした。
「失礼だな! 俺はゴミじゃなくて虎川とらかわた――」
「へぇ。どうでもいいわ。ところでゴミ」
――こいつぅぅぅ!! なんて生意気な奴だ! 俺は龍崎さんにゴミと言われるのは別に良いけど、こいつに言われるのはムカつく! あと名前を言うのを途中で遮るな!
「俺は虎川た――」
「聞けやゴミ」
「虎川た――」
「ゴミ野郎」
――こいっつぅぅぅ!! 絶対わざとだろ!! こんな奴にはおもいっきり怒ってやらないとな!! 俺になめた態度をとった罰だ!!
「おい!! てめ――」
「うるせぇきたねぇ声でわめくなゴミクズ!!」
「え……」
――怒ろうとしたら怒られたよ。なんてめんどくさい人なんだ。
俺は少し後退あとずさった。すると、何かが足に当たった。当たったというよりかはグジャッと踏んづけた感じである。
「ん? なんだ?」
俺は足元を見ると、大量の汚い生ゴミ(茶色くて臭そうなウンコみたいな何か)があった。
「うっわぁぁぁぁぁ!! 汚い! 汚いぞぉぉぉぉぉ!!」
「ゴミ野郎のお前の方が汚いぞ」
うんこ座りしている女で気がつかなかったが、俺は今、ゴミ捨て場の中で立っている。俺はゴミと同化しているのだ。
俺はすぐにゴミ捨て場から出ようとした。しかし、ゴミが多いせいで、足場が悪く、なかなか進めない。
「出るんか? せっかくここまで運んでやったのに」
「お前の仕業しわざかよ!」
このうんこ座りをしている女が俺をゴミ捨て場に捨てたという事が分かった。
――人をゴミ捨て場に捨てるなんて…非常識だ!
なんとかゴミ捨て場を出ることができた。とはいえ、このうんこ座りの女に対しては文句を言わないと気がすまない。
「おい! 俺はゴミじゃねぇぞ!?」
「いやいやゴミでしょ。男なのにキ◯タマ無いじゃないか」
「え……」
――キ◯タマが……無い!?
俺は急いで、ズボンを脱いで股間を確認した。俺の…いや、男としての大事なキ◯タマは――
「……無い」
「うん。無いね」
龍崎久留美りゅうざきくるみに蹴られた時につぶれたのだ。
「うわぁぁぁぁぁ!! 俺の男としての尊厳がぁぁぁ!!」
「良いじゃん。ゴミに生殖機能なんかいらんやろ」
「そんな事言うな! 俺だって可愛い女の子が欲し――」
「てめぇの顔面じゃブスしか生まれねぇよ」
――こいつマジでムカつくぅぅぅ!! 俺の事をやったら否定的に言ってきやがって! ……にしても、龍崎さんに俺の大事な物をつぶされたのか。いくら龍崎さんでも許さんぞぉぉぉ!!
「ちょっと龍崎さんに文句言ってやろ!」
俺はそんな事を言いながらゴミ捨て場を出た。そのタイミングで、うんこ座りの女とは別の女が俺に近づいてきた。
「それは無理です。貴方はすでに死んでいますので」
「は? 何言ってんの? 俺は生きてるぞ」
「いえ。地球での貴方は死んでいます。今の貴方は地球から転生してきた人間です」
「何を言ってるんだ? 転生してきた――転生!?」
「はい。転生、いえ、異世界転生です」
「異世界転生!? マジで言ってんのか!?」
「はい」
――異世界転生なんてマジであったのか…。何年か前の【小説家になろう】の流行くらいにしか思ってなかった…。
「てことはここは異世界という事なのか?」
「その通りです」
――てことは…剣と魔法を主に使って戦う世界なのか! 俺、戦うのか!?
俺はちょっとわくわくした。
「貴方は今、異世界という事で夢と希望のファンタジー世界を想像しているのでしょう」
「……そうだけど」
「残念ですが貴方の想像とは違います。この世界は夢と希望のファンタジー世界ではありません。この世界は夢も希望も無いクレイジー世界です」
「は? 何それ? クレイジー世界?」
――ファンタジー世界に似るようにしたセンスの無いネーミングだが、どういうことなのかは気になるな…。
「この世界には剣や槍などの武器はありません。そして、魔法もありません」
「え? ……じゃあ魔物は!? 魔王は!?」
「いません」
「特殊能力は!? 異能力は!?」
「ありません」
「スキル! ステータス! ギルド! パーティー!」
「ありません」
「…………」
――急に不安になってきたぞ…。もしやこの世界は【小説家になろう】であったような神展開なんて無いんじゃ…?
「この世界に異世界っぽいものは……」
「ありません。この世界に異世界らしさのある人間も動物もいません。ついでに言いますと、冒険者としての職業もありません。冒険者自体が存在しないのでそれ以前の問題ですが」
「…………」
――……異世界転生したのに全然楽しみが無いとは…。これは可笑しいだろ…。
《どんな内容にしたら読者様を笑わせられるか》を分からずに笑いを狙った小説を書くとこんなにも酷い駄作ができてしまうのです。
ご注意下さい。