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ひと匙の奇跡  作者: 浅華
平穏は遥か向こうにあるようだ!
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6



過去語り









「あぁ、ミリーにクラリエ、また何か悪さをしたのかい?」


神父さまはウンウン唸っていたものの、私たちに気づくといつものニッコリ顔に戻った。


「マックのバカをついに引っぱたいてやったのよ!!悪さじゃないわ!」


「ふふふ、アンネはさぞ怒っているだろうね」


「そーなの!シスターはとーっても怒っているの!」


「マックが悪いのにママがあんなに怒るのは意味がわからないわ!」


私達は神父さまの膝の上に乗り上げてありったけの文句を言った。


神父さまはミリーと私の頭を優しく撫でて話を聞いてくれる。


神父さまの優しい手つきは、いつもミリーと私の気持ちを落ち着けるのに最適だった。


いいこいいこされながら、時に私達に優しく注意をして。


「そうか、アンネは怒りんぼだねぇ」


一通り話し終えた後、ミリーと私の注意は、先程のテーブルに置かれた本に移った。


ミリーはトンっと神父さまの膝から降りると、机の上の本を手に取った。


「神父さまこれなに!?」


「あっ!こら、ミリー!」


私を膝に乗せているから、神父さまは咄嗟に動くことが出来ず、珍しく大きな声を上げた。


ミリーは手に取ったばかりの本をパッと離しもとの場所に落とした。


私もびっくりして神父さまの膝から降りた。


「あ、ごめんね2人とも。怒ってないよ」


神父さまは少し困った顔をして私とミリーの頭をまた撫でた。


「ミリーが触ったのって普通の本じゃないの?」


「神父さまこれ高いやつ???」


「うーん、これはさっき来たお客さんが置いていった物なんだけど、あんまり良くないものみたいなんだ」


「良くないって?おばけ!?」


「ふんっ!安心して!神父さま!ミリーがお化けなんてやっつけてあげるわ!!」


「それがよく分からないんだよねぇ…」



神父さまは邪悪な気配はしないのだが、元の持ち主が言うには、幽霊が憑いているという。


持ち主は古い貴族の家の人で、屋敷の倉庫の奥深くにこの本は眠っていたらしい。


そしてこの本について、調べていたら、大昔は大層な宝だと伝えられていたが、ある時から霊が付いていると言われだし、倉庫に捨て置かれたそうだ。


そしてこれを持ってきた人は、倉庫の整理をしてこれを見つけ、中を見ると何も書いてなく、訳がんからないし、メモ書き程度には使えるだろうと自室に持っていった。


するとその晩から女の霊が見えるようになったらしい。


どうにもこうにも出来なくて神父さまの所へ持ち寄ったそうだ。


帰り際に「二度と見たくもない!捨てるなり使うなりは神父様のお好きにしてください!」


と言って帰ったそうだ。


「み、ミリーこわくないわ!」


「うーん、悪い気もしないけど一応お祓いしたんだけど、変化もなくてねぇ」


神父さまはお祓いやお祈りの力が強いらしく時折、そういった相談が寄せられていた。



私は本当に真っ白なのか、本を開いてみた。


「あ、クラリエ…まぁいいか」


「あれ?神父さまちゃんと字がかいてあるよ??」


「ミリーも見たい!!」


神父さまとミリーに見せようとした途端、本に触れている手先がスーッと冷えるような感覚がして思わず手を離した。


「うわ」


ばふんっと音がして神父さまの部屋が煙まみれになる。



「まぁ!まぁまぁ!!なんて可愛らしいご主人様かしらぁ〜??」


その後煙が一瞬でひとつのところに集まり、人の形をたどった。


そこに現れたのは貴族みたいなドレスを着た薄緑色の人だった。


モフモフのついた扇をヒラヒラさせて、レースの帽子をかぶり、時々くるお貴族様の慰問の時のドレスを豪華にした版のお貴族様。


「まぁまぁ!ほんとに可愛らしいわねぇ!」


レースの手袋をつけた手で私の頬をムニッと挟むと、ぎゅっと抱き寄せていいこいいこする。


顔の前に豊満なおムネ様がぷにっとする。


「し、シスターよりでかい」


「ちょっ!?クラリエ!??」


「まぁまぁ!新しいご主人様はクラリエっていうのね!」


「…って、どちら様ですか!?」


ミリーは驚いて神父さまに抱きついて離れない。


神父さまは私たち3人が疑問に思う最もなことを問うた。



「まぁ!ワタクシの事かしら?私は、この本の精霊レナーテよ」











レナーテ「まぁ!」


口癖は「まぁ!」で舞台女優並のオーバーなリアクション。

豊満な胸とセクシーな口元が特徴の落ちろけお姉さん。



あと神父さまは、お爺さんではなくわりと若めのあんちゃんです。




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