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ひと匙の奇跡  作者: 浅華
平穏は遥か向こうにあるようだ!
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「う゛ぅ…よ、よ゛うやぐ、わだじめを゛認知しでぐでる、ご主人様があ゛…」




ダバダバと滝のように涙を流しながら、執事服を着たお爺さんに出迎えられた。


鍵を差し込んだ時にうっすらと感じてはいたが、本当に憑いていたらしい。



まぁ、霊の類ではなく、精霊だが。


大泣きしたお爺さんが一旦落ち着くと早速質問することにした。


「…はぁ、お爺さんはなんでこの部屋に憑いているの?」


「憑くだなんて!!私は列記としたこの部屋の契約家事精霊でございます!!まるで悪霊の如き言われよう!!甚だ憤慨物ですぞ!」


憑くと言う表現はどうやら憤慨もののようだ。



このお爺さんが言うには、この寮が建てられた当時、身分の高い者の為に付けられた家事精霊という者であるらしい。


「それが時を経て、奇跡の血も薄まり、今で言う魔力ですかな?その魔力で私の姿を可視化できるご主人様がいなくなったのでございます…」


この家事精霊というのは、部屋の主人の魔力を糧に人に見えるようになったり、家事精霊自体が魔法を使えるようになったりするらしい。


だが、見えずともこの部屋自体に契約をしているので姿を見せれずとも、掃除などの簡単な家事は出来るらしく、それを見られて幽霊だなんだの曰く付きとなったらしい。


時折魔力の強い入寮者が現れては中途半端に力が篭もり、足だけ可視化したり頭だけ可視化したりしたそうだ。


「ですので!久しぶりのご主人様ですので!!精一杯お世話させて頂きとう所存ですぞ!!我のことは‘爺や’とお呼びくだされ!!」


「はぁぁぁー…」


思わず大きなため息が出る。


この見覚えのある感じ、…増えた。増えてしまった。



「では!お許しを貰うまで触らずにいたのですが、ご主人様の荷物を紐解かせていただきますぞ!!!」


「あ」


爺やがバッ素早く動いて、魔法を使ったのか、荷物を入れたトランクが3つ同時に開く。



爆発したかのように突風がおきて、一気に部屋が賑やかになった。




「うっほーーい!これが新しい部屋かァ!」

「まぁまぁまぁまぁ!!すてきですわぁ!!」

「…まずまずってところかな」

「クーちゃん!おうち!?」

「やったー!おうち!!」



「な、な、なんと!!」


爺やの驚く声が聞こえる。そして赤色は走り出してしまった。




「あー!もうっ!!いったん大人しくして!!」



あまり爺やに驚かなかったのには前例があったからだ。



幼い時から私の身の回りには奇妙で不思議なことが溢れていた。


爺やの前に出てきた5人もその不思議なことのひとつである。



最初は一冊の本だった。







____






「ミリー!クラリエ!ちょっと待ちなさい!!」


私が親友のミリーと常に一緒に悪さをしていた頃の話だ。


ミリーは孤児院で唯一の親がいる子だった。ミリーの母親はシスターである。


しかし髪色の暗い平民の中で、私とミリーの髪色は明るく目立っていて、近所のパン屋の息子マックによくからかわれていた。


「お前らの髪の毛年寄りみてーだな!やーいばばあ!」


その日、日頃の鬱憤が溜まっていたミリーはマックをひっぱたき、私は泣いたマックをバーカと罵って、2人で怪我をさせたのだ。



パン屋の女将さんはマックの口の悪さに辟易していたのでむしろよくやったと褒めてくれたくらいだが、ミリーの母親であるシスターは、暴力は行けませんを私達を叱った。



そして私達はいつもの如く、神父さまの部屋に逃げ込むのだ。


いつもシスターは神父さまの部屋まではやってこない。


神父さまは、いつもニッコリ笑って部屋に入れてくれる。そのあと部屋でお手伝いをすると、みんなにこっそり内緒でお菓子を分けてくれるのだ。




だがその日はいつもと様子が違った。


神父さまは来客用のテーブルに置かれた一冊を見てうんうん唸っていた。














おじいちゃんでゴメンな笑


爺やはパワフルなランプの精みたいな万能タイプです。


パワフルマッチョジジイᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ




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