4
「ここが女子学院特別寮よ、確か最初の荷物はもう運ばれているはずね、寮母さんに名前を言えば部屋割りを教えてくれるわ」
タチアナ先輩に案内されて女子学院特別寮に着いた。
「コーダさん、この子新入生なのよ」
「はいはい、私はここで寮母してるコーダって言うもんだよ」
「よろしくお願いします、クラリエ・ベルメールです。」
入口で名簿を持ちながら働いていた貫禄のある人がこの寮の寮母さんで、コーダさんと言うらしい。
孤児院のあった下町の食堂のおばさんに似てる。
他にも同じような年代の人が働いてるように思ったが、その人達は日雇いで、夕時には仕事を終えると学院から出る人達らしいので、そんなに気にしなくていいと言われた。
タチアナ先輩はそれじゃあまた親睦会で、と言ってその場で別れた。
コーダさんが持っていた名簿には、寮内の部屋の振り分けが書かれてあったらしく、あんたは4階ね一緒に行くよと言われた。
「4階の何号室になるんですか?」
「そうか新入生は知らないね、4階は一部屋しかないんだよ。この寮は入学試験の成績が良い程寮の部屋の質が良くなるんだけど、良い成績用の部屋がもう埋まっちまっててねぇ、随分と長い間使ってなかった部屋なんだけど、この寮じゃ1番広くていい部屋さ。」
「そんないい部屋じゃなくてもいいんですけど…」
「それ以外だったら1階の貴族の侍女さん達の部屋しか空いてないんだよ、成績いい子程貴族のお嬢さん方にやっかまれるからねぇ、下手にお付の侍女なんかの近くの部屋にしたら唯一の安らぎの場所である寮室を荒らされるよ?」
なんて、デンジャラス……
ていうか侍女なんだったら、貴族の方と同じ寮の方がいいのでは無いかと思ったが、貴族用の寮には侍女寝泊まりする程の場所が無いらしく、侍女たちは朝早くに出ていって夜遅くに帰ってくる生活らしい。
まぁ生徒では無いので寮生と侍女たちはどちらかと言うと犬猿の仲のようだ。
「だから、成績がいい子程1階と離れるように上の階に部屋を振り分けるんだが、さっきも言った通り4階しか空いてなくてねぇ」
今日のクラスの雰囲気を見た感じ、確かにその侍女達とは距離を話した方が良さそうだ。
「大昔のファミテール学院はさぁ、本当はファミテール寮なんてもんはなくて、この寮だけで貴族も平民もそんなに数はいなかったんだよ。4階はそん時の王族?が振り分けられていた部屋らしくてねぇ」
「それなら平民が使うのは不敬とか言われるのでは無いですか?」
「いんや、そうじゃなくてねぇ、それは割とお咎め無しなんだけど、ね…」
「はぁ…?」
「出るらしいんだよねぇ?お化け?亡霊?って言うのが、さ。」
なんて部屋を案内してくれるのだ。
「私は霊感なんてもん無いからね、平気だと思うし、あんた孤児院出身だってぇ?苦労してんだねぇ。
一応あんたんとこのシスターに前もって相談したんだけどさ、気にしなくていいって言うもんだからさぁ、部屋も空いてないことだし、4階に用意させてもらったよぉ」
どうやらシスターの采配のようだ。
「ほら、これが鍵だよ。これはスペアがないから無くさないように気をつけるんだよ。」
階段を上がると、もうそこからその部屋のためだけのフロアになっている様で、真ん中にドーンと細かい彫刻のされた扉があった。
「え、本当に使っていいんですか?」
思わず慄くが、誰も使いたがらないからいいよと言ってコーダさんは階段を降りていった。
王族が使っていたとはまさにその通りで、階段を上がっていた時から思ったが、明らかに3階から4階に続く螺旋階段は手すりの部分からして凝った作りとなっており、そしてこの正面にある扉は以下にも高貴な気配が漂っていた。
コーダさんに渡された鍵は、変わった形をしていた。
銀色の金属で出来ていて、チェーンの先には赤色の光沢のあるリボンが付いており、鍵と思われる部分は棒つきキャンディのようだ。
丸い持ち手(?)の部分にはふかいあおの石が嵌め込まれており、差し込む部分は四角く角張った細い棒のみ。
扉の鍵穴、四角い小さい穴に、その棒部分を差し込む。
その瞬間、手元がスーッとする感覚がして扉が勝手に開く
「はぁ、まただ…」
「お゛がえりなざいまぜぇぇえ゛!!ご主人様!!」
誰も居ないはずの自室で偉い大層なお出迎えをされた。
???「ご主人様!」
あのー、良かったら、Twitterとかで設定の落書きとか上げてるのでドーゾ笑




