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「…何をしているのかと聞いたんだ。」
「え、あ、道に迷ったんです」
男はよく見ると顔の整った男で、サラサラのプラチナブロンドに翡翠の瞳をしていた。
ただ眉間の皺はすごいが。
上から2つボタンのあいたシャツに、黒いズボンを履いて、靴だけは一等上等な物を履いている。
シャツもズボンも高そうだ。多分この人は貴族であろうと検討をつける。
「そのタイの色は1年か…ここは集会所の裏手だ。…お前は平民だな」
「はい、そうです」
「…………なら知らないか。」
「え?」
「大方、教員棟の出口を間違えたのだろう。ここを真っ直ぐ行けば教室棟に戻る。そこで人を捕まえて女子寮の場所を聞くがいい。」
なかなか尊大に話す人だなぁとは思うものの親切な人らしい。
猫を抱いた変な人ではあるが。
眉間の皺も凄いし。
「あの、貴方がこの猫飼っているんですか?」
「知らん」
「え?」
「毎日餌をやったら寄ってくるようになった、飼ってはいない。早く行け。」
ぎゅううっと眉間の皺が深くなったと思ったら男は踵を返して現れた茂みの中に消えていった。
男に言われた通り、真っ直ぐ道を歩いた。
「あ、教室棟」
あの男の人に会う前に、この先には無さそうだなんて勘違いしてもう少しで折り返すところだった。
せっかく案内して貰ったのにまた迷子になっては元も子も無い。
目の前を通った人に話しかける。
「すみません」
「はい?」
茶色い髪のお姉さんだ。タイの色が私と違うので2年か3年の先輩だと思われる。
「女子学院特別寮の場所がわからないのですが…」
「あぁ、貴方、貴族じゃないのね。髪色で貴族だと思ったけどよく見ると制服の生地が平民仕様ね。私も今から寮に帰る所だから一緒に行きましょう」
お姉さんは3年生で、タチアナ先輩というらしい。
タチアナ先輩に案内されて女子がへ行く。
「クラリエさんはどのクラスに振分けられたの?」
「Aクラスです。タチアナ先輩はどのクラスなんですか?」
私がAクラスというとタチアナ先輩は目を丸くした。
「そう、…私はBなの。クラリエさんは頭がいいのね、でもそうね、確か今年は第2王子殿下がAクラスにいるでしょう?」
「はい、同じクラスですね」
「気をつけた方がいいわ…貴族の方とは、特に王族とは距離を置いた方が身のためよ」
どちらかと言うとおっとりした雰囲気のタチアナ先輩が妙に真剣な顔で少し身に覚えのあるような事を注意するので思わず聞き返す。
「何かあるんですか?」
「まぁ、今日の親睦会で話すと思うからその時でいいと思うわ。でも、そうねぇ、クラリエさんは知ってるかどうか分からないけど、この学院の2年に第1王子殿下もいらっしゃるのよ。その方を巡って色々あったりもしたから…」
「第1王子殿下はどのクラスなのですか?」
「…うーん、Aクラスなのだけど、王族は皆誰でもAクラスなのよ。」
「??」
「第1王子殿下はあたり授業にお出になられないらしいの。そして態度も尊大なのですって。」
「はぁ、でも王族ってそういうものでは無いんですか?」
「話では、他の貴族に対してもそう見たいよ?まぁ平民なんてのは話しかけても無視されることが常だけど、時折平民をバカにした貴族が同意を求めて話を振ったら、その貴族も含めて見下す発言をするらしいから1部ではスッキリするっていう子達もいるみたいだけど、」
「へえ、でも関わらなければ問題はないのでは無いですか?」
「うーん、噂では近くを通っただけで退学にさせられたとかも聞くからねぇ。せっかく苦しい思いをして学院に通うのだもの卒業しなきゃ意味無いじゃない?触らぬ神に祟りなし…よ!」
「そうですね!」
「まぁ詳しい事情は親睦会で話してもらえるわ」
舞台背景が暗いよぅ…( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)クスン




